弁理士の日々

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能登半島への災害派遣が遅れている!

2024-01-09 16:01:49 | 歴史・社会
今回の能登半島地震に対応した自衛隊の災害派遣について、「派遣が遅く、かつ逐次投入だ!」との批判が相次いでいます。
当初の1000人から2000人、そして4000人と増員した点については、例えば『当初から1万人体制を予定し、その先遣・偵察としてまずは1000人を派遣した』のようなことであれば納得できます。しかしそうであればそのように最初からアナウンスすべきです。そうでないと、『当初は1000人で足りると思っていた。足りないのであわてて逐次投入した』と勘ぐられても致し方ありません。
自衛隊の人数はさておき。

今回の被災地は能登半島の山間部で、山間の孤立集落までの陸路が寸断されています。海路についても、海底の隆起で港が使えません。
このようなとき、ヘリコプターの利用が真っ先に思い浮かびます。陸海空自衛隊のヘリコプターを全面投入して、山間の孤立集落に物資を届けて生活の安定を実現し、衛星電話と電源を届けて対策本部との通信を実現し、後方の安全な場所に移動を希望する被災者を迅速に運搬する、という活動を行うことができます。
山間の孤立集落には広いヘリポートを設ける空き地がないでしょうから、現地に出向くヘリコプターは中型、例えば自衛隊のUH-60 ブラックホークUH-1が最適と思います。
UH-60 ブラックホーク

UH-1

後方の安全地帯から能登半島の中核拠点までは、CH-47 チヌークで大量輸送が可能です。
CH-47 チヌーク
例えば、能登半島の中央に位置する能登空港を中核拠点とし、金沢市の物資集積場所から能登空港まではチヌーク、そして能登空港から孤立集落まではブラックホーク、といった運用が考えられます。

ニュースで現地からの報道をしょっちゅう見るのですが、不思議なことに、ヘリコプターの爆音が聞こえてきません。上記のようなヘリの活動が最大限行われているのであれば、上空には間断なくヘリの爆音が響いているはずです。これだけヘリの爆音が聞こえていないということは、実はヘリの投入が非常に少ないのではないか・・・と勘ぐっていました。

そこに以下のニュースです。
自衛隊6300人態勢に 木原防衛大臣、墜落事故の陸自ヘリ「UH60」も投入と発表 能登半島地震
1/9(火) 14:58
『木原防衛大臣は能登半島地震の災害派遣について、自衛隊を6300人態勢に増強し、去年4月に墜落事故を起こした陸上自衛隊のヘリコプターも投入すると発表しました。
木原防衛大臣
「本日も自衛隊は人員約6300名、航空機約40機、艦艇9隻で活動を実施しております」
木原防衛大臣は災害派遣の現状について、「狭い地域にも着陸ができる中型ヘリコプターの運用が必要な状況」だと説明しました。
そのうえで、去年4月、沖縄県宮古島周辺で墜落事故を起こした陸上自衛隊のヘリコプター「UH-60」をきょう以降、現場に投入すると発表しました。事故発生以降、このヘリコプターが任務での飛行を行うのは初めてで、海上自衛隊の輸送艦から、孤立地域への物資輸送を行うということです。』

「狭い地域にも着陸ができる中型ヘリコプターの運用が必要な状況」だ、との認識を、地震発生から9日後にやっと気づいたのですか。
そもそも、最も活躍するであろうと想像できるブラックホークについて、宮古島での墜落事故から今日まで、任務では使われていなかったのですね。それもびっくりです。ブラックホークは長い間、そして全世界で、多数が運用されているのにもかかわらず、です。
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