<3206> 余聞 余話 「秋深む」
朴の葉の 傷み増すなり 秋深む
一雨ごとに秋が深まり行く感。池の周りの草叢はアレチヌスビトハギの花期が終わり、花は鉤になった毛のあるひっつき虫の豆果となり、移ろう時を進め、セイタカアワダチソウの群生する花が今まさに草叢を席巻し、池に黄色の鉢巻を巻いたようになっている。
カキの葉の紅葉はすっかり終わり、サクラの紅葉が美しさを点している。大きな葉を輪生状につけたホオノキはその葉が色づき、傷みが増しつつある。葉は間もなく役目を終え、落葉するだろう。秋はいよいよ冬へと向かう。
そして、実は熟す季節。よく見ると、ガマズミ、ヤブデマリ、ノイバラ、ソヨゴなどの小粒な実が赤く色づき始め、キリ、ムクロジ、ナンキンハゼ、エノキ、クヌギ、コナラ、センダンなどがそれぞれ充実の時に差しかかっているのが見られる。
ほとんど葉を落とした水辺のネムノキにはモズがいて、頻りにけたたましく鳴き、辺りにその存在を知らしめている。スケッチすればそんな今日このごろの大和地方ではある。 写真は黄色の花が鮮やかなセイタカアワダチソウ(左)、色づき傷みを増すホオの葉(中)、サクラの紅葉(右)。
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