大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2014年03月15日 | 祭り

<924> 春日大社の御田植祭

       神官も巫女も出でますお田植えの祭りに春日の宮は春めく

 時は移ろう。東大寺二月堂のお水取りも終り、アセビの花がそこここに見られる今日は春日大社の御田植祭であった。この三年ほどはどちらにも出かけて来た。奈良でも東大寺からこの春日大社の一帯はよく歩く。ときには奈良公園の飛火野あたりも歩き、若草山にも登る。また、春日大社の萬葉植物園にはよく立ち寄る。ぶらりと歩くときは、あまり知識の習得に期待出来ないが、奈良の雰囲気は味わえる。

        

 ところで、神社とお寺ではその雰囲気が多少異なる。神社は神さまで、厳かにして凛としたところがあるのに対し、お寺は仏さまで、慈悲心の寛容なところがうかがえ、やさしさがある。だが、ともに聖なる場所で、神仏習合、ともに助け合い、仲良く存在する多神教の国日本の伝統が神社仏閣には見受けられる。これは一神教の国のように排他的でないのがよいと言えようか。

 大和に多く見られる御田植祭(おんだ祭り)は神社の役割で、二、三月の田仕事にかかる前のこの時期によく行なわれる。所作の演技がつきもので、豊年万作の予祝の意味合いがあり、牛や田主、早乙女などに扮して一昔前の田仕事を披露し、奉納する。

      

 春日大社の御田植祭は、平安時代末に始められたと言われ、神官や巫女によって所作が奉納される。今年も、例年通り、本殿の林檎の庭と摂社の榎本神社、若宮神社の三ヶ所で順次奉納された。中でも、緋色の袴が艶やかな八人の巫女が扮する八乙女の舞いが目を引いた。写真は上段左から所作を披露する牛男と田主ら、鍬を振る田主、牛男の暴れる牛の演技。下段左から楽に合わせて舞いを奉納する八乙女ら、右端は籾を蒔く巫女たち(いずれも春日大社の摂社榎本神社で)。

 


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