オンライン


D810 + AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G

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会社で銀行オンラインシステムを利用している。
複数の銀行の仕組みと契約しているのだが、それぞれ使い方が異なる。
出てくる画面を見ると、時々共通のものもあるのだが、作業手順はまったく異なる。

銀行を対象としたサイバー攻撃が盛んなので、各行対策に頭を悩まし、それぞれ工夫を凝らしているのだろう。
まあどこの銀行の仕組みも、とにかく使いにくいのは確かだ。
攻撃されることを想定して、わざとそう作っているのではないかと想像している。

ある銀行は例のトークン、またある銀行は専用の小さな計算機のような道具を渡される。
そこからワンタイム・パスワードをもらう仕組みになっている。
計算機タイプの方は、テンキーが付いていて、振込先の口座番号を入力して暗号化する。
1回1回打ち込むので、当初はかなり面倒に感じたが、最近やっと慣れてきた。

ところで月末の日に、ある銀行(仮にA銀行とする)のオンラインが動かなくなった。
極端にレスポンスが悪くなり、エンターを押しても返ってこない。
そのままエラーになってしまう場合もあり、事実上、業務遂行不能になってしまった。

よりによって月末にである。
仕入先20社ほどに送金するはずが、業務が停止してしまったのだ。
もしも先方がこのお金を期待していたら、送金が遅れることで、会社がおかしくなるところが出てもおかしくない。
A銀行の責任問題になる。

まずはその銀行に電話してみた。
女性が出て、ゆっくりと話す。
「はい、A銀行○○支店の○○でございます」
あまりにゆっくりと話すので、話し終わるまでの時間がずいぶんと長く感じられた。

こちらの名前を告げ、オンラインがまともに動かないことを告げた。
「いいですか、月末なのに送金できないのですよ!」と強調した。
すると女性が急変、それ以降の話し方の早いこと、早いこと・・・
別人かと思うくらい早口になった(笑)

あちこちから苦情が殺到し、先方では大騒ぎになっているようだ。
それで気を沈めるために、逆にゆっくりと話したのだろう。
現在復旧に努めており、何とか今日中に直して送金できることを目指しているという。
間に合わないようなら、銀行に来てもらえれば、オンライン送金と同じ金額で対応するという。

まあ、ああいうものは、いつまでに直ると確約できるものではない。
月末で忙しいのに、A銀行まで行くしかないか・・と考えていたら、経理の女性から提案があった。
B銀行にお金があるので、そちらから送金してはどうかという。
そちらの銀行オンラインは、今まで個々の送金にはほとんど利用したことがなかった。

現在の銀行オンラインの仕組みは、セキュリティの問題もあり、新規の送り先への当日の送金はできない。
つまり初めての送り先は、最短でも翌日の送金になってしまうのだ。(2度目からは検証済みの送り先として登録されるようで、その場で送金できるようになる)
月末にそれでは意味が無い。

先を読んだ経理の女性が、B銀行について、過去の送金記録をすべて調べていた。
つまり、今月送金しなければならない相手に、以前送金した履歴があるかどうか・・である。
その結果、偶然ではあったが、今回の送金先はすべて過去に登録済みであることがわかった。
そこで、急遽B銀行からお金を送ることにした。

案の定、慣れない送金業務に難儀した。
B銀行のオンラインの操作方法も、独特の癖があって、なかなか扱いにくい。
やっと慣れた頃には、送金が完了していた。

夜になり、A銀行からお詫びのメールが来た。
営業時間を過ぎた頃に、やっとつながるようになったと言う。
これは苦情が殺到したことだろう。
銀行もなかなか大変である。
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