セミブローグ


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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エンツォ・ボナフェ ART.3200 VITELLO NERO。
セミブローグ。
サイズは6-1/2。



まったく予定しておらず購入することになった靴だ。
以前、セミブローグってどういう機会に履く靴なのだろうと書いたことがある。
華やかな印象を与えるので、人前でプレゼンテーションする時などにちょうどいい。
そう考えると、出張先で顧客と話す時のために、黒いセミブローグがひとつ欲しいなと思っていた。

いろいろ検討した結果、英国製のあるモデルが候補になり、それを買う直前であった。
ところがそんな時、各地で夏のバーゲンが始まった。
行きつけのデパートの靴売り場で、エンツォ・ボナフェのセミブローグがバーゲン品で出ているのをみつけてしまった。
候補だった英国製より定価が高いにも関わらず、バーゲン価格でずっと安くなっている。
それを見て予定を変更せざるを得なくなった。

最近のデパートのバーゲンは、見過ごせないアイテムが混ざるので要注意というか、危険というか・・・(笑)
しかもあちこちで一斉に始まり、お店によって置いてあるモデルが異なるので、東京中を西へ東へと動かなければならない。
罪なバーゲンである(笑)



人気のエンツォ・ボナフェである。
僕としては珍しいスクエアトゥだ。
まあ、いつも丸いのばかりなので、たまにはこういうのも面白い。

作りはとてもいい。
サイズは6-1/2でも甲が高いのか、羽根が閉じ気味になる。
かといって幅はフィットしているし、ボールの位置も合っている。
これ以上小さいサイズにするのは危険である。
もっともセールなので他のサイズがあるわけでもないのだが・・・

お店のベテランの店員さんが、羽根が閉じてしまうのを見て、ウーン・・と唸っていた。
やはり羽根の開き具合は、外観上もっとも重視すべきところらしい。
ハンドソーンなので沈みは少ないから、インソールなど併用することで、何とかいけるだろう、ということになった。

帰宅後、愛用のインソールを入れてみたが、それでも羽根が閉じ気味になる。
仕方なくタンの裏側に専用クッションを貼ってみた。
しかしフィッティングとしては、やはりインソールなしの方がいい。
いろいろ試してみたが、結局インソールは抜いて、タンレザーパッドだけでいくことにした。



今回いきなり仕事に持ってきてデビューさせてみた。
どうなる事かと思ったが、履いた感触はなかなか良好であった。
さすがハンドソーンで、滑らかに吸い付いてきて足への負担が少ない。
ヴァンプ部分がストレスなく曲がることもあり、ヒールもよく食らいついてくる。
最初から長時間立ちっぱなし・・という荒療治であったが、最後まで当たるところもなく快適であった。

実はぎりぎりまでオールデンのモディファイドとどちらにするか悩んでいた。
モディファイドなら間違いはない。
しかし思い切って選んだエンツォ・ボナフェのセミブローグは、それに負けず劣らずの快適な履き心地を示してくれた。
一日中立ちっぱなしで、腰が痛くならない靴というのは限られる。
羽根が閉じてしまう点を除けば、この靴は僕の足によく合っているようだ。

足元を見るたびに、トゥ部分のメダリオンがクッと目に飛び込んでくる。
やはりセミブローグって独特の華やかさがあるなと感じた。
今回の出張にはピッタリであった。

靴の事なんて誰も見ていないといっても、初対面の相手の靴は意外に記憶に残るものだ。
挨拶で頭を下げた時などに、嫌でも目に飛び込んでくるのだ。
恐らく相手側にも見ている人がけっこういるのではないか?
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