ナチスの映画は見たくないと思いつつも、一昨日7日は台風による大雨で、外にも行けないので「オデッサ・ファイル」をNHKBSで見ました。実在のナチスの命令下での殺人鬼・強制収容所所長のロシュマン殺害に至るまでを記録したもの。ロシュマンは偽名を使い工場を経営して優雅な生活をしていました。驚いたのは主人公の記者ペーターが、殺人鬼を守る人々から命を狙われたこと。オデッサ・ファイルとは、殺人鬼集団の名簿のファイル。それは厳密に管理されていて、本名と偽名、顔写真、職場などが書かれています。
ペーターの父親もロシュマンに殺害されています。最後に彼を追い詰めた時、拳銃を差し向けながら過去の行為を一つずつ検証し、追い詰めます。殺人鬼はナチの命令だから仕方がないとか言い訳をし、息詰まるやりとりがあり、ペーターに銃殺されます。殺害しても罪は軽かったそうです。亡くなる前に検証する台詞が、リアルに迫るので本当かと思いきや、まだその時点では、ロシュマンは生存していて1977年に死亡。ナチの当時の映像もモノクロで写されるのでリアル。映画化は1974年。
事の起こりは、ケネディー暗殺事件(1963年) のころ、一人の老人がある日記を残して自殺。その日記を読んだドイツ人記者ペーターがその日記をもとにナチの残党と関わってゆくことになります。
原作を書いた英国の作家の処女作が、「ジャッカルの日」。たまたま私は人に勧められて、1997年ころ読んでいます。とにかくすごい内容の本でした。その作家のもとに、この作品を発表したらたくさんの脅迫状が来たそうです。ナチの残党の怖さがうかがえます。
巨大台風10号は、本土に上陸しなかったものの、その爪痕を九州に残しました。被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。まだ停電地区もあるようです。
酔芙蓉