弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

弁理士会・ダイバーシティ推進委員会

2022-10-29 17:12:16 | 弁理士
パテント誌2022 10月号「ティーブレイク」
「ダイバーシティ推進」って何? 日野真美
弁理士の日野真美さんは、昨年度から日本弁理士会にできたダイバーシティ推進委員会の委員長です。
念のため・・「ダイバーシティとは」(コトバンク)
・雇用の機会均等、多様な働き方を指すことば。
・日本においては、人種、宗教等よりは、性別、価値観、ライフスタイル、障害等の面に注目した多様性として捉えられている傾向がある。

日野さんの上記記事で「私が弁理士になった当時(30年前)」とあり、私と同時期に弁理士資格を取得された方です。
日野真美さんについては、このブログでも取り上げています。
アメリカのロースクール 2007-05-26

--今回記事より----------
日野さんはいわゆる男女雇用機会均等法世代であり、同世代の女性が集まると、昔は大変だったという話でとても盛り上がります。採用面接で「結婚の予定はあるか」と訊かれて「はい」と答えたら不採用になった、新米先輩を含めた女性社員による朝のお茶くみ、課長が30歳前の女性先輩に「まだ、結婚せえへんの?」としつこく訊いた、などの話で大盛り上がりします。
あるとき、一回り以上若い複数の女性の弁理士から「わたしはこれまでそのような問題に遭遇したことがありませんでした」と言われ、女性といっても世代によって全く認識が異なることに気づきました。
昨年の(弁理士会の)会員向けアンケートでは、男女格差はないという「不存在派」と、いまだに格差は存在するという「存在派」の両方がありました。
--今回の記事要約以上--------

この30年で、「目に見える男女格差・セクハラは大幅に低減した」ということは明らかです。
それでも残る問題の第1は、「目に見えない男女格差」です。女性の昇進を阻む「ガラスの天井」の存在などが代表でしょう。

問題の第2は、「男女を格差なく扱えば良い」では最適解が得られないという問題です。
日本は、少子化に苦しんでいます。私は特に、女性の中でも能力があって「何事かをなし遂げよう」という志を持っているような人に特に、子供をもうけて欲しいと願うものです。出産・育児では、パートナー男性がどれだけ理解があり協力が得られるとしても、やはり母親の負荷が大きくならざるを得ない部分があります。能力と働く意欲がある優秀な女性に子供をもうけてもらうためには、「男女逆不均等」が必要であると考えるものです。「女性には男性以上に出産・育児における優遇措置を篤くし、それでも昇進・昇格で男女差別をしない」という意味での「男女逆不均等」です。ここまで優遇してはじめて、優秀な女性が「子供を産み育てよう」と決心してくれることでしょう。
日本の将来のためには、ここまで「男女逆不均等」とすることが必要と考えます。
このような女性に対する優遇(出産しても職場を辞めなくて良い)が存在すれば、「均等に扱えと言われても、女性は結局辞めちゃうからなあ」という男性側からの文句も出なくなることでしょう。
ですから私は、男女格差の「存在派」でも「不存在派」でもなく、「逆格差不存在派」を名乗ることにします。

日野真美さんについて
上記紹介した記事「アメリカのロースクール 2007-05-26」から
日野さんは「パテント」2004年7月号に、「アメリカのロースクールの3年制課程について」と題して体験記を書かれています(こちらにpdf)。
日野さんは、大学の薬学部卒業、大手製薬会社の研究所勤務、大阪の特許事務所で弁理士として勤務と経歴を重ね、ご主人のアメリカ転勤が決まり、「それなら、私はアメリカでロースクールに行きたい」と無謀な(^_^)計画を立てます。
まえがきによると、
「私は,アメリカのニュージャージー州にあるシートンホール大学 (Seton Hall University) ロースクールの3年制課程(J.D.コース)を1999年6 月に卒業し,ニューヨーク市にあったペニー&エドモンズという知的財産権専門の法律事務所で2002年10月まで働きました。今後私と同じように法学部出身ではないがアメリカのロースクールへ行ってみたい,アメリカで働いてみたい,と思われる方のために,何かのご参考になればと,ロースクールの3 年制課程への進学について私の経験を交えて以下に述べることにします。」
日野さんが受けたニューヨーク州の司法試験は、7月と2月の年2回行われ、合格率は7月の試験で70%、2月の試験で45%程度とのことです。2月の試験には7月試験で不合格だった30%の人が受けるとすると、最終合格率=70+30×0.45=84%程度になるのでしょうか。
昨今の小室圭さんのニューヨーク州司法試験のニュースについては、日野さんの上記記事を参考にして見ていました。3回目で合格、おめでとうございます。
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