弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

JAL機はなぜ全損したのか

2024-01-29 15:47:04 | 歴史・社会
消火栓が使えれば 輪島の火災、なぜ拡大 元消防団員「初期消火で消せたはず」 能登地震
2024年1月25日 朝日新聞
『能登半島地震に伴う大規模火災で、地元の海産物や野菜が並ぶ観光名所「輪島朝市」(石川県輪島市)は壊滅状態となった。なぜ炎は燃え広がったのか。消防団員らの証言からたどった。』
『消火栓が使えていれば』
『元消防団員「初期消火で消せたはず」』
あの大地震と大津波の直後でしたが、消防団員は現場に駆けつけ、消火に励んでいたのですね。ただし消火栓が使えず、あれだけの大火事になってしまいました。

私は、1月1日の輪島における大火事と同様、1月2日の羽田空港事故におけるJAL機の火災が気になりました。
衝突の日航機、全損事故は初 専門家、複合材の性能「検証を」
2024年1月13日 16時49分 (共同通信)
全損したJAL機の写真
『羽田空港で海上保安庁と日航の航空機が衝突、炎上した事故で、日航の機体は欧州航空機大手エアバスの最新鋭機A350―900型だった。軽量化で燃費向上を図るため、炭素繊維と樹脂を組み合わせた複合材料を多く使っているのが特徴で、エアバスによると、A350の全損事故は初めて。専門家は炭素繊維複合材の性能について検証し、安全性向上に生かすべきだとしている。』

私は、羽田航空機事故経緯 2024-01-07に書いたように、事故の直後から、JAL機が燃える状況をリアルタイムでテレビで見ていました。事故発生(17時47分頃)から30分後あたりからずっとです。JAL機の左側です。その当初は、火が出ているものの左エンジン付近でちょろちょろ、右側については良く分かりませんが右翼付近に火が出て切るようでした。いずれにしろ、胴体からは火が出ていません。そのうち、後部付近の窓二つが赤く染まり、人力の放水がその窓めがけてなされるようになりました。
機内からの人命救助に奔走しているような人は見当たりません。機内の全員が脱出したことを、消防も把握していたはずです。しかし消火活動は、極めておとなしい、遠慮がち、に行われていました。機体の側面の多数の窓のうち、後方の二つが赤く染まったら、消防士が手持ちのホースでその窓に放水する、といった程度です。機体の近くには消防車も配置されています。機体の上部から煙が立ち上ると、その煙の部分のみをめがけて消防車からの消化剤散布がなされます。煙はすぐにおさまり、その後はその消防車は消化剤を散布せずに火災を傍観しています。

そうこうするうちに機体の全体に火が回り、最終的に機体は完全に燃え落ちました。

消防車による消化剤散布活動は、何であんなに遠慮がちだったのだろうか。とても不思議でした。
そしてその結果として、機体は全損です。主翼の両端のみが燃えずに残りました。

今回の機体の全損は、消火活動が消極的、遠慮がちであったことが原因と思います。上記ニュースでは、『エアバスによると、A350の全損事故は初めて』とし、全損の理由が機体の材質にある、との推測です。『消火活動が消極的であったため』との推論は全くなされていません。一体どうなっているのでしょうか。
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