酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

五十路雑感

2006-10-18 00:10:10 | 戯れ言
 先日(15日)、五十路に突入した。今の俺は<晩年気分>で、煩悩を削ぎ落とし、淡々と生きることを目標にしている。俺のような凡人にとって、人生とは可能性を消しゴムで消していく過程なのだ。

 俺程度の人間が新宿近くの屋根付きに棲んでいること自体、奇跡以外の何ものでもない。社会的不適応に加え、1合目から2合目に進むのに時間のかかる鈍臭い人間なのだ。会社なら長い目で見てくれるが、フリーは即対応しないと評価されない。俺みたいに周囲に情けや我慢を強いるタイプは、フリーにならない方がいいだろう。

 番組テロップ、商業印刷、マニュアル、PR誌、カタログ、雑誌(海洋関係、パソコン関連)、テレビ番組誌、問題集、在宅校正(小説、料理関連、漫画)、フリーペーパー……。この半年フリーとして担当した仕事を挙げてみた。それぞれの現場にはルールがあり、進め方も筆記用具も違う。異分野での長い経験は、留意するポイントが偏ってしまうため、マイナスに作用することさえあった。

 フリーには体力も必要だ。早朝から深夜まで始業時間はバラバラだし、在宅校正とバッティングしたら寝食を忘れて働かざるをえない。フリーになるなら、気力と体力が充実した30代までがいい。俺と違って有能で営業力があれば、高収入も可能な業界だ。もちろん俺は多くを望まない。自らの至らなさが身に染みているからだ。

 最近のキーワードは「感謝」と「礼節」である。ともに勤め人時代には縁のなかった言葉で、いまだ血肉化していない。俺の<晩年>はせいぜい20年ほどだろうが、新しい言葉を少しずつ心に刻んでいきたい。「矜持」「寛容」「情義」あたりが候補である。

 ウーン、ジジ臭い。自分でもそう感じるくらいだから、読まれている方は鼻をつまんでいるに違いない。進取の気性は目立って衰えてきたが、体も死臭を纏い始めているのだろうか。

コメント (8)
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