大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2014年08月15日 | 祭り

<1076> ほうらんや火祭り

       ほうらんや 炎昼に焔を 奉る

 お盆の十五日、橿原市東坊城町の春日神社と八幡神社で大松明を担いで奉納するほうらんや火祭りが行なわれた。まず、地元の六地区の氏子たちが午前中、各地区で割竹を編み、丸くして、その中にワラや竹笹などを詰め、縄を回して縛り、先端部分に燃えやすい菜種殻を取りつけ、「えび」と呼ばれる注連縄をした合計大小十数個の松明を作り、炎暑の午後一時半から、まず、春日神社で奉納があり、次いで、午後四時から八幡神社で同様の奉納があった。

         

 大松明は大きいもので、直径が1.5メートル、長さが三メートル、重さは四百五十キロ。春日神社では東坊城町の弓場、川端、大北、出垣内の四地区の大松明、八幡神社では同町の大北、川端、弓場、万田、出垣内と古川町の六地区の大松明が奉納された。火がつけられて燃えあがる大松明を浴衣姿の氏子たちが順次担いで境内を練り歩いた後、大松明の火を神前に据えて奉納を終えた。

 この火祭りは無病息災、虫送り、雨乞い等にかかわる民俗的恒例の祭りとして、大和では風物詩としてあり、昭和五十七年(一九八二年)に奈良県の無形民俗文化財に指定され現在に至っている。お盆に行なわれるが、仏教の伝来よりも起源が古いとも言われ、仏教とは関わりがないという。また、「ほうらんや」の名称の由来については、豊年万作の「ほうねん」から来ているのではないかと言われているが、定かではない。 写真は左が春日神社、右二枚が八幡神社のほうらんや火祭り。

 

 

 


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