<1507> ひ な 飾 り
慈しみ 雛出す妻の 齢かな
今年もひな祭りの話が聞かれる時期になり、このほど我が家でもひな飾りを出した。ひな飾りが出ると、遠い昔が偲ばれ、懐かしい気分になる。ひな祭りは五節句の一つである上巳(じょうし・じょうみ)の節句に合せ、三月三日に女の子の健やかな成長を願って行なわれるもので、男の子を祝う五月五日の端午の節句と対比される。端午の節句には武者人形を飾ったり、鯉のぼりを立てたりするが、上巳の節句のひな祭りにはその名の通り雛人形を飾って祝う。
最近は新暦で行なわれるところがほとんどであるが、私の子供のころまでは旧暦で行なうところが多く、私の田舎でも旧暦で行なっていた。旧暦の三月は今の四月に当たるので、モモやサクラが花を咲かせ、モモの花を飾ったことから、霊力が尊ばれるモモをもって桃の節句とも言われるところとなった。新暦ではモモの花は間に合わないので、室咲き(温室育ちの花)をもって対応している向きが見られる。
上巳とは三月の最初の巳の日のことで、ひな祭りは平安時代に貴族の子供たちの間で行なわれていたひいな遊びから伝わったものとされ、豪華な段飾りが登場したのは江戸時代以降だと言われる。もともとは上巳の日に人形を作り、この人形で体をさすり、身の穢れを人形に移して水に流し、厄払いをしたことによると言われ、今でも川にひなを流す流しびなの風習が遺されているところがある。
いつのころからか、上巳の日に変わり、三月三日がひな祭りの日になり、旧暦から新暦に引き継がれ、今に至る次第である。なお、今日は男女の日、バレンタインデーである。 教訓:努力なしに幸せを得る道はない。 幸せは 男女一対 雛に見ゆ 見よ思へ 遠き道 また 春が来ぬ
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