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D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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ある得意先の話。
久しぶりに状況を聞こうと電話してみた。
定期的に注文はいただいているのだが、しばらく話をしていなかった。

この一年で販売品目を大きく変えたのだという。
ここには詳しく書けないが、そのお店では本業以外にある分野の製品の販売に力を入れていた。
一般的には5千円程度の価格帯の商品なのだが、より付加価値を加えた優れたものをお客に紹介し、2万円くらいの高価なものを販売することに成功していた。
ネット上でも専門店として有名で、あの店にはいいものがあると評判になり、当人たちもウチはその分野では日本一だと豪語していた。

しかしその戦略が、実はまずかったことが判明したのだ。
全国のユーザーから評価され、最初はその気になっていたのだが、それが自分たちの首を絞めることにつながっていたのだ。
診断士からそのことを指摘され、初めて気付いたのだという。

5千円の品を買いに来たお客が、いろいろな商品を比べてみた結果、奮発して2万円の製品を買ってくれるとする。
そこまで説得するにはかなりの時間を要する。
一人当たり商品説明に1時間以上かかり、一日に5、6個も売るとへとへとになってしまう。
それでも売上としては10万円程度だ。
しかも費用を2万円出すというお客は、自分が高価なものを買うという意識が強く、納得するまで長時間粘るのだという。

本業で販売しているアイテムは、それこそ10万円、20万円、あるいはそれ以上の販売価格なのだが、せっかくそちらを買いに来てくれたお客の相手が出来ず、何度もチャンスを逃してしまった。
それなら安いほうのアイテムは空いた時間を利用して売ってはどうかと言ったが、お客が来店するタイミングは大体決まっていて、同時になることが多いらしい。
つまりいくら全国的に有名なお店であっても、この商売はやる意味が無い、ということになる。

一刻も早く本業に戻して専念すべきと判断し、ネット上に掲げていた専門店としての情報は、きれいさっぱり削除した。
せっかく築き上げた評価であったが、やればやるほど会社を圧迫していたのだ。
その結果平均単価が上がり、ほっと一息つけるようになった。
逆に暇を持て余しているようで、話が尽きずかなりの長電話になった(笑)
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