ネットショップ


D810 + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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知人がネットショップを開くので、作業を見せてもらったり、手伝ったりしている。
今はショップの開店をサポートする会社があって、手順に沿って手続きすれば、比較的スムースにオープンまで漕ぎ着くことが出来る。
様々な業務に対する説明書も、電話などでの対応も、感心するほど充実している。
またショップを開いた後の運用に関しても、様々な形でサポートするツールが揃っている。

ネットショップを開くとなると、サイトが決済に対応することが必要になる。
その点が普通のホームページとの違いで、カードの様々な決済方法に、その会社が対応してくれる。
月々の運用の費用、売上げに対する手数料も、思っていたよりずっと安い。

つまり誰でも簡単にお店を開くことが出来るのだ。
後はその人の努力と才能の問題・・ということになる。

その流れを見ていて、ふと感じたことがある。
簡単な分、参入者が多いということで、当然脱落者も多く出るだろう。
競争は熾烈である。
全員が成功するわけではない。
その会社のパンフレットで紹介されているショップ経営者たちは、その少数の成功者である、ということだ。

たとえばあなたが、まだ日本に入ってきていない、特別なグッズを海外でみつけたとする。
それを輸入して販売するためにショップを開く。
宣伝が上手くいけば、最初はそれなりに売れるだろう。

しかし他の誰でも同じもの、或いは似たものを輸入することは出来る。
しかもその人たちも、ショップを簡単に開くことが出来る。
恐らく数ヶ月、或いは1年ぐらいで、これは儲かると目をつけた人たちのお店が乱立する。
そして価格競争が始まる。

1円安いほうに、お客がすべて行ってしまうのがこの世界である。
ウチがオリジナルだと主張したところで、それが理由であえて高い方を買うユーザはいない。
結局値引きせざるを得なくなり、利益はどんどん薄くなり、最終的にお店は成り立たなくなる。
大手が参入してきて、勝手に代理店契約など結ばれてしまい、ハイそれまでよ、ということもあるだろう。

つまり個人ショップは簡単に開くことは出来ても、恐らく長くは続かない、ということだ。
一時だけ儲ける事ができても、そのショップが長年続いて老舗になる・・ということはまずないだろう。
簡単に開いて簡単におしまい、最初からそういう一発屋に過ぎず、将来の夢にはつながりにくい。

もちろんインターネットが普及する前から、商売にはそういう面があった。
しかしインターネットの登場により、物事がはるかにスピーディに進むようになった。
情報が拡散し、何でもかんでもワールドワイドになってしまう。
あっという間に調べられて、より安い方に全部取られてしまう。
路地裏に小さなお店を持ち、地元に溶け込んで生きていく・・そんな街の商店のような生き方が、成り立ちにくくなっていく。

知人のショップで売るのは、すべてオリジナルの商品である。
自分の会社で、自分の手で作っているのだ。
製造者と購入者が直結するという、インターネット時代の大きな流れに即している。
他では絶対に売っていない商品を扱えるのだから、おかしな競争に巻き込まれにくく、この世界では有利とえる。

まずは商品がいいものでなくては駄目だ・・と知人は言う。
口コミで評判が広まるのには、ネットの世界でもやはり時間がかかるという。
いいものを地道に売る・・という商売の基本は、インターネットの世界でも変わらないようだ。
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