弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

第5版鉄鋼便覧

2014-11-01 22:55:24 | 弁理士
弁理士としての私の一番大きな技術分野は製鉄関係です。製鉄分野を網羅する便覧として、「鉄鋼便覧」が知られています。その鉄鋼便覧、第4版から約10年ぶりで第5版の刊行が計画されていました。
その第5版鉄鋼便覧が、8月31日に発刊になりました。
わが事務所でも全巻の購買を予約していたのですが、届きました。
 

第5版鉄鋼便覧は、こちらの案内に記載の通り、「2014年春刊行予定」というアナウンスで、2013年3月下旬予約受付開始したものです。
この案内には、以下のように説明されています。
『日本鉄鋼協会は、創立100周年記念事業として、第5版鉄鋼便覧を刊行いたします。
前回の第4版(2002年刊行)は、1979~1982年にかけて出版された第3版の完全復刻に加え、第3版刊行時から2000年までの約20年間の鉄鋼技術の進歩・発展を追補した内容で、「計測・制御・システム」と「環境」の新巻を新規執筆して加えた、CD-ROM版として出版されました。
第5版鉄鋼便覧は、第4版を全面改訂し、最も要望の多かった書籍版にて刊行いたします。本便覧は、わが国が築き上げてきた鉄鋼の学術・技術を体系化し、関連する分野も含めた鉄鋼技術を全てカバーしています。本便覧の刊行により、わが国鉄鋼業の国際競争力の強化と世界の鉄鋼技術への貢献が期待されます。
予約割引期間
2013年3月春季講演大会開催初日~2013年9月30日までを予定』

私もこの案内に従い、予約期間中に予約しました。
全6巻で、一般価格での予約販売価格は合計で18万6千円です。日本鉄鋼協会の個人会員だとセット価格が9万円になるということで、私はそのために会員登録しました。日本鉄鋼協会の会員になるのは多分30年ぶりです。

しかし、予定の14年春になっても刊行されず、この8月末にやっと刊行になりました(案内はこちら)。
 

私は、第3版の全巻と第4版をいずれも所持しています。

第3版(合計7分冊)は、2000年に事務所を開設するときに古書で購入しました。神田の古書店では4分冊ぐらいしか購入できなかったのですが、その後ネットで検索したら残りも入手することができました。上の案内にあるように、1980年前後に発行されたものです。
  
第3版は、日本鉄鋼界各社が競って最新の技術を開示した渾身の作です。今でも輝きを失っていません。

第3版から20年経過後、2002年に第4版ができましたが、こちらは書籍ではなくCD-ROM板です。
 
第4版には、第3版の全部が電子化されて収納されるとともに、第3版発行以来20年間の新技術が掲載される、はずでした。
しかし、日本鉄鋼界はその20年間にスタンスを大きく変えました。各社は、技術を競って開示するのではなく、非開示の方向に転じたのです。考えれば当たり前で、各社の最新技術を開示したら、その開示は中国をはじめとする海外の競争相手を利するだけで、日本鉄鋼界には何ら利益を生まない、ということになったためでしょう。
従って第4版で新たに追加記載された部分は残念な内容でした。

さらに第4版は、ブラウザーとしてネットスケープを採用したのです。そのネットスケープ、Windows7では動作しないこととなりました。従って、WindowsXPの終焉とともに、第4版鉄鋼便覧は本来の姿では再生することが不可能となってしまいました。

さて、新発売の第5版鉄鋼便覧の内容はいかがでしょうか。
私はまだ読み始めていません。現在の世界情勢を考えれば、日本鉄鋼界が再度情報開示の方向に舵を切ったとは思えないので、第3版のような開示はなされていないでしょうが、追々内容を確認していきたいです。

以下に、事務所の便覧書棚(金属関係)を紹介します。
 
書棚には第3版鉄鋼便覧が収納されており、まだ第5版の居所は定まっていません。
このほかに、機械工学便覧が収納されています。
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