夜から朝にかけての仕事が3日続き、ヘロヘロの状態だ。中2日ゆえ更新せねばと思い、書き殴れるテーマを選んだ。「'06スポーツ回顧」である。
まずはベストマッチから。NCAA王座決定戦になったローズボウルで、テキサス大が常勝USCを破った。「ダイ・ハード」や「スピード」並みの緊迫感に満ちており、終了直前の逆転に血が噴き出るようなカタルシスを覚えた。「主演男優」のQBヴィンス・ヤングは、タイタンズのスターターとして天性の勝負強さを発揮している。来季以降、注目度はさらに高まるはずだ。
分野別はサッカーから。バルセロナのファンタジーやチェルシーの躍動感に痺れたファンは、W杯を余興と感じたに相違ない。クラブで超絶パフォーマンスを演じた選手たちも、代表チームでは<ワン・オブ・ゼム>に後退していた。典型はロナウジーニョである。W杯の報道で煽り続けた日本のメディアは「逆MVP」で、ジャーナリズムの死滅を痛感させられた。
別稿「斎藤ふたりのサプライズ」(9月12日)で記した通り、野球界は斎藤の当たり年だった。佑樹、隆の活躍に加え、プレーオフでの斎藤和巳の「魂の投球」も素晴らしかった。個人的なMVPは、窓際からメジャーのクローザーに「変身」した斎藤隆である。俺が首相側近なら「再チャレンジ」の広告塔に起用するだろう。
シーズン途中のNFLは、MVP確実のRBラディニアン・トムリンソン(チャージャーズ)がベストプレーヤーだ。ラン、キャッチだけでなく、カレッジ時代のQB経験を生かしTDパスまで投げる。マーシャル・フォーク(元ラムズ)が提示した可能性を広げたパフォーマンスに、リーグ全体の進化を感じた。
競馬界は今年もディープインパクトを軸に回った。俊英の若手予想家、亀谷敬正氏風にいうと、<日本型ディープ>が<欧州の牙城ロンシャン>で敗れたのは力の差ではなく、土壌の違いということになる。亀谷氏は<馬場・コース><血統><レースの質>のファクターを、<欧・米・日・豪>にカテゴライズし、グローバルな視点で競馬を捉える分析を提示している。
本場アメリカで最も注目を浴びたボクサーは、フィリピンの英雄マニー・パッキャオだった。アジア人、野人系ルックス、軽量級(Sフェザー)、ノンタイトル戦……。従来なら添え物扱いのはずが、目の肥えたファンに支持され、主役の座に躍り出る。モラレスとの2戦、ラリオスとの激闘にはアドレナリンをかき立てられた。パッキャオの活躍に刺激され、日本から<メジャーボクサー>が登場することを期待している。
WWEには瞠目すべきルーキーが登場した。CMパンクは独特の雰囲気と柔術の心得で、瞬く間にファンの支持を得る。「サバイバー・シリーズ」でもDX、ハーディー・ボーイズ以上の大歓声を浴びていた。MVPは<ペーパーチャンピオン>と見做されていたシナだ。大ブーイングを浴びる日々が続いたが、体を張った試合内容と細身の体に秘めたパワーで敬意を勝ち取っていく。240㌔のビッグ・ショーを担ぎ上げ、ゆっくり落としたFUは説得力十分だった。
革新的なライカールト(バルセロナ)は例外として、リッピ(W杯イタリア)、ライリー(NBAヒート)、ラルーサ(MLBカージナルス)と保守的な監督が結果を出した一年だった。この傾向が続くなら、NFLはチャージャーズか。大勝負に弱いと酷評され続けてきた名将ショッテンハイマーが、スーパーボウルを制覇して感涙にむせぶ場面を見てみたい。
眠くなってきた。夕方に催される某番組の打ち上げはパスすることにしよう。さほど貢献しているわけでもないし、華やかな雰囲気は小汚い俺にそぐわない。「分をわきまえる」こそ、今の俺にとって最重要の規範なのだから……。
まずはベストマッチから。NCAA王座決定戦になったローズボウルで、テキサス大が常勝USCを破った。「ダイ・ハード」や「スピード」並みの緊迫感に満ちており、終了直前の逆転に血が噴き出るようなカタルシスを覚えた。「主演男優」のQBヴィンス・ヤングは、タイタンズのスターターとして天性の勝負強さを発揮している。来季以降、注目度はさらに高まるはずだ。
分野別はサッカーから。バルセロナのファンタジーやチェルシーの躍動感に痺れたファンは、W杯を余興と感じたに相違ない。クラブで超絶パフォーマンスを演じた選手たちも、代表チームでは<ワン・オブ・ゼム>に後退していた。典型はロナウジーニョである。W杯の報道で煽り続けた日本のメディアは「逆MVP」で、ジャーナリズムの死滅を痛感させられた。
別稿「斎藤ふたりのサプライズ」(9月12日)で記した通り、野球界は斎藤の当たり年だった。佑樹、隆の活躍に加え、プレーオフでの斎藤和巳の「魂の投球」も素晴らしかった。個人的なMVPは、窓際からメジャーのクローザーに「変身」した斎藤隆である。俺が首相側近なら「再チャレンジ」の広告塔に起用するだろう。
シーズン途中のNFLは、MVP確実のRBラディニアン・トムリンソン(チャージャーズ)がベストプレーヤーだ。ラン、キャッチだけでなく、カレッジ時代のQB経験を生かしTDパスまで投げる。マーシャル・フォーク(元ラムズ)が提示した可能性を広げたパフォーマンスに、リーグ全体の進化を感じた。
競馬界は今年もディープインパクトを軸に回った。俊英の若手予想家、亀谷敬正氏風にいうと、<日本型ディープ>が<欧州の牙城ロンシャン>で敗れたのは力の差ではなく、土壌の違いということになる。亀谷氏は<馬場・コース><血統><レースの質>のファクターを、<欧・米・日・豪>にカテゴライズし、グローバルな視点で競馬を捉える分析を提示している。
本場アメリカで最も注目を浴びたボクサーは、フィリピンの英雄マニー・パッキャオだった。アジア人、野人系ルックス、軽量級(Sフェザー)、ノンタイトル戦……。従来なら添え物扱いのはずが、目の肥えたファンに支持され、主役の座に躍り出る。モラレスとの2戦、ラリオスとの激闘にはアドレナリンをかき立てられた。パッキャオの活躍に刺激され、日本から<メジャーボクサー>が登場することを期待している。
WWEには瞠目すべきルーキーが登場した。CMパンクは独特の雰囲気と柔術の心得で、瞬く間にファンの支持を得る。「サバイバー・シリーズ」でもDX、ハーディー・ボーイズ以上の大歓声を浴びていた。MVPは<ペーパーチャンピオン>と見做されていたシナだ。大ブーイングを浴びる日々が続いたが、体を張った試合内容と細身の体に秘めたパワーで敬意を勝ち取っていく。240㌔のビッグ・ショーを担ぎ上げ、ゆっくり落としたFUは説得力十分だった。
革新的なライカールト(バルセロナ)は例外として、リッピ(W杯イタリア)、ライリー(NBAヒート)、ラルーサ(MLBカージナルス)と保守的な監督が結果を出した一年だった。この傾向が続くなら、NFLはチャージャーズか。大勝負に弱いと酷評され続けてきた名将ショッテンハイマーが、スーパーボウルを制覇して感涙にむせぶ場面を見てみたい。
眠くなってきた。夕方に催される某番組の打ち上げはパスすることにしよう。さほど貢献しているわけでもないし、華やかな雰囲気は小汚い俺にそぐわない。「分をわきまえる」こそ、今の俺にとって最重要の規範なのだから……。