弁理士の日々

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米軍、カブール誤爆認める

2021-09-19 11:06:42 | 歴史・社会
米軍、カブール誤爆認める 犠牲10人、ISと無関係 白い車、テロ誤認
2021年9月19日 朝日新聞
『米中央軍は17日、アフガニスタンの首都カブールで8月29日に実施した無人機(ドローン)による空爆が、民間人への誤爆だったとして謝罪した。米軍の対テロ戦争での誤爆は繰り返し指摘されてきたが、米軍撤退が注目を集めるなかでの失態は、ずさんな情報をもとにした攻撃の内実を浮き彫りにした。』
『これまでも無人機による誤爆や民間人の巻き添えが問題視されてきた。・・・米軍アフガン政府軍などの空爆で死亡した民間人は約3800人にのぼる。現地で反米感情を生む要因となってきた。ただ、米軍は今後も無人機などを活用した対テロ作戦を続ける方針を示している。』
『タリバンは被害のあった村に勧誘係を送り、戦闘員を集めた。空爆被害は「米軍は侵略者だ」と唱えるタリバンの「聖戦」に一定の説得力をもたらした。
米軍の空爆は、トランプ前大統領の就任後に急増した。』

米国はアフガニスタン戦争を始めてからこの20年間、同じ間違いを繰り返してきたことになります。
2008年当時の当ブログ過去ログ
参議院外交防衛委員会での中村哲氏 2008-11-08
『○アフガンを蝕んでいるのは暴力主義。治安は悪くなる一方で、パキスタン北西部を巻き込んでいる。
対テロ戦争という名の外国軍による空爆が、治安悪化の原因。
かつてなく、欧米諸国軍への憎悪が民衆にうずまいている。
○アフガニスタンで復讐は絶対の掟である。


1年前国会での伊勢崎賢治氏参考人発言 2009-01-16
『まずアフガンの治安問題。
国際部隊がテロリストせん滅のためにピンポイント爆撃を行うと、その周りの、戦闘員には絶対になり得ない女子、子供が巻き添えになるという
、これは今大変な数に上っています。これがアフガン世論の反感を買っており、南東部では一般の農民がタリバンの方に寝返ってしまう。』

そして、昨日の当ブログ記事
中村哲著「天、共に在り」 2021-09-18
にも書いたように、2013年に発行された中村哲さんの著書「天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い」でも、
『日本でまとこしやかに報道された「ピンポイント攻撃(テロリストの場所だけを攻撃して市民に被害を与えない)」の実態は、無差別爆撃であった。』(88ページ)
『いかに粉飾しようと、この戦争のツケは、暴力的報復として、やがて現れるだろう。爆風で散乱した肉親の死体を拾い集め、両親の屍に取りすがって泣いていた子供たちの姿がこころに焼き付いて離れない。彼らが長じたとき・・・、不憫な思いと共に、うそ寒いものを感じざるを得なかった。』(101ページ)
と記述されています。
2003年に中村さんたちの用水路建設現場が機銃掃射を受けました。当局は「疑わしきは攻撃してから、確認する」と述べました。『さらに、「戦死した戦友を思う気持ちを分かって欲しい」と付け加えた。当方は「空爆で肉親を失った人々の思いを分かって欲しい」と言い返したかったが、報復を恐れて公言できなかった。』
今回の誤爆も米国は、「ISの自爆テロで死亡した13人の米兵を思う気持ちを分かって欲しい」と言いたいのでしょう。

2001年に米国が開始した20年間にわたるアフガン戦争で、アフガニスタンの人々がアメリカに対して復讐心を募らせていった実態がよくわかります。「アメリカ傀儡の現政権か、タリバン政権か」と迫られたとき、タリバンを選んだとしても全然不思議ではありません。
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