特定侵害訴訟代理業務に係る研修・試験に関する懇談会報告書が発表になっています。
報告書によると、特定侵害訴訟代理業務に係る研修・試験が開始されてから3年経過後に見直しすることになっていたので、見直しを行ったということです。
本年の3月31日と5月17日の2日間で懇談会を行い、2回目の懇談会で報告書(案)について議論したということですから、あまり多くは期待できません。
こういう懇談会には、ぜひ受講生もメンバーに入れて欲しいですね。
取り敢えずは、ほぼ現状の姿で今後も継続していこう、というのが結論のようです。
募集規模は、
平成15年 850人
平成16年 850人
平成17年 450人
平成18年 280人
平成15~17年の3年間に1600人が合格
私の予想としては全弁理士の3割が受講したら、それ以降は新規受講者は鈍化し、弁理士試験新規合格者(毎年700人)の3割と、残りの未受講生の若干の部分が受講することになろうか、というものでした。だいたいそのようなレベルに落ち着いているようです。
特定侵害訴訟代理業務に係る研修・試験を受けて付記弁理士になる目的は、もちろん特許権侵害訴訟で共同訴訟代理人の資格を得るためです。しかし、全弁理士の中で、侵害訴訟の代理人になるチャンスがある人などごく僅かです。そのようなチャンスがないだろう我々のような弁理士がなぜ研修・試験を受けるのか。それは、実質的に「普通弁理士/特級弁理士」と資格に区別が生まれるのであれば、自分は特級弁理士の組に入りたい、という程度のものです。そしてその事実を名刺に印刷することです。
このような目的で結構大変な研修と試験を受けようと考える弁理士が、全弁理士のうちの何割ぐらいを占めるだろうか。私の予想ではせいぜい3~4割だろう。ということで上記受講生予測をしました。
私は平成15年に青山学院大学で民法・民訴法基礎研修を受講し、平成16年に特定侵害訴訟代理業務に係る研修・試験(能力担保研修ともいう)を受講し合格しました。
そのときに感じた印象をいくつか述べます。
・少人数クラスによる受講をうたっていましたので、活発に質疑応答が行われるのかと期待していたのですが、ほとんどの授業は講師が一方的にしゃべるのみで、ほとんど質疑応答の時間が取れませんでした。これなら少人数クラスなどにせず、講師の数を減らして受講費用を安くしてもらった方がよかったです。
・研修の講師は、試験のことよりも実務を重視しています。「試験の答案にどのように書いたらいいか」という観点とはちょっと異なっており、受講生にとってはそれがとまどいになりました。
・試験の合否を分けたのは、訴状や答弁書の書き方や民法・民訴法の知識というより、特許法の知識でした。特許法の問題では、特許法101条2号(間接侵害)に関する問題が出題されたのです。ところが、2号は法改正で最近新設された条文であり、この条文を知らなかった受験生が、1号で解答してしまったのです。このような解答をした受験生は皆不合格だったようです。
・講義では、盛んに「要件事実論が大切」と強調されます。「そんなに要件事実が大事なら、条文毎に、要件事実をリストアップし、証明責任が原告(特許権者)と被告のいずれにあるかを区分けした表を作れば良いではないか」と感じました。そして実際に作ってみました。これがそれです。
私は残念ながら侵害訴訟の共同訴訟代理人になるチャンスはまだありません。しかし、審決取消訴訟の代理人にはなっています。審決取消訴訟の場で、能力担保研修を受けた効果は大いに感じております。
逆に言うと、能力担保研修を受けていない弁理士にとって、審決取消訴訟の代理人を単独で受任するのは結構厳しいだろうと思います。
審決取消訴訟を起こさなければならない場面で、どの弁理士に依頼したらいいかわからないときには、取り敢えず「特定侵害訴訟代理業務付記弁理士」の資格を持っている弁理士から選んだ方が無難だろうと思います。
報告書によると、特定侵害訴訟代理業務に係る研修・試験が開始されてから3年経過後に見直しすることになっていたので、見直しを行ったということです。
本年の3月31日と5月17日の2日間で懇談会を行い、2回目の懇談会で報告書(案)について議論したということですから、あまり多くは期待できません。
こういう懇談会には、ぜひ受講生もメンバーに入れて欲しいですね。
取り敢えずは、ほぼ現状の姿で今後も継続していこう、というのが結論のようです。
募集規模は、
平成15年 850人
平成16年 850人
平成17年 450人
平成18年 280人
平成15~17年の3年間に1600人が合格
私の予想としては全弁理士の3割が受講したら、それ以降は新規受講者は鈍化し、弁理士試験新規合格者(毎年700人)の3割と、残りの未受講生の若干の部分が受講することになろうか、というものでした。だいたいそのようなレベルに落ち着いているようです。
特定侵害訴訟代理業務に係る研修・試験を受けて付記弁理士になる目的は、もちろん特許権侵害訴訟で共同訴訟代理人の資格を得るためです。しかし、全弁理士の中で、侵害訴訟の代理人になるチャンスがある人などごく僅かです。そのようなチャンスがないだろう我々のような弁理士がなぜ研修・試験を受けるのか。それは、実質的に「普通弁理士/特級弁理士」と資格に区別が生まれるのであれば、自分は特級弁理士の組に入りたい、という程度のものです。そしてその事実を名刺に印刷することです。
このような目的で結構大変な研修と試験を受けようと考える弁理士が、全弁理士のうちの何割ぐらいを占めるだろうか。私の予想ではせいぜい3~4割だろう。ということで上記受講生予測をしました。
私は平成15年に青山学院大学で民法・民訴法基礎研修を受講し、平成16年に特定侵害訴訟代理業務に係る研修・試験(能力担保研修ともいう)を受講し合格しました。
そのときに感じた印象をいくつか述べます。
・少人数クラスによる受講をうたっていましたので、活発に質疑応答が行われるのかと期待していたのですが、ほとんどの授業は講師が一方的にしゃべるのみで、ほとんど質疑応答の時間が取れませんでした。これなら少人数クラスなどにせず、講師の数を減らして受講費用を安くしてもらった方がよかったです。
・研修の講師は、試験のことよりも実務を重視しています。「試験の答案にどのように書いたらいいか」という観点とはちょっと異なっており、受講生にとってはそれがとまどいになりました。
・試験の合否を分けたのは、訴状や答弁書の書き方や民法・民訴法の知識というより、特許法の知識でした。特許法の問題では、特許法101条2号(間接侵害)に関する問題が出題されたのです。ところが、2号は法改正で最近新設された条文であり、この条文を知らなかった受験生が、1号で解答してしまったのです。このような解答をした受験生は皆不合格だったようです。
・講義では、盛んに「要件事実論が大切」と強調されます。「そんなに要件事実が大事なら、条文毎に、要件事実をリストアップし、証明責任が原告(特許権者)と被告のいずれにあるかを区分けした表を作れば良いではないか」と感じました。そして実際に作ってみました。これがそれです。
私は残念ながら侵害訴訟の共同訴訟代理人になるチャンスはまだありません。しかし、審決取消訴訟の代理人にはなっています。審決取消訴訟の場で、能力担保研修を受けた効果は大いに感じております。
逆に言うと、能力担保研修を受けていない弁理士にとって、審決取消訴訟の代理人を単独で受任するのは結構厳しいだろうと思います。
審決取消訴訟を起こさなければならない場面で、どの弁理士に依頼したらいいかわからないときには、取り敢えず「特定侵害訴訟代理業務付記弁理士」の資格を持っている弁理士から選んだ方が無難だろうと思います。
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