ニッコールレンズの本

Nikon デジタルレンズ 完全ガイド D200完全対応版

インプレス

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本屋にニコンのレンズを特集したムックが何冊か並んでいた。
けっこう高いので悩んだが、このデジタルカメラマガジン編集部発行の「Nikon デジタルレンズ 完全ガイド D200完全対応版」と、アスペクトの「Nikonレンズのデジタル描写プロがすすめる厳選45本」の2冊を買ってみた。

多分どちらもD200ユーザーをターゲットにした本だろうから仕方ないが、記事がD200での使用を意識しすぎているのは、ちょっと残念なところだ。
しかしD200のヒットなくしてこれらの本の発売はなかったかもしれない。
デジタル一眼レフは、ボディによってレンズの画質がまったく変わってしまうので、こういうレンズ評価は難しい。

アスペクトの「プロがすすめる・・」の方は、ヤフオク等でお馴染みの古いニッコールレンズ(Nikkor-PやNikkor-Qなど)を、デジタルでテストしているのが面白かった。
みな一様に変な色になる(笑)
でも色合いは何とでもなるから・・ということだろう。

上に挙げた「デジタルレンズ完全ガイド」の方は、ニコンの開発者に最新テクノロジーに関してインタビューしている記事に、注目すべき記述があった。
このインタビューは、DXレンズ及びDXフォーマットについて、VR機構について、SWM(超音波モーター)について・・・技術的なことを中心に聞いている。

それぞれ非常に興味深い内容であったが、中でも注目すべきはDXフォーマットに関するインタビューで、ニコンの方が「デジタル一眼レフがDXフォーマットで終わるとも思いませんので、もう少し時間をください」と発言している点である。
これは将来フルサイズを出す可能性がいまだに潰えていないことを示している。

また最新のレンズの設計に関しても、オーディオにたとえた非常に面白い発言があった。原文を引用する。
「・・・ということは限界解像度よりも中間の豊かなコントラスト、フレアが少ないことなどがレンズ設計に要求されます。音楽でたとえると低音特性はスカスカですけど、高い周波数までキンキン聞こえる音がよしとされた時代もありましたが、いまは高い周波数の部分をローパスで切ってしまっています。だから中間域の豊かなところを出さなければいけないのです。そういった意味では昔のちょっと絞るとカリカリにシャープになるニッコールを使ってもかまいませんが、その場合は多画素なカメラを使ったほうがよいといえます」

これで謎のひとつが解けた感じだ。
僕が好きなのに誰も評価しなかったAF200mmF4マクロだが、要はそういうことだったのである。

この本の中でも200mmF4のテストを行っているが、解像度はいいのだが、コントラストが低めで色に濁りがある・・という評価だった。
これは言えているかもしれないと思った。
このレンズは非常にどぎつい色に撮れる傾向がある。
今の主流から外れた方向を向いているのだ。

だからこそ価値がある・・とも言えるのだが(笑)
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