♪悲しくて悲しくて とてもやりきれない このやるせないモヤモヤを だれかに告げようか……
中学に進学した頃にヒットしたフォーク・クルセダースの「悲しくてやりきれない」を口ずさむ日々だ。ニュースを見るたび、怒りを通り越して悲しくなる。辺野古移設を巡る沖縄県敗訴もその一つで、判決を下した裁判長は権力の意図を酌むことで知られている。リベラルな前任者の異動も唐突で、安倍政権が周到に準備した出来レースだろう。
自民党の政権奪回に向けて地均しした野田前首相が、民進党幹事長に就任する。<政治はベターの選択>というが、野党統一や市民連合に乗っかり、本質的な変化を見据えた<ベストの選択>を射程に入れていなかったことが、この忌まわしい出来事に繋がった。小林節氏を見捨てたように、お行儀の良い市民(識者)は屁の役にも立たない。最前線で課題に取り組む<当事者>を結集し、真の変革を目指すべきだ。
前稿で、神、悪、罪を追求する中村文則を紹介した。今回のテーマは、この世に現出する紛うことなき悪である。
先週末、「許さない!イスラエルとの軍用無人機(ドローン)共同研究」と題された武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)主催の集会(YMCAアジア青少年センター)に足を運んだ。主催者の思惑を超え、定員を上回る150人が集まった。反戦争法、反原発を軸に<沖縄-福島-パレスチナ>は同一の地平で連なっている。
志葉玲氏(フリージャーナリト)が「ガザの現場から見た無人機戦争」、高橋宗瑠氏(元国連人権高等弁務官事務所パレスチナ副代表)が「イスラエルの戦争犯罪と安倍政権」、望月衣塑子氏(東京新聞記者)が「武器輸出と日本企業」と、それぞれのテーマで報告し、俺の友人でNAJAT杉原浩司代表を交えたディスカッションという進行だった。
志葉氏は2年前、イスラエルによるガザ地区への無差別攻撃を当地で取材した。上空に飛ぶドローンを目撃し、惨状を目の当たりにする。「気の弱い方は目を伏せてください」と前置きしてスクリーンに映し出した写真を、気の弱い俺は直視し、<悪の貌>を知る。高橋氏はガザ沖合に位置する天然ガス油田の利権を見据えたイスラエルの策略を指摘していた。
アウシュビッツの写真や映像を見て、誰しもナチスの悪業を憎む。だが、イスラエルは被害意識を反転させ、パレスチナ人にジェノサイドを仕掛けた。ガザの惨状に国連担当者は「これはイスラエルによる民衆虐殺」と怒りを訴えていたが、その叫びがなぜ国連を、そして国際世論を動かさないのか。
高橋氏が伝えた事実に背筋が寒くなる。イスラエル人は毎夜、決まった場所に集まり、酒を飲みながら爆弾という花火を鑑賞して歓声を上げていたという。毒ガスを噴霧されてユダヤ人が息絶えたアウシュビッツで、将校たちは同じ時刻、音楽の宴を開いていた。両方の光景は何も変わらない。おぞましい狂気を伝えたCNNの女性リポーターは翌日、解雇された。
ギュンター・グラスはイスラエルのパレスチナ支配を批判し、ドイツ人の<ユダヤタブー>克服を訴えたが、凄まじい批判に曝された。2年前、パール・ジャムのエディ・ヴェダーはガザ空爆を批判したが、民主党(親イスラエル)の掌で踊る〝ポチロッカー〟が同調するはずもなく、沙汰やみになった。俺は反ユダヤ主義者ではないが、富でメディアを牛耳る1%のユダヤ人を許せない。
望月氏は<武器輸出に前のめりの安倍政権、様子見の企業>という構図を示していたが、日本の技術は既にイスラエルの爆撃機(ドローン?)に組み込まれている。ガザで発見された武器の破片に日本製部品が含まれていたと、志葉、高橋両氏は語っていた。杉原氏は<イスラエルがガザで発揮した成果を導入したい>という防衛装備庁幹部の言葉を引き出している。
パウエル元米国務長官は「イスラエルは核兵器を200発保有」と知人に語った。イスラエルの軍需産業に詳しい全米科学者連盟 ストックホルム国際平和研究所はともに80発と数字を挙げている。イスラエルは兵器だけでなく、情報収集、セキュリティー管理において世界一といわれる。ガザは武器を売るためのショーケースなのだ。
「報道ステーション」によると、イスラエルは同程度の性能の武器をアメリカの5分の1程度の価格で売る用意があるという。日本とイスラエルの軍事同盟化を官僚の一存で進められるはずはなく、限界まできた米兵器購入による予算膨張に歯止めを掛けたい官邸が糸を引いているに相違ない。
日イ軍事同盟がもたらすものは、憲法の破壊であり、良心と倫理の消滅だ。副産物として、日米軍事同盟に亀裂が生じる可能性もある。安倍首相はそこまで計算してロシアに接近しているのだろうか。目に見えないところで何かが蠢いている気配がする。
中学に進学した頃にヒットしたフォーク・クルセダースの「悲しくてやりきれない」を口ずさむ日々だ。ニュースを見るたび、怒りを通り越して悲しくなる。辺野古移設を巡る沖縄県敗訴もその一つで、判決を下した裁判長は権力の意図を酌むことで知られている。リベラルな前任者の異動も唐突で、安倍政権が周到に準備した出来レースだろう。
自民党の政権奪回に向けて地均しした野田前首相が、民進党幹事長に就任する。<政治はベターの選択>というが、野党統一や市民連合に乗っかり、本質的な変化を見据えた<ベストの選択>を射程に入れていなかったことが、この忌まわしい出来事に繋がった。小林節氏を見捨てたように、お行儀の良い市民(識者)は屁の役にも立たない。最前線で課題に取り組む<当事者>を結集し、真の変革を目指すべきだ。
前稿で、神、悪、罪を追求する中村文則を紹介した。今回のテーマは、この世に現出する紛うことなき悪である。
先週末、「許さない!イスラエルとの軍用無人機(ドローン)共同研究」と題された武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)主催の集会(YMCAアジア青少年センター)に足を運んだ。主催者の思惑を超え、定員を上回る150人が集まった。反戦争法、反原発を軸に<沖縄-福島-パレスチナ>は同一の地平で連なっている。
志葉玲氏(フリージャーナリト)が「ガザの現場から見た無人機戦争」、高橋宗瑠氏(元国連人権高等弁務官事務所パレスチナ副代表)が「イスラエルの戦争犯罪と安倍政権」、望月衣塑子氏(東京新聞記者)が「武器輸出と日本企業」と、それぞれのテーマで報告し、俺の友人でNAJAT杉原浩司代表を交えたディスカッションという進行だった。
志葉氏は2年前、イスラエルによるガザ地区への無差別攻撃を当地で取材した。上空に飛ぶドローンを目撃し、惨状を目の当たりにする。「気の弱い方は目を伏せてください」と前置きしてスクリーンに映し出した写真を、気の弱い俺は直視し、<悪の貌>を知る。高橋氏はガザ沖合に位置する天然ガス油田の利権を見据えたイスラエルの策略を指摘していた。
アウシュビッツの写真や映像を見て、誰しもナチスの悪業を憎む。だが、イスラエルは被害意識を反転させ、パレスチナ人にジェノサイドを仕掛けた。ガザの惨状に国連担当者は「これはイスラエルによる民衆虐殺」と怒りを訴えていたが、その叫びがなぜ国連を、そして国際世論を動かさないのか。
高橋氏が伝えた事実に背筋が寒くなる。イスラエル人は毎夜、決まった場所に集まり、酒を飲みながら爆弾という花火を鑑賞して歓声を上げていたという。毒ガスを噴霧されてユダヤ人が息絶えたアウシュビッツで、将校たちは同じ時刻、音楽の宴を開いていた。両方の光景は何も変わらない。おぞましい狂気を伝えたCNNの女性リポーターは翌日、解雇された。
ギュンター・グラスはイスラエルのパレスチナ支配を批判し、ドイツ人の<ユダヤタブー>克服を訴えたが、凄まじい批判に曝された。2年前、パール・ジャムのエディ・ヴェダーはガザ空爆を批判したが、民主党(親イスラエル)の掌で踊る〝ポチロッカー〟が同調するはずもなく、沙汰やみになった。俺は反ユダヤ主義者ではないが、富でメディアを牛耳る1%のユダヤ人を許せない。
望月氏は<武器輸出に前のめりの安倍政権、様子見の企業>という構図を示していたが、日本の技術は既にイスラエルの爆撃機(ドローン?)に組み込まれている。ガザで発見された武器の破片に日本製部品が含まれていたと、志葉、高橋両氏は語っていた。杉原氏は<イスラエルがガザで発揮した成果を導入したい>という防衛装備庁幹部の言葉を引き出している。
パウエル元米国務長官は「イスラエルは核兵器を200発保有」と知人に語った。イスラエルの軍需産業に詳しい全米科学者連盟 ストックホルム国際平和研究所はともに80発と数字を挙げている。イスラエルは兵器だけでなく、情報収集、セキュリティー管理において世界一といわれる。ガザは武器を売るためのショーケースなのだ。
「報道ステーション」によると、イスラエルは同程度の性能の武器をアメリカの5分の1程度の価格で売る用意があるという。日本とイスラエルの軍事同盟化を官僚の一存で進められるはずはなく、限界まできた米兵器購入による予算膨張に歯止めを掛けたい官邸が糸を引いているに相違ない。
日イ軍事同盟がもたらすものは、憲法の破壊であり、良心と倫理の消滅だ。副産物として、日米軍事同盟に亀裂が生じる可能性もある。安倍首相はそこまで計算してロシアに接近しているのだろうか。目に見えないところで何かが蠢いている気配がする。