酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

才能が開花する時~岡島、そしてアンカツ

2007-05-05 01:25:41 | スポーツ
 ヨレヨレの松坂と対照的に、岡島が13試合連続無失点と好調をキープしている。ドジャース斎藤隆も8S目を挙げるなど、日本で居場所を失くした両投手が、海の向こうで大活躍だ。

 岡島は構想外となった巨人から日本ハムにトレードされた。<ノーコン&チキンハート>のイメージが強かったが、移籍後は四死球が減り、セットアッパーとして日本一に貢献する。斎藤隆もメジャー前年は横浜のファームで飼い殺されていた。日本の球団はなぜ、彼らを正しく使えなかったのだろう。

 裏金問題を発端に、高野連は特待生全面禁止の方向をぶち上げるに至った。<一億総懺悔>の悪しき体質が、日本の野球を滅ぼそうとしている。可能性を秘めた若者がアドバンテージを享受することは、分野に限らず認められるべきだ。若者の才能を利用して私腹を肥やした関係者を追放することが、高野連の火急の課題だと思う。

 才能が開花するというより、気付かれたというべきなのが、中央に活躍の場を広げた地方騎手たちだ。安藤勝(アンカツ)と岩田は今季リーディング争いを繰り広げているし、石崎に代わって内田博が南関NO・1の腕を見せ付けている。

 笠松時代のアンカツは、才能に見合った名声もお金も手に入らず悔しい思いをしたはずだが、43歳直前、中央所属騎手になった。藤沢和師は自厩舎の主戦に据えるべく美浦所属を勧めたが、アンカツは家族のために断った。藤沢師がアンカツに騎乗を依頼しないのは、当時の経緯に含むところがあるからかもしれない。

 藤沢師の評価を知った中央騎手の中には、痛くプライドを傷つけられた者もいたという。NG続出の「武豊TV!」でも、「河内さん(現調教師)、ようアンカツさん乗せたな。嫌いなのに」なんて発言がオンエアされていた。理由はともかく、河内師は騎手時代からアンカツを快く思っていないのだろう。

 ここまで書いた以上、NHKマイルカップの本命はアンカツ騎乗の⑯シャドウストライプだ。対抗はアンカツが「週刊競馬ブック」のインタビューで能力を認めていた⑬ダイレクトキャッチ。先行粘り込みが可能な①アサクサキングス、成績が安定している⑩ローレルゲレイロを3、4番手に推す。馬連は⑬⑯、①⑯、⑩⑯の3点。3連単は<⑯・⑬・①><⑯・⑬・①・⑩><⑯・⑬・①・⑩>計18点。まあ、当たらないだろう。

 6日朝(日本時間)に行われるスーパーウエルター級タイトルマッチ、デラホーヤ対メイウェザーの世紀の一戦も予想してみる。デラホーヤは<峠を越えた偉大なボクサー>に勝って名を上げ、<旬の偉大なボクサー>に敗れて評価を落としてきた。メイウェザーはまさに<旬の偉大なボクサー>だが、今回は厳しい戦いになりそうだ。ミドル級(72・6㌔)王座の経験があるデラホーヤに対し、ウエルター級(66・7㌔)から上げるメイウェザーは、体格面で絶対的なハンディがある。俺はアンチ・デラホーヤだが、ボクシングの歴史と常識に則って、最後の一花を咲かせるとみた。

 最後に、フランス大統領選。討論では怒りモ-ドでサルコジに迫ったロワイヤルだが、支持率の差は詰まらなかった。世論調査通りの結果に終わるだろう。

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漂泊する日本と俺~柔らかなナショナリズムは可能か

2007-05-02 00:41:00 | 戯れ言
 前稿の冒頭で触れたが、今回は卜部侍従の日記公開(朝日新聞26日付)に触発され、「硬」のトーンで進めたい。

 紙面では昭和天皇の晩年の発言が紹介されていた。沖縄訪問断念に至ったことへの断腸の思い、A級戦犯靖国合祀への忌避感、中国への侵略を否定した奥野国土庁長官(当時)への怒り……。富田メモを裏付ける内容に、皇室が二度とナショナリズムの核にならないことを確信した。

 ネオコンの教科書というべき「文明の衝突」(ハンチントン著)は、<21世紀は各文明が対峙する時代>と予測していた。的を射ている面も多いが、伝統、文化、風習が衰退した日本は例外で、アメリカ51番目の州になりつつある。

 少子化が進み、移民政策を取らないとなれば、日本は遠からず<日沈む国>になる。安倍首相は強面の国を志向しているが、滅びゆく日本に<尖がったナショナリズム>は似合わない。新しいモデルを示すべきだと思う。

 俺にとってのナショナリストとは、南方熊楠、宮沢賢治、田中正造、宮本常一、戸村一作、石牟礼道子、水木しげるといった人たちだ。彼らが表現した<柔らかな心情>と<自然との共生>こそ、「美しい国」のベースになりうるはずだ。

 アジアには排外的、アメリカには従属的という数年来のナショナリズムは立ち行かなくなっている。次期米大統領選でヒラリー・クリントンが当選すれば、米中蜜月が現実のものになるからだ。安倍首相が祖父譲りの妖怪ぶりを発揮し、ブッシュ大統領や下院議長に「河野談話」継承を明言したのは、ポストブッシュ時代に向けた「レジームチェンジ」の第一歩かもしれない。

 <日本人は今後、一つの理念や思想に捕らわれることはなく、個の中に閉じこもっていくだろう>(要旨)……。吉本隆明氏は80年前後、日本人の精神の行く末をこのように論じていた。四半世紀たった今、日本社会は氏の「預言」通りデラシネ化している。「知の巨人」の慧眼には感服するしかない。

 ナショナリズムどころか、紐帯や規範を失くした日本は、ひょうたん島のようにフワフワ漂泊している。俺もまた島の上、フラフラ彷徨っている。錨を下ろす場所はあるのだろうか。

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