酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

炎暑下の雑感あれこれ~この30年、「相棒」、高校野球、統一教会etc

2022-08-06 20:43:54 | 独り言
 睡眠障害(不眠症)で生活のリズムが狂ってしまった。映画について記すはずが、二度寝して覚めたら、予約時間が過ぎていた。予定変更で、炎暑の日々の雑感を綴りたい。

 <コロナは熱に弱い>なんて昔の話。新規感染者数が世界最多になった日本だが、行動制限の声は上がらない。オミクロン株は重症化しづらいことが理由らしいが、深刻な医療崩壊が起きている。最近、俺は考える。自分だけでなくこの30年、この国は著しく劣化したのではないかと……。社会は膠着し、閉塞感に覆われている。自由は窒息し、格差は拡大している。

 年金生活者の俺も、息をひそめ怯えている。気力も体力も底を打った今、現実逃避はテレビ観賞で、刑事ドラマ(主に再放送)にチャンネルを合わせている。思い至ったのは原作の重要性だ。ともに内藤剛志主演の「捜査一課長」(テレ朝系)はコメディーと化しているが、「強行犯 樋口顕」(テレ東系)は見応えがある。差の理由は原作の有無で、「――樋口顕」の原作は今野敏だ。

 小説家は犯罪者の心理を考え抜いてストーリーを練るから、ラストに納得出来る。「棟居刑事シリーズ」(佐藤浩市主演)など森村誠一原作、長坂秀佳脚本の豪華コンビだ。原作のない「相棒」だが、ある時期まで輿水泰弘、櫻井武晴、戸田山雅司ら実力者が脚本を担当して一定のレベルを保っていた。

 その「相棒」に亀山薫が復帰する。水谷豊70歳、寺脇康文60歳の高齢コンビを、65歳の俺も応援したい。〝最後の相棒〟と公言されているから、次回「シーズン21」がラストになりそうだ。亀山復帰の設定は輿水が考案中という。櫻井、戸田山も脚本陣に加わって大団円になることを願っている。

 高校野球が始まった。今夏はたっぷり時間があるので、例年以上に観戦するかもしれない。下馬評通り、大阪桐蔭の実力は圧倒的だが、コロナとの戦いも大変で、既に6校の出場が危ぶまれている。ベスト以上は狙えると思っていた京都国際は初戦で敗れ、ハングルの校歌は流れなかった。高校野球はお盆の風物詩だが、コロナによって生者と死者、家族の距離が遠くなった今、お盆自体の位置付けも変わっている。大がかりな大会の在り方を再考すべき時機かもしれない。

 安倍元首相襲撃後、統一教会との関係を理由に挙げたY容疑者の言動に違和感を覚えた。統一教会の力を軽視していたからだが、それは俺の勘違いだった。日本会議、神道政治連盟のみならず、統一教会もまさに〝身内〟として安倍氏ならびに自民党を現在も支えていることが報道で明らかになった。

 俺が統一教会の存在を知ったのは高校2年の時だった。1年先輩から集会参加を熱く勧められたが、それが統一教会(原理研)主催だったのだ。興味がなかったからパスしたが、多くの若者が参加して新聞にも載った。オウムの時もそう言われたが、論理的に物事を考える秀才に支持されたという。

 アバウトな俺には無縁だったが、入学した東京の大学でも原理研が堂々と活動していた。大学当局に取り入り、セミナーハウスを私物化していたことが明らかになる。当時、社会と真摯に向き合っていた俺は、抗議活動に加わった。統一教会の文鮮明教祖が創設したのが勝共連合で、安倍元首相の祖父、岸信介元総理もバックアップしている。

 平野啓一郎は9年前、<自民党の憲法改正案にクラクラする>と発言したことがある。その後も自民党の方向性は変わらず、ジェンダーには無配慮、夫婦別姓反対など、時計の針を戦前に逆戻りさせる動きを進めている。その中心には常に安倍氏が鎮座し、統一教会の支援を巡っても教団に直接働きかけていた。安倍側近の中でも下村博文元文科相は関係が深いようだ。

 統一教会の集票力は最大に見積もっても15万前後といわれる。どうしてここまで自民党に影響力を維持出来るのか不思議だが、ボランティアとして選挙運動に協力することで〝貸し〟をつくっているとジャーナリストは分析している。この20年、あらゆる点で日本は<世界標準>から遠ざかっているが、その流れにカルトが関わっていたことは明白だ。

 安倍氏とその周辺は〝嫌韓派〟にカテゴライズされてきたが、韓国発祥の団体に首根っ子を押さえられているとしたら、見える光景も変わってくる。統一教会はKCIAや北朝鮮と一心同体だ。政権支持派が多い20代も、ジェンダーや環境問題には敏感だ。彼らを自民党から引き離す勢力が現れるだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする