好きだった車


D810 + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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歳をとったからか、環境の変化のせいか、もう車の趣味からはだいぶ離れてきている。
次はこんな車が欲しい・・という意欲はほとんど無くなってしまった。
しかし、かつて「欲しいな」と思った車とすれ違うと、今でも思わず目で追ってしまう。
まあそういう車も、時代とともに町で見かけることは少なくなったが・・・

自分がかつて好きだった車(今でも好きだが)を、試しに集めてみた。
(勝手ながら)ネット上であちこちから画像を拾い、一堂に会してみた。
すると何となくある傾向が見えてきた。
自分の嗜好というか、好みというものがあるようだ。
まずはご覧いただきたい。


ルノー5(サンク)バカラ

ルノー5の中でも豪華なレザーシートを装備し高級化したバカラは、高級小型車というコンセプトの元祖であろう。
当時は本気で買おうと思い、何度かディーラーに見に行ってカタログを貰って来た。
室内は革の香りがプンプンするのが国産車との違いだった。
ハッチを開けるとリアトレイの下側にジャケットを入れる革製のケースがあり、そのおしゃれ感がまた違う世界を感じさせた。
デザインはマルチェロ・ガンディーニ。
各ラインにまったく破たんが無く、品のあるデザインが好きだった。
こうして見ると、今の国産軽自動車の中にこの車のコピーっぽいのもあるような・・・



ランチア デルタ HF インテグラーレ

フルタイム4WDのHFインテグラーレは、古典的な美しさと爆発的な走りを両立させた車であった。
初めて見た時に、何とも雰囲気がいいなと思ったが、調べたらデザインはジウジアーロだった。
カメラもメガネもジウジアーロ・デザインだった僕にとっては非常に気になる車であった。
当然輸入元に連絡してカタログを送ってもらった。
シート生地に日本製人工皮革のアルカンターラ(グレー地に細かい数色のラインが入っていた)を使用していた。



プジョー505

学生時代にヨーロッパに行くと、日本では見慣れない吊り目のヘッドライトのプジョーをよく見かけた。
そのため旧型の504と併せて、僕にとっては異国の香りを感じさせる車の代表であった。
デザインはピニンファリーナ。
性能は大したことは無いごく普通の車だと、徳大寺氏か誰かの本に書かれていた。
だがこの異質で引っかかりのあるデザインは魅力的で、性能の方はどうでもよかった。
日本ではほとんど見ることは無いが、今でも何となく欲しい車のひとつである。
綺麗に磨き上げて乗るのではなく、泥が跳ねても気にせずラフに走りたくなる。



フォード シエラ

欧州フォード開発の中型車。
一見昆虫にも似た、当時としてはすごく未来的なデザインであった、
日本にはほとんど入ってこなかったが、グループAのレースでその特異な姿を見ることが出来た。
これも真面目に買いたいと思い、日本の輸入会社からカタログを取り寄せたことがあった。
僕が欲しいのは有名なRSコスワースではなく、ごく普通の一般向けシエラであった。(写真はコスワース)
特にシルバーのツートンのやつ(笑)
仕事でヨーロッパに行っても、シエラが通り過ぎるたびに目が釘付けになった。
なぜかタミヤからプラモデルが販売されていて、そちらもよく作った。



BMW 3シリーズ E30

今でも時折見かけるが、そのたびに欲しくなる。
古典的でメカニカルな鉄の塊、という感じが凄くいい。
そのためボディカラーはガンメタリックが特に魅力的だ。
(これより一つ前のE21になると、完全にクラシックカーの領域に入る)
E30が現役の当時、ディーラーまで試乗に行ったが、運転してみるとライバルのメルセデス190Eの方が、ハンドリングなどは少し良かった。
しかしBMWには武骨でマニアックなものを感じた。
いつか欲しいと思っていたが、結局E30の時代には買うことは出来ず、僕が買ったのはE36になってからだった。
E36の328iも恐ろしくいい車で、運転してなんていいのだろうと唸ったが、デザインはE30の方がずっと好きだった。
ご存知の通り、僕はそれ以降はずっとBMWを乗り継いでいる。



フェラーリ328

フェラーリの中ではもっとも好きなモデルだ。
優雅でシャープ、極めてバランスのとれた素晴らしいデザインである。
町で走っているのを見ると、最新のフェラーリよりこちらの方に目がいく。
もし自宅に大きなガレージとたっぷりのお金があったなら、一台手元に置いておきたい車である。
見ているだけで満足で、動かすのは年に数回で十分(笑)


以上、見てお分かりのように、これらはクラシックカーではなく、自分が自動車をもっとも好きだった時代に現役であった車たちである。
したがって(フェラーリは別として)普段乗る自家用車として欲しかった。
実際これらの車が活躍したのは1980年代で、クラシックカーと呼ぶにはまだ新し過ぎるだろう。

こうして並べてみると、やはり名のあるデザイナーの作品が多い。
欧州にまだ力のあった時代であり、我々も異国情緒と憧れを強く抱いていた。
今でも欲しい気持ちが無い訳ではないが、実際に買ったらえらい目に遭うような気はする(笑)
まあ、スケールモデルで揃えるくらいが無難であろう。
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