弁理士の日々

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駐留20年の教訓

2021-08-21 09:46:14 | 歴史・社会
駐留、20年の教訓 米アフガン監察官が報告書
2021年8月20日 朝日新聞
『「我々は何を学ぶべきか 20年間のアフガン復興からの教訓」。そう題した報告書を今月、米政府の特別監察官が公表した。計画の欠如や現地事情の理解不足――。米国が巨費を投じたアフガン支援が「失敗」した理由を厳しく指摘する言葉が並んでいる。
独立した立場から米政府によるアフガン復興を監査する「アフガニスタン復興特別監察官(SIGAR)が16日に発表した。2008年の活動開始以降、述べ760人の政治家や米兵らへの聞き取りを実施し、過去10回の報告書をまとめてきた。今回は、アフガン政権崩壊の直後となるこのタイミングでの公表となった。』

アメリカ政府は、このような監察官制度を持っているのですね。米国の「アフガン敗北」の直後のタイミングで、よくぞこのような報告書を公開したものです。この点では、アメリカという国をうらやましく思います。

01年の米同時多発テロをきっかけとした現地への介入について、「思うような成果は得られなかった」と評価しました。過去20年間で、アフガニスタンでは経済成長や健康、教育面での向上は見られたものの、「米国撤退後も持続できるかは問題だ」と否定的な見方を示しました。

教訓の第1
「米国が現地の文化や慣習などを理解していなかったことだ。」
米国はアフガン政府軍に最新兵器システムを導入しましたが、教育水準の低い現地の兵士には文字の読み方から教育する必要がありました。

「西洋型の仕組みを現地経済に押しつけた▽紛争の8~9割を非公式手段で解決してきた国に法の支配を押しつけた▽文化的背景を理解せずに女性の権利促進をした」
「紛争を緩和させるためのプロジェクトは、むしろ紛争を悪化させた」

教訓第2
「政治家の目標設定が非現実的で一貫性がなかった」
歴代の政権は、成果を出すために短期的な目標を追い求め、圧力を感じた現場は無駄に資金を費やす方向に走りました。
現地政府の腐敗撲滅を目指すのに、経済成長のために高額の資金を追求するなど、相矛盾する施策の数々を生み出すことにもなりました。

おそらく、以上がアフガニスタンにおける実態なのでしょう。
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