酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

晩秋のスポーツ雑感~日本シリーズ、NFL、競馬、WWE

2010-11-09 00:30:00 | スポーツ
 10代の頃、熱烈な巨人ファンだった。〝アキレスと亀〟のパラドックスを応用し、「巨人は永遠に優勝する」と阪神ファンの同級生を刺激していた。

 あれから三十余年……。贔屓チームもなく、プロ野球自体に興味を失くした俺だが、ドラマチックな戦いを勝ち抜いたロッテには心が躍った。6チームがポストシーズンに進出できる制度はぬるいが、システムに則って〝ラストマン・スタンディング戦〟を制したロッテは称賛に値する。

 NFLでも同様のケースは多い。07~08シーズン、10勝6敗でプレーオフに進出したNYジャイアンツはカウボーイズ(13勝3敗)、パッカーズ(同)、ペイトリオッツ(16勝無敗)を連破してスーパーボウルを制した。

 当時のジャイアンツこそ〝史上最大の下剋上〟に相応しいが、今季のロッテと共通点がある。それは監督(ヘッドコーチ)の体質だ。放任のバレンタイン前監督から一転、<西村監督―西本投手コーチ>は明らかに体育会系だ。一部メディアはシーズン前、選手の萎縮を懸念したが、杞憂に終わる。西村監督は選手に理不尽さを感じさせない〝懐が深い体育会系〟だったようだ。

 ジャイアンツのコフリンHCは規律重視の鬼コーチだったが、選手の反抗で不協和音が広がったこともあり、手綱を緩めた。優しくなった頑固オヤジと悪童たちが歩み寄るや、ケミストリーが起きる。洋の東西、種目を問わず、体育会の生地に<情>と<信>をいい案配で織り交ぜることが、モメンタムを掴む条件かもしれない。

 NFLは史上空前の混沌状態だ。ドアマットのはずだったチーフス、レイダ-ス、バッカニアーズ、シーホークス、ラムズらが5割をキープする一方、スーパーボウル進出が有力視されたカウボーイズ、バイキングス、チャージャーズが低迷している。アナリスト総懺悔の前半戦だ。

 解説者が心配するほど仏になったコフリン率いるジャイアンツは、6勝2敗とスーパーボウルに向け順調だ。別稿(9月13日)で注目チームに挙げたドルフィンズ、テキサンズ、ファルコンズは好位置をキープしているが、地区優勝を確信していた49ersは意外な不振で、NFC西の最下位に沈んでいる。

 ブリーダーズCでゼニヤッタが2着に敗れ、20連勝を逃した。昨年の同レースを含めGⅠで13勝を挙げた6歳牝馬だが、今回は頭差届かなかった。中継を見るまで前知識はなかったが、レースぶりに絶句した。日本のような軽い芝ならともかく、オールウェザーとダートのレースで、ゼニヤッタは常に最後方から追い込んでくる。

 極端な戦術ゆえ僅差勝ちも多いが、陣営は安全策を取らず、ドラマチックな勝利の連続がファンの熱狂を生んだ。無敗でキャリアを終えるより、敗北の余韻をターフに置いて去ることでゼニヤッタ神話は深みを増したと思う。
 
 新人軍団ネクサスの登用、アンダーテイカーVSケインの骨肉ドラマの焼き直しで、WWEは少し面白くなってきた。だが、この間、最も注目を浴びたのは、ティーパーティーの支持でコネティカット州の上院議員選に打って出た元CEOのリンダ・マクマホンだ。知名度と莫大な資金投入もかなわず、民主党候補に10%の差をつけられ敗北する。

 かつてWWEは、ヘルズエンジェルス風、ウォリアーズ風、有色人種連合(デビュー時のロックも一員)、DXと反抗的キャラを揃え、宗教保守派を嘲笑うストーリー展開もあった。ところがここ数年、リンダの政界入りへの布石もあったのか、急激に保守化する。特定の政治勢力に与することは、エンターテインメントにとってタブーだ。ルビコン川を渡ったことでWWEが失うものは、意外に大きいような気がする。

 サッカーやPOGなどまだまだ書きたいこともあるが、稿を改めることにする。




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