<1506> フキノトウ(蕗の薹)
庭の隅 ひいふみいよ 蕗の薹
今年もフキノトウが姿を見せた。例年よりも少し早いようである。まだ、「つぼみかたし」であるが、確かにフキノトウである。フキはキク科フキ属の多年草で、本州から沖縄まで自生分布し、山野に見られる。雌雄別株で、雄株は花が終わると枯れるのに対し、雌株は花の後、五十センチほどに伸び、白い冠毛が目立つ果期を迎える。
フキは早春のころ苞葉に包まれた花芽を出し、この蕾状のものがフキノトウで、いち早く春の訪れを告げる。このフキノトウは味噌焼き、天ぷら、酢味噌和えなどにして食べる。野趣に富んだほろ苦い早春の味し、楽しみに待つ人もいる。また、成長した茎葉も食べられ、改良されたものが栽培され、店先にも並ぶ。
フキの名は一説に「ふぶき」の短縮されたものと言われ、「ふぶき」は茎の中に孔があって折れば糸の出るものを指すことから来ていると言われる。また、フキは寒中霜雪を凌いで花芽を出す旺盛な姿が好まれ、富貴に通ずるとして古来よりフクジュソウなどとともにフキノトウが新年の床飾りに用いられたりして来た。
今日十三日は寒が緩み、夕方から本格的な雨となり、庭も潤いを見せ、フキノトウも一段と成長するのではないかと思われる。では、今一句。 先がけの 姿たのもし 蕗の薹 写真は我が家の庭に姿を見せたフキノトウ。数えてみると七つあった。
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