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事例研究:ミャンマー--単一の国民国家を目指す軍事国家

『現代地政学』より 地政学をナショナル・アイデンティティに埋め込む

このミャンマーに関する短い事例研究は、民族的多楡|生と抵抗に直面したとき、軍事国家が、民族的結合の意識を作り出すためにどのように軍事力を利用するかを研究した、地理学者カール・グランディ=ワーとカリン・ディーンの優れた論文の要約である。同国は1989年に現政権が国名をミャンマーと変えるまでは、ビルマとして知られていた。どちらの国名も、同国の歴史の中に存在していた。国名の変更は国際的にも認知されていたが、同国の民主化運動は、それをこの事例研究で討論する軍事化戦略の一部と見なし、拒否した。ミャンマーは、1948年に英国の植民地支配から独立し、それ以来、国民的プロジェクトは、その地理的広がりを網羅する中央集権型国家建設のための一連の軍事国家的行動であった。1962年3月の軍事クーデターが樹立した政権は、支配を永続化し民主主義を否定するものだった。支配的な軍事政権による国家建設は、「外部」「内部」を問わず敵と戦うことを伴うものであった。タトマダウと呼ばれるビルマ軍は、明確な「国民」の意識を作り出す企ての中で、重要な組織であり続けてきた。しかしながらこの国民的プロジェクトは、軍事クーデターの前でさえ国境地帯における少数民族や共産主義者による暴動に絶えずさらされてきた。端的に言えば、1960年代以来今日に至るまで、ビルマ軍は、一致団結した国民国家を創設し、国の分裂を防止するため、同国家の領土内で唯一の法と秩序の機関の役割を演じてきた。そして、その政治目的は、「連邦」の保持であった。言い換えれば、軍事国家は、多楡吐と競合するアイデンティティとを踏まえたうえで、国民国家の意識を創造しようとしてきたのである。

クーデター以来、ネ・ウィン将軍と「革命評議会」は、ビルマ社会主義計画党(BSPP)を創設し、その人権・市民権侵害で国際社会から非難を浴びた軍国主義的・孤立主義的な「ビルマ社会主義への道」を作り出した。政府の計画の中心は「国民」意識の創出にあった。その一歩はビルマをいわゆる7つの「少数民族州」に囲まれたフつの地域からなる国として定めた政治地図であった。しかしながら、政府により押し付けられた地図は、「少数民族州」の「民族的」政党が、どのように適切な連邦代議制度を決定したかを反映していなかった。軍事力を通じて、国民国家を創設するBSPPの企ては困難に見舞われた。 1970年代から1980年代にかけて、軍事政権とタトマダウはビルマ共産党(CPB)や、国民国家の統一という政府のビジョンに挑む少数民族武装勢力と紛争状態にあった。

1988年の残虐な民主化支持運動への抑圧に続き、国家法秩序回復評議会(SLORC)が結成され、「国民統一」という継続したゴールに向けてさらなる軍事化がなされた。SLORCは法秩序回復評議会(LORCs)を通じ、州、区域、地区、居住区、村当局などを含むさまざまな統治レペルで政治的支配を確立しようとした。統一された国民国家創設のため、LORCsは、すべての7つの行政区(ビルマ語でタイン)と以前BSPPによって創設されたアつの指定民族州(ビルマ語でピ・ネー)を網羅するよう計画されていた。実際には、ピ・ネー内のLORCsの権力範囲は、権力と支配を確立する軍事政権の勢力範囲外にある民族政党と地方軍のせいで不完全であった。言い換えれば、国家以外の地政的アクターは、民族統合国家をっくる軍事政権の企てを妨げるため、地方・地域レベルで作用していたのである。

1988年のあと、合意と停戦を通して民族グループを和解させる試みが、中央政府によってなされた。しかしながら、このような試みは注意深くかつ批判的に判断されねばならない。グランディ・ワーとディーンは、合意は、中央政府にとって領土全体への影響を拡大する別の方法でしかないと主張する。注目すべきは、これらの合意の目的は、特に石油、天然ガス、チーク材や宝石などの不可欠な天然資源の活用をより容易にすることだと、同論文が指摘していることである。これらのゴールを考慮に入れれば、停戦期の確立後も1988年から2008年まで、民主化支持暴動への抑圧、特に国民民主連盟とアウン・サン・スーチーヘの軍事政権による長い抑圧が継続的に続いたことは、驚くに値しないかもしれない。抑圧期には、「特に西部(イスラム系ロヒンギャの居住地区)や東部国境地帯における武装抵抗勢力の孤立地域」が標的とされ続けて来た。これは「カレンニー民族進歩党(KNPP)、カレン民族同盟(KNU)、シャン州軍(SSA)残党、特に南シャン州軍(SSかS)のような非停戦グループを狙った」ものである。これらの少数民族グループの存在は、国民国家の統一意識への挑戦であり、この理由により、彼らは軍事政権とその国民的プロジェクトから狙われてきたのである。

軍事化された国民的プロジェクトの結果、タトマダウは、兵力、軍事行動展開の地理的範囲ともに順調に増加してきた。 1990年以来、同軍は兵力40万人と倍増し、世界で20番目に大きな軍隊となったと言われる。増加した兵力は、軍事政権が軍事力か停戦協定によってプレゼンスを確立した国の随所に駐留している。悲しいことに、軍事力の成長は公共サービス、特に保健衛生と教育の低下、日常的な物資の欠乏、闇市の拡大や汚職の拡大をもたらした経済政策の失敗を生んでいる。軍事政権は軍事化のプロセスを進める一方で、個人の日常の福利、安全保障を担う責任を放棄し、政治的、経済的、社会的分野における軍事化を進めている。これらの行動は、軍部による、「国民統一」を達成するための軍中心の国家建設という地政的目標に端を発しているのである。

国民の統一という地政的創出、より正確には多楡匪のある国で一つの国民国家を作り出すというこの試みは、2005年の新首都ネピドー創設、それに続くビルマ統一を成し遂げた3人の歴史上の王たちの巨大な像の前での軍事パレードといった地政的実践を含んできた。 SLORC による軍事国民国家を創設する試みという地政的表象には、「民族的な地理的身体(geo-body)」そして「国民」のイメージを広く流布する必要があった。その主要なテーマは、「3つの国民的原因」、つまり、「統一の非崩壊性、国民団結の非崩壊性、そして国民主権の永続性」を確認することであった。しかしながらこれらは、国家建設を正当化しようと望んでの表象的虚構なのである。

ビルマ内の少数民族グループの存在と中央政府への反抗は、国民国家の統一構想が虚構であることを示している。この状況は国境の人工的、押しつけ的性質を反映し、世界中で共通して見られる。その結果は、政府が、時には外敵の創出を伴う国家建設の計画により民族統一を作り出そうとすることである。ミャンマーの例では、軍事政権は、ダイナミックな「民族再発見よのプロジェクトを成し遂げようとしてきた。その過程で、軍事国家とタトマダウは自分たちが「国を一つに保ち」[国家統一]を守ることができると信じている。民主化支持運動と、特にアウン・サン・スーチーの弾圧は、このプロジェクトの一部だったのである。
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地政学をナショナル・アイデンティティに埋め込む

『現代地政学』より 地政学をナショナル・アイデンティティに埋め込む

・民族(国民) (nation)、国家(state)、そして国民国家(nation-state)を定義する。

・ナショナリズムとその種々の示威行動を論じる。

・性的役割分担がいかにナショナリズムにおいて示唆されるかを論じる。

・性的役割分担とナショナリズム、そして地政的コードを関連づける。

・種々のナショナリズムとその地政的コードヘのインパクトを分類する。

・現在進行中の2つの民族紛争(チェチェン、ミャンマー)の簡単な事例研究を提供する。

・グローバル化の文脈で、ナショナリズムを論じる。

ナショナリズムは、少数民族の違いをはるかに超えるナショナル・アイデンティを定義するイデオロギーである。単純化すれば、ある国家の境界内の人々は、共通のアイデンティティをもっているという主張である。言い換えれば、強調されるのは同質性である。だが次第に、その強調は混合性へと置かれるようになる。個人は複数の集団アイデンティティをもっている。さらには、このような集団そのものが混合の産物である。例えば、アラブ系米国人のアイデンティティは、アラブ人と米国人の双方がさまざまな経験とアイデンティティを反映しているという意味において、この複雑さによってさらに込み入ったものとなる。このことは黒人系英国人という言葉についても同じである。最近の人々のグローバルな移動(合法的にせよ非合法的にせよ、自発的にせよ強制的にせよ)に関しての議論は、一方で、人々の集団的アイデンティティの混合性を増している。その一方である種の人々は、ナショナル・アイデンティティの「純血」を保つという信念を強めることで、そのような動きに反応しているのである。

地政学の理解において、「国内」と「国外」を分けることは誤りである。国家の地政的行動、つまりその国境の外の主体との相互作用は、暗黙であれ公けであれその国の人々の支持を必要とする。ナショナリズムのイデオロギーは、国家への忠誠心と、安全保障は主権と民族集団が主張する領土の統一性の上に成り立つのだという信念を与える。ナショナリストのイデオロギーの構成要素は、軍事化した外交政策を進める性的役割分担の促進である。この章では、国家とその地政的コードを持続させるイデオロギー的「接着剤」について見てきた。最後のいくっかの節では、安全保障をどうとらえるか再考するために、国民と国家についての支配的な視点、内側と外側という誤った二元論に挑んだ。次の章では、国家の統一性とナショナル・アイデンティティを保つために同様に不可欠である地理的特徴、つまり国境について考えてみたい。

・ナショナル・アイデンティティと国家とのつながりを理解する。

・最近の情勢におけるナショナリズムの現れ方を特定する。

・性的役割分担が、ナショナリズムの慣行によりどのように規定されるかを特定する。

・ナショナル・アイデンティティの創造における「戦闘」の重要な役割を認識する。

・地政的コードがいかに国民の歴史に根ざしているかを理解する。

・国家安全保障の地政学の基盤をなす、支配的な内側と外側という二分法に疑問をもつ。
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OCR化した12冊

『世界で働くプロフェッショナルが語る』
 個人は社会に対してどう責任を持つべきか
  紆余曲折を経て数理経済学と出会う
  学問分野も住んでいる場所も渡り歩いた
  民主主義を可能にしたコンドルセの定理
  ゲーム理論でコンドルセの定理を解き明かす
  民主主義の限界を打破する定理
  しかし、世界にはさまざまな制度が存在する
  個人と社会の問題を数学的に分析する
  多様な視点を獲得して自分を知るということ

『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』
 〝みんなの判断〟に同調していないか?
 みんなと一緒なら、大事故でも大丈夫?
 多数派に従う〝超従順〟な人たち
 同調圧力とマイスペース脳
 ジョンソン大統領からY2Kまで--集団思考の誤り
 多様性が優れた意思決定を生み出す
 ゲーマー集団が生化学のブレイクスルーをもたらす
 リーマン・ブラザーズと日本政府の「悪を聞かず、言わず」
 SNSによる〝ナローキャスティング〟の危険性
 優れたリーダーは違いと異議を求める

『パーソナルデータの教科書』
 欧州連合(EU)のルールは世界を席巻するか
  官と民の両方を監督する第三者機関
  負担の大きい越境移転規制
  EUのルールは「個人の権利」を中心に構成される
  ビッグデータビジネスに影響の大きい規定
  EUはパーソナルデータ流通の「交通規制」を作っている
  国際会議にみるEUのイニシアチブ

『子育てのためのアドラー心理学入門』
 子どもを勇気づけよう
  勇気づけ
  勇気づけのねらい
  自分の価値を認める
  他者の評価にとらわれない
  短所を長所と見る
  貢献感
  他者に期待せず与える
  失敗を怖れない
  対等であること

『フランス人の不思議な頭の中』
 ジャンヌ・ダルク
  聖女か異端者か
  極右政党に利用されるジャンヌ
  ジャンヌ・ダルクを巡って争奪戦
  時代を映すジャンヌの肖像
 出生率はヨーロッパ第一
  少子化対策
  「人口は国力」の手厚い対策
 スリにご用心
  パリの地下鉄はスリ天国?
  映画もどきの派手な宝飾店襲撃
  求められる犯罪対策

『ヒンドゥー教の歴史』
 ヒンドゥー教の世界
 ヒンドゥー教とは何か
 インド世界の統一性
 ヒンドゥー教の広がり
 ヒンドゥー教の時代区分

『ぼくと数字のふしぎな世界』
 われわれしかいないのか?
 オマル・ハイヤームの暦
 ある作家の微分積分

『自転車まちづくり』
 世界最先端の自転車計画とネットワーク
  世界の自転車計画から学ぶ
  自転車を唯一の主要交通手段と位置づけたロンドン
  最先端の自転車施策のコンセプトがつまったポートランドの自転車計画

『日本の真実』
 日本を飲み込むTPP
  弱肉強食の原理
  資本主義 vs.民主主義
  格差社会日本
  経済植民地化の策謀
  壊される日本

『現代中国を読み解く』
 なぜ江沢民は反日キャンペーンに夢中なのか
 つねに「敵」を必要としてきた国

『読書の全技術』
 読書を武器にする--アウトプットの全技術
  アウトプットを意識した読書を心がけよう
  本に触れながら話す習慣がコミュニケーション能力を高めていく
  読書を重ねることで「コメント力」を身につける
  「コメント力」と「質問力」の組み合わせで会話の中身をより深化させよう
  本を読みながら読書することで、さらに「質問力」を向上させる
  「雑談力」の源は、多くの本に触れ、知的な言葉づかいを身につけることにある
  著者が渾身の力を込めて書いたものを読み、「一を知って十を知る力」をつける
  一分で相手の心をキャッチするキーワードを読書によって身につける
  しっかりとした言語能力と思考力を身につけた人は、アウトプット能力もインプット能力も優れている
  概念を言語化する能力が「現実を変える会話」を生む
  自分の世界の外側を知る努力を続けると、刷新力が高まっていく
  幅広い読書で全体を見る目を養い、「システム・シンキング」を身につける
  本で学んだ新しい概念が新しい役割を生んでいく
  読書で新しい概念を仕入れ、活用することで、自分の提案力をより高めていく
  読書によって「概念変換法」を身につけると、文化を変える新たな概念が手に入る
  「これ知ってます」で終わらせない読書が、「概念活用法」の獲得につながっていく
  本を読んで基礎力を上げていけば、自らの仕事環境も快適になっていく
  デザインシートをつくって、フォーマット思考法を身につけよう
  読書で経験と言葉を結びつける力をつけ、チームをけん引する能力を磨く

『現代地政学』
 地政学をナショナル・アイデンティティに埋め込む
  民族(国民):地政的慣行と表象における不可欠な要素
  誤用された)用語
  ナショナリズムの地政学Ⅰ:ナショナル・アイデンティティの構築
  ナショナリズムの地政学Ⅱ:「民族浄化」のプロセス
  事例研究:チェチェン共和国
  ジェンダー、ナショナリズム、そして地政的コード
  ナショナリスト神話の類型と地政的コード
  二元論を解体する
  事例研究:ミャンマー--単一の国民国家を目指す軍事国家
  本章のまとめと次章に向けて
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未唯空間 大分類の見直し

8.販売店
 8.1 販売店要望
  8.1.1 店舗コミュニティ
  8.1.2 簡単に使える
  8.1.3 お客様状況把握
  8.1.4 お客様とつながる
 8.2 データ活用
  8.2.1 データ集約
  8.2.2 フローデータ
  8.2.3 ストックデータ
  8.2.4 データベース
 8.3 メーカー要望
  8.3.1 クルマ状況把握
  8.3.2 お客様とつながる
  8.3.3 販売店を活かす
  8.3.4 地域とつながる
 8.4 いい町・いい社会
  8.4.1 声を聴く
  8.4.2 ナレッジ
  8.4.3 チーム活動
  8.4.4 エンパワーメント
 8.5 情報共有
  8.5.1 共有基盤
  8.5.2 データ活用
  8.5.3 ポータル
  8.5.4 コラボレーション
 8.6 コミュニティ
  8.6.1 分化促進
  8.6.2 支援体制
  8.6.3 意識変革
  8.6.4 知識の力
 8.7 メーカー存続
  8.7.1 存続条件
  8.7.2 販売店活用
  8.7.3 ソーシャル接続
  8.7.4 マーケティング
 8.8 クルマ社会
  8.8.1 地域の意識
  8.8.2 地域インフラ
  8.8.3 環境社会
  8.8.4 サファイア

9.環境社会
 9.1 地球規模課題
  9.1.1 課題の確認
  9.1.2 国の対応不可
  9.1.3 地域を圧迫
  9.1.4 地域から発想
 9.2 サファイア循環
  9.2.1 4つの役割
  9.2.2 地域支援
  9.2.3 地域が主体
  9.2.4 新しい民主主義
 9.3 サファイア機能
  9.3.1 4つの機能
  9.3.2 地域起点の循環
  9.3.3 地域インフラ
  9.3.4 合意形成
 9.4 多様化に対応
  9.4.1 多様化を促進
  9.4.2 共有環境
  9.4.3 コンパクト
  9.4.4 政治に反映
 9.5 グローバル化に対応
  9.5.1 グローバル化
  9.5.2 超国家
  9.5.3 価値観
  9.5.4 日本のシナリオ
 9.6 共有意識を育成
  9.6.1 市民の分化
  9.6.2 共有意識
  9.6.3 エンパワーメント
  9.6.4 権限移譲
 9.7 分化と統合
  9.7.1 LAN/WAN
  9.7.2 分化と統合
  9.7.3 企業を変える
  9.7.4 行政を変える
 9.8 環境社会
  9.8.1 持続可能性
  9.8.2 生活者スタイル
  9.8.4 地域が儲かる
  9.8.3 高度サービス

10.次の世界
 10.1 多くの人が生きられる
  10.1.1 多くの人がいる
  10.1.2 分化を育成
  10.1.3 分化を伝播
  10.1.4 市民が社会をつくる
 10.2 環境哲学を変える
  10.2.1 哲学は意識に関与
  10.2.2 自由を求める
  10.2.3 存在の力で意識を変える
  10.2.4 自由の意識
 10.3 新しい民主主義
  10.3.1 持続可能性
  10.3.2 国民国家の限界
  10.3.3 資本主義を変える
  10.3.4 サファイア革命
 10.4 変化の様相
  10.4.1 周縁から変わる
  10.4.2 状況把握で活性化
  10.4.3 情報共有で活性化
  10.4.4 統合機能を再構成
 10.5 歴史が変わる
  10.5.1 組織を再構成
  10.5.2 市民主体社会
  10.5.3 環境社会に対応
  10.5.4 人類のエポック
 10.6 個人=超国家
  10.6.1 つながるために
  10.6.2 放り込まれた存在
  10.6.3 点が集合で集合が点
  10.6.4 個人と組織が一体
 10.7 全てを知る
  10.7.1 先に進める
  10.7.2 存在を確認
  10.7.3 何を知っているか
  10.7.4 問われれば応える
 10.8 存在の無へ
  10.8.1 自己肯定
  10.8.2 偶然を生かせたか
  10.8.3 役割を果たせたか
  10.8.4 さいごまで生きる
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未唯空間 大分類の見直し

5.仕事
 5.1 夢をカタチに
  5.1.1 3部門
  5.1.2 システム設計
  5.1.3 夢を叶える
  5.1.4 活用技術
 5.2 サファイア循環
  5.2.1 考える
  5.2.2 行動する
  5.2.3 企画する
  5.2.4 モノつくり
 5.3 販売店環境
  5.3.1 ネットワーク
  5.3.2 コミュニティ
  5.3.3 情報共有
  5.3.4 循環
 5.4 お客様環境
  5.4.1 状況把握
  5.4.2 情報共有
  5.4.3 支援
  5.4.4 クルマ社会
 5.5 システム設計
  5.5.1 メッセージ
  5.5.2 意思決定
  5.5.3 コンテンツ
  5.5.4 ネットワーク
 5.6 要望を叶える
  5.6.1 要望を聴く
  5.6.2 社会変化に対応
  5.6.3 お客様とつながる
  5.6.4 使えるシステム
 5.7 地域を支援
  5.7.1 意識変革
  5.7.2 市民の分化
  5.7.3 地域コミュニティ
  5.7.4 インフラ支援
 5.8 いい社会
  5.8.1 サファイア社会
  5.8.2 地域と接続
  5.8.3 いい社会
  5.8.4 クルマ社会

6. 本・図書館
 6.1 本と図書館
  6.1.1 関わり
  6.1.2 多読で分化
  6.1.3 図書館のカタチ
  6.1.4 図書館に提案
 6.2 思いを伝える
  6.2.1 世界観をつなぐ
  6.2.2 思いをつなぐ
  6.2.3 知識インフラ
  6.2.4 共有意識
 6.3 公共図書館
  6.3.1 社会を知る
  6.3.2 生活と一体
  6.3.3 読める環境
  6.3.4 図書館を守る
 6.4 コミュニティ
  6.4.1 ミッション
  6.4.2 知識と意識
  6.4.3 知識を得る
  6.4.4 意識を得る
 6.5 図書館コミュニティ
  6.5.1 コラボレーション
  6.5.2 ポータル
  6.5.3 ネットワーク
  6.5.4 知の空間
 6.6 情報センター機能
  6.6.1 知の入口
  6.6.2 コミュニティ支援
  6.6.3 学習支援
  6.6.4 意思決定支援
 6.7 情報センターを拡大
  6.7.1 知識社会
  6.7.2 大量情報処理
  6.7.3 クラウド
  6.7.4 リテラシー
 6.8 図書館の未来
  6.8.1 今を知る
  6.8.2 知の体系
  6.8.3 未来を知る
  6.8.4 シナリオ

7. 生活
 7.1 考える
  7.1.1 独りぼっち
  7.1.2 好奇心
  7.1.3 ツール
  7.1.4 時間
 7.2 内なる生活
  7.2.1 外なる生活
  7.2.2 ミッション
  7.2.3 内なる生活
  7.2.4 三つの役割
 7.3 社会に向かう
  7.3.1 独我論
  7.3.2 夢はかなう
  7.3.3 社会を見る
  7.3.4 未来を描く
 7.4 存在の力
  7.4.1 分化する
  7.4.2 発信する
  7.4.3 力を認識
  7.4.4 全体を考える
 7.5 未唯空間
  7.5.1 まとめる
  7.5.2 生活スタイル
  7.5.3 行動する
  7.5.4 考え抜く
 7.6 未唯空間を展開
  7.6.1 サファイア
  7.6.2 エッセイ
  7.6.3 社会ライブラリ
  7.6.4 生き方
 7.7 全てを知る
  7.7.1 全てを知る
  7.7.2 全てを表わす
  7.7.3 思いを残す
  7.7.4 未来を知る
 7.8 変える
  7.8.1 新しい数学
  7.8.2 会社を変える
  7.8.3 歴史を変える
  7.8.4 無為
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未唯空間 大分類の見直し

1.自分
 1.1 存在と無
  1.1.1 孤立と孤独
  1.1.2 真理を探究
  1.1.3 空間認識
  1.1.4 内なる世界
 1.2 考える
  1.2.1 もう一人の私
  1.2.2 夢を語る
  1.2.3 偶然は味方
  1.2.4 生きること
 1.3 存在する
  1.3.1 宇宙の旅人
  1.3.2 考え続ける
  1.3.3 外なる世界
  1.3.4 社会を分析
 1.4 社会構造
  1.4.1 社会につぶやく
  1.4.2 現象を分析
  1.4.3 働きかけ
  1.4.4 サファイア循環
 1.5 内なる世界
  1.5.1 独我論
  1.5.2 考え抜く
  1.5.3 まとめる
  1.5.4 無にする
 1.6 未唯空間
  1.6.1 情報を分類
  1.6.2 空間を表現
  1.6.3 関係を表現
  1.6.4 サファイア表現
 1.7 社会の位相化
  1.7.1 存在の力
  1.7.2 情報共有
  1.7.3 コミュニティ
  1.7.4 社会変革
 1.8 全てを知りたい
  1.8.1 全てを知る
  1.8.2 全てを表わす
  1.8.3 多くの人が生きられる
  1.8.4 歴史を変える

2.数学
 2.1 数学は空間を規定
  2.1.1 真理は不変
  2.1.2 空間をつくる
  2.1.3 空間解析
  2.1.4 社会を規定
 2.2 空間モデル
  2.2.1 空間認識
  2.2.2 モデル
  2.2.3 複雑性
  2.2.4 サファイアモデル
 2.3 空間から未来を見る
  2.3.1 モノから抽象化
  2.3.2 次元の呪い
  2.3.3 数学が独立
  2.3.4 未来を予測
 2.4 部分から全体を知る
  2.4.1 部分から発想
  2.4.2 販売店に適用
  2.4.3 社会に適用
  2.4.4 社会を規定
 2.5 サファイア循環
  2.5.1 4つの役割
  2.5.2 4つの機能
  2.5.3 近傍を規定
  2.5.4 位相を規定
 2.6 空間の位相化
  2.6.1 生活規範
  2.6.2 現象分析
  2.6.3 空間解析
  2.6.4 位相化の流れ
 2.7 新しい数学
  2.7.1 空間をつくる
  2.7.2 多層化
  2.7.3 点が集合で集合が点
  2.7.4 周縁から変革
 2.8 部分が全体と一致
  2.8.1 存在の力
  2.8.2 エンパワーメント
  2.8.3 社会の位相化
  2.8.4 LL=GGの世界

3.社会
 3.1 社会を知りたい
  3.1.1 生活している
  3.1.2 動きが見えない
  3.1.3 情報を入手
  3.1.4 地域から見る
 3.2 地域との関係
  3.2.1 行政に関与
  3.2.2 ボランティアから見る
  3.2.3 トポロジーで解析
  3.2.4 環境社会に変わる
 3.3 環境社会モデル
  3.3.1 ハメリンナの取組み
  3.3.2 地域の活動
  3.3.3 行政と協働
  3.3.4 地域を支援
 3.4 地域起点の循環
  3.4.1 動脈系の分配
  3.4.2 権限移譲の条件
  3.4.3 静脈系の循環
  3.4.4 地域行動の条件
 3.5 地域インフラ
  3.5.1 クライシス想定
  3.5.2 存在の力
  3.5.3 地域でエネルギー確保
  3.5.4 地域インフラ構築
 3.6 コミュニティ
  3.6.1 意識と知識
  3.6.2 環境社会
  3.6.3 情報共有
  3.6.4 状況把握
 3.7 情報共有
  3.7.1 サファイア循環
  3.7.2 マーケティング
  3.7.3 協働
  3.7.4 ソーシャル
 3.8 社会の位相化
  3.8.1 地域インフラ
  3.8.2 自律
  3.8.3 ソーシャル
  3.8.4 社会の位相化

4.歴史
 4.1 国民国家
  4.1.1 全体主義
  4.1.2 共産主義
  4.1.3 グローバル化
  4.1.4 多様化
 4.2 歴史認識
  4.2.1 国民国家の成立
  4.2.2 歴史哲学
  4.2.3 歴史の未来
  4.2.4 歴史は加速
 4.3 ポスト国民国家
  4.3.1 国を超える
  4.3.2 自由を守る
  4.3.3 分配から支援
  4.3.4 情報共有
 4.4 幸せな社会
  4.4.1 幸せになれる
  4.4.2 動きをつかむ
  4.4.3 国家のあり方
  4.4.4 持続可能性
 4.5 未来方程式
  4.5.1 意思の力に依存
  4.5.2 意思決定
  4.5.3 知の共有
  4.5.4 存在の力で進化る
 4.6 歴史哲学
  4.6.1 支配
  4.6.2 自律
  4.6.3 分化
  4.6.4 統合
 4.7 市民主体
  4.7.1 市民主体
  4.7.2 支援体制
  4.7.3 国家形態
  4.7.4 国家連合
 4.8 歴史の到達点
  4.8.1 コミュニティ連携
  4.8.2 環境社会
  4.8.3 地域の自律
  4.8.4 歴史の到達点
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マクドナルドのスタッフは変われるか

相談

 席に居ると息が詰まるということでした。1時間半、話していたんだ。何か、いつも短く感じます。8月はあと4日しかない。焦りますね。

崩壊のシナリオ

 そろそろ、作りましょう。マクドナルドのようになる可能性はあるけど、扱っているモノが日常的なモノでないから、様相は異なるのでしょう。

 マクドナルドは完全に、コンビニと他業種の間に挟まれてしまっている。マックカフェとか、高級路線を試行しているけど、同じところでフライドポテトをやっていては、成り立たないでしょう。高級路線を出しているけど、そういうものにニッチできるかどうか。販売店が使い分けることができるかどうか。

 高級車専門店については、本当に成功したかどうかは今後の事でしょう。JALのファーストクラス路線では儲からないでしょう。チグハグなモノになってしまう。

 崩壊のシナリオは、やはり、ハイパーインフレで、お金を持っている人が分離される可能性があります。

 都市には車は主要交通手段ではない。それも、電動になれば、軽いものを選ぶことになります。駐車場とか、専用レーンなどのインフラから締め出されてくる。それ相当の負担を公共から要求されてくる。

 中国は一気に様相が変わる可能性が高い。元々、持てるような様相ではないのに、不釣り合いな富裕層が出てきて。高級うアパートのように、買ったり、売ったりの世界になっている。ちょっと、条件が変われば、変わってしまう。国内でどうしていくかがハッキリしていない。先が見通せない。

マクドナルドのスタッフは変われるか

 マクドナルドはやはり、スタッフから変わらないと先がない。バイトがマックで働くことで、就職が変わるような雰囲気をどう作っていくのか。

 来店したお客さんが、ここでバイトしたいよねと思えるような、お客様との接触したカタチです。元々、「スマイル=0円」はあったけど、ターゲットを変えたことで、それがなくなってしまった。グローバル企業での締め付けが、ローカルでの文化を潰してしまった。

 スタバとかセブンイレブンカフェがあり、それに対抗する武器を持っていない。単なるグローバル企業というだけ。コーヒーだけなら、愛嬌はないけど、マシンと豆のコンビニがある。

 まずは、スタッフのネームプレートを大きくすることです。知ってもらうことです。お客様の興味にあることをスタッフが示すことです。そのためには、スタッフ教育が重要になります。お客様に接する教育には、スタバの半分の35時間ぐらいは必要です。

 存在の力からすると、全員参加型のバイトです。ある時期にバイトをして、就職しても、いつも、心がマクドナルドにあるカタチです。

チキンラーメンのトートバック

 それにしても、チキンラーメンのキャラクターが似合う64歳というのはどういうもんなんですか。

 未唯の分も探しましょう。

名古屋の成果

 第5章社会編は穏やかに回っている感じです。

 名古屋へ来た、最大の成果はサファイアです。その答えのうちの一部だけを実現しました。全体は単にメーカーを変えるだけでは済まない。市民の意識を変えて、自立させて、全体を変えていく。そのためのシナリオが必要だということで、そちらに向かっています。

 これも名古屋の成果です。この環境そのものはかなり、ネガティブです。研究開発に比べると、自分の生活を守ることを中心に動きます。だから、現場が見えてない分だけ、邪魔されずに済みます。サファイアを見つけたことで、ここでの仕事は終わったんです。

 全部を見えるカタチに出していくしか、そして、関係する人が徐々に変えていくことで、日本全体を変えていくしかない。その意味では、私がやっていることは正義です。狭い範囲で行動するよりも、大きな範囲で考えて、そこで起こっていることから、それぞれを変えていって、方向づけていく方がはるかにターゲットに近くなります。

宗教と革命

 意思の力に支配された世界から、存在の力でそれぞれが変わっていくには、モノつくりは役に立たない。それを為し得たのは、宗教と革命です。ムスリムは奥さんを含めた、70人の理解者から始まった。あとは時間です。時間と意識をどう関わっていくのか。偶然をどう生かすのか。

 ムスリムも追われた時に、ハトの巣とクモの糸でもって、洞窟に隠れた。捕まったらおしまいです。偶然はそれをさせなかった。鈍感な鳩と手抜きの蜘蛛だったんでしょう。

歴史の研鑽

 未唯空間4.4で未来方程式を出すと、あとが続かないですね。順番が非常に難しいですね。歴史はもっと研鑽を積まないといけない。各国の個々の状況とは言わないけど、多様性をどう表現するのか、同時に統合のところの地政学みたいなものも入れ込まないといけない。

 歴史哲学もヘーゲルのように、東洋とギリシャ・ローマ・ゲルマンなどの歴史からポイントアウトすると同時に、存在の力を前提とした時に、どうなるのかというシミュレーションを入れ込まないといけない。

 ただ、マーケティングとか行政とかに入り込まないで、歴史の観点で、構造がどうなっていくのかを追求することです。自分のミッションである、全体を見て、先を考えるという部分を明確にすることです。何しろ、サファイアという答えは出ているのだから。

歴史のなかの循環

 歴史に中に、持続可能性、つまり、循環をどう入れるか。あるとしたら、分化と統合のところの統合の部分です。持続可能性にはローカルとグローバルの循環が前提だという部分が言葉になっていません。

 民主主義、フランス革命が歴史のターニングポイントであったと同様に、本来の市民主体の転換点が4.7になります。
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読書することで「質問力」を向上させる

エドガール・モラン『複雑性とは何か』が出てきた。20年前に感銘を受けた本です。LAPLにはなかった。

『読書の全技術』より 読書を武器にする--アウトプットの全技術

「コメント力」と「質問力」の組み合わせで会話の中身をより深化させよう

 歴史上で質問の達人といえば、ソクラテスの名が挙がります。彼は質問することで相手に考えさせ、持っている知識を引き出し、真理を発見するのを助ける産婆術(問答法)で人々を覚醒させていったとされています。

 人々に、たとえば「徳とは何か」「正義とは何か」などと質問を投げかけ、実は知っていると思い込んでいただけで本当は知らなかったということを自覚させ、真理とは何かを考えさせたのです。

 つまり、質問には会話の中身を深化させるパワーがあるのです。

 そもそも会話は一方通行では成立しません。お互いに言葉のキャツチボールをすることで、徐々に深まっていきます。


 いくらコメント力があるからと言って、一方的にしやべっていては相手の気持ちを自分に向けさせることはできないでしょう。質問するという積極的な行為によって相手に働きかけ、コミュニケーションを深めていくべきなのです。

 たとえば話題を見つけるための質問と、話題を掘り下げる質問を上手に使い分けると、会話が弾みます。

 初めて会った人との会話は雑談から入ることが多いものですが、たとえば話題を見つけるための質問〔例‥休みの日は何をして過ごしているんですか?〕から入ります。

 そこで、相手が答えます〔例‥テニスです〕。

 その答えに、さらに掘り下げる質問を重ねます。

 こうして相手の情報を得ながら、さらに次に何を話すかを探っていくわけです。

 ただし、聞いてみただけの質問(「抽象的」かつ「どうでもいい」質問)をしないように気をつける必要があります。そんなことをしたら、相手はたちまちあなたとの会話に興味を失ってしまうでしょう。

 こうした質問力や前述したコメント力は、今の時代では非常に重要な力となっています。

 特にビジネスの場では、一〇秒から一五秒でさっと提案して、相手の反応を見て、また提案するというテクニックが求められます。

 そのためには、コメント力と質問力の二つを組み合わせ、織りなしていく能力を鍛えなければなりません。

本を読みながら読書することで、さらに「質問力」を向上させる

 たとえば、会議の席でただ話を聞いていても、本質をつかむことはできません。聞いているばかりでは、耳から流れ込んでくる情報を整理できないからです。

 その結果、「質問はありませんか」と言われても何も質問が頭に浮かばない、あるいは聞かれてから質問を考えはじめるという人が多いのではないでしょうか。

 しかし、それではとても会議の場で説得力のある発言などできないでしょう。

 そこで、話を聞きながらメモをとる習慣を身につけることをおすすめします。

 話を聞きながら、次に何を言おうか、何を質問しようかと考え、キーワードをメモしていくのです。それを繰り返していくことで、あなたの「質問力」は確実に向上していきます。

 そうすれば、「あなたはどう思いますか」と振られたときにもすぐに答えられるようになります。そうなればしめたもの。会議に参加した人たちの関心をぐっと引きつけ、自分の発言に耳を傾けさせることができるようになります。

 この能力は会議の席だけで発揮される能力ではありません。

 たとえば営業のときなどに、適切な質問をすることで、相手の関心をひきつけ、次の会話へとつなげていくこともできます。

 ちなみに、メモを上手にとるには活字慣れしておくことが求められます。そこで読書の習慣が力を発揮します。

 本を読んで活字に慣れていると、メモすることが苦にならなくなってきます。文字を読み、その内容を理解し要約するための基礎訓練ができているからです。

 余談ですが、監督として唯一「UEFAチーム・オブ・ザ・イヤー」に四度も選ばれているジョゼ・モウリーニョというサッカー監督は、試合中にメモをとりまくり、そのメモをもとに、ハーフタイムに選手たちに指示を出すことで知られています。

 前半が終わった時点で相手の戦術を見切って、後半どういうふうに対処するかを指示するとき、前半に書き込んでいたメモが活用されるわけです。

 モウリーニョは選手としては目立った活躍はできませんでした。ワスボン工科大学でスポーツ科学を学び、体育教師から指導者としてのキャリアをスタートさせ、ついにはビッグクラブを率いるまでに至ったのです。

 彼は、チームを率いるにあたってのテーマは、フランスの哲学者エドガール・モランの著書から学んだ「複雑性」だと言っています。

 彼は常に本を読み、学び、メモをとってきました。それが、彼の判断力を磨き、世界最高の指揮官の一人と目されるまで成長させたのです。
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毛沢東思想を信奉し、毛沢東路線を継承している村

『現代中国を読み解く』より なぜ江沢民は反日キャンペーンに夢中なのか

理想郷をつくりあげた中共党に憧憬の念を抱いたものだった。同じ人たちが今日の中共党を見るとき、立ち戻ることのできない青春の夢がまたひとつ潰えたのだと思い、なぜこんなことになってしまったのかと考え込むこともあるにちがいない。

小平の取り引きにはじまったと私は思っている。

だれもが知るように、は毛沢東がやってきたことをすべて綺麗さっぱり捨ててしまった。

の「改革・開放」がはじまってからも、すでに二十年がたつから、かれがなにを捨ててしまったか、即座に思いだすことができない人もいるかもしれない。

幸いなことに、毛沢東思想を信奉し、毛沢東路線を継承している村が中国にいまなおある。この村を見れば、中国からなくなってしまったもの、私たちが忘れてしまったものを思いださせてくれる。

この村は河南省の鄭州市の南にある。南街という村だ。

この村を訪ねた人がまず驚くのは、広場にある巨大な毛沢東の石像だ。台座には「人民のために服務せよ」と毛沢東の字が刻まれている。中国全土にあれだけあった毛の像はいずれも撤去してしまったにもかかわらず、この村では、わざわざ一九九三年に新たに建造した。

今年(一九九九年)の新の正月、この村で結婚式がおこなわれた。三五組の男女が公会堂に集まった。かれらは「東方紅」を歌い、毛沢東の肖像画に頭を下げた。村役場からの贈りものは紅い小冊子「毛語録」だった。

この村では民兵も健在である。公会堂に近い一角では、一五〇人ほどの十代の男女が軍事教練をしている。

この村の朝は、スピーカーからの「偉大なる舵取り、毛主席」の歌ではじまる。文革時代に流行った歌だ。共産党の宣伝と作業命令を伝えたスピーカーも、現在はあらかたの町や村から消えてしまった。

村の小学生が暗記させられるのは、これまた懐かしい「老三編」である。「ベチューンを記念する」「愚公山を移す」「人民に奉仕する」の三つの文章であり、文革中には、子供も、大人も学ばされたものだ。南街では、どこの家にも、毛沢東のこれらの著作が並べられ、かれの写真が飾られている。

さて、現在はどこの村でも、農業は請負い制だ。各農家に耕地を分けてしまっている。ところが、南街には生産隊があり、集団で農業をしている。南街にはいくっもの企業があるが、これも村が所有し、村の経営である。

南街の住民の私有財産は衣類と自転車、台所用品しか認められていない。画一の3LDKのアパートに住み、面二の家具、カーテン、テレビ、電話が供給されている。小学校の教育費と医療費は無料だ。結婚、葬式の費用も村の負担だ。小麦粉もただで配給される。水も、電気もただだ。ビールも、映画の切符も村から配られる。余暇には「紅灯記」や「白毛女」といった「革命模範劇」を村内の演芸隊が上演する。

真面目に働かない者、自由気倦に振る舞う者、私利を図った者には、これらの権利が与えられない。だれも一ヵ月に二五〇元以上を稼ぐことは許されないし、娘たちはアイシャドーをつけたり、髪を染めたりすることは許されない。

村民にたいしては、十点制の審査がある。その昔の運動を思いだす。正しい政治思想を持つことにはじまり、生産のノルマを果たすまでの「五好」運動だ。当然ながら自己批判もしなければならない。全員が集まっての反省会で、成績の悪い者は自己批判をさせられる。悪質な者は黄色いチョッキを着せられ、建設現場で働かされている。

道路にはごみが落ちていない。むろんのこと、夜総会やディスコ、カラオケ・バーはない。この村の支配者である党書記は、村には売春婦がいない、ニワトリ一羽盗まれたことがないと胸を張る。

現在、この南街村でおこなわれているすべてのものを、小平は放りだしてしまった。どうしてそれができたのかを語らねばならないのだが、さらに寄り道をして、南街村についてもう少し述べておきたい。

じつは毛沢束思想を学習、実践している、この南街村は周囲の村から羨ましがられる金持ち村なのだ。中国内陸部といえば貧しいの同義語となっているが、南街村は貧しい河南省でトップの富裕村である。

村の人びとが集団制を守り、私を捨てて、公に尽くしての繁栄なら、文革中の「ヤラセ」の大秦村ではなく、これこそホンモノの毛亡きあとの大秦村であろう。

もちろん、麦作に頼るだけでは、河南第一の村にはなれない。企業意欲に燃える、この村の党書記がはじめたインスタントラーメンの生産が当たりに当たり、全国に売れ、二十四時間三交代制で操業しているからなのである。ビール、カラープリント、包装材料をつくる二十幾つもある村営工場もそれなりに利益をあげて、この村の繁栄につながっている。
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自転車通勤5割以上を目ざすコペンハーゲン

2004年にコペンハーゲンまで出掛けて、レベルの高さは経験している。

『自転車まちづくり』より 世界最先端の自転車計画とネットワーク 世界の自転車計画から学ぶ

コペンハーゲンの自転車計画(2011年)の特徴は、第1に、「世界最良の自転車都市」になることである。第2に、この目的のために、多岐にわたる目標値を設定していることである。第3に、その目標値の設定が高い水準であり、しかも、今後より高く設定しようとしていることである。

(1)目ざすなら世界最良の自転車都市

 コペンハーゲンは、世界最良の自転車都市(決してone of the best citiesではなく、唯一のthe best city である)を目ざして、絶えず自転車施策を高度化している。これは、ここまででよいというものではない。これからも絶えずこれ以上を目ざす必要かおり、これにより、世界の自転車都市の間の競争に勝つこと、そのために継続して自転車政策をレベルアップすることを意味している。2002年の計画では、表10・5のように、自転車通勤割合を40%に増加させるとしていたが、2011年の計画では、表10・6のように、目標を50%にした。ヨーロッパの都市で通勤・通学時の自転車分担率が40%を超える都市はないため、この50%は未知の領域であるとしている。しかし、この目標を含めて表5のような目標を掲げて、世界最良の都市を目ざして、継続して自転車政策を展開しようとしているのである。

 2011年の計画を、2002年の自転車政策と比較してみると、より多くの項目について数値目標が設定されていること、期間を段階的に区切ってより詳細に設定されていることがわかる。この目標はかなり具体的で、単なる目標値ではなく、次の各論の施策に直接リンクしている点が特徴である。

(2)目標達成のための施策を提示

 コペンハーゲンの自転車戦略2025にかがけられている具体策は、おおむねこの目標に沿うように設定されていて、わかりやすい。目標の設定とこのための施策の対応を計画に基づき整理すると表となる。

 これらのなかで特徴的な施策をピックアップして、例示する。まず、3車線の自転車道や自転車専用通行帯(レーン)である。通勤・通学を支えるために主要幹線の自転車走行空間を拡幅し、多くの自転車交通量とスピード差による追い越しなどを可能とするものである*5.

 自転車の目標で50%の分担率を達成するために新たに5万5000人に自転車による通勤・通学をさせることになるが、さらにこれに誘引するような施策の努力が必要である*6.すなわち、時間の短縮のために橋梁やショートカットの区間、高齢者や学校へのルートのボトルネックの解消などを積極的に行う。また、後ろに荷物や子どもを乗せる車両を連結した自転車を収容するための駐輪施設の供給、自転車による買い物の奨励と大型店ショッピングセンターでの駐輪施設の提供の要請などを行う。まちづくりとして、自転車はもっともスペースを必要としない移動手段であるため、都市生活により多くのスペースを生み出すことを組み込んだ自転車まちづくりも進めることができる。

 以上のように、さまざまな形で参考になりそうな先進的な内容が含まれている。

 日本では、すでに、各地で自転車都市または自転車のまちを標榜する地方公共団体が増加している。これがどんどん増えていくことはよいことではあるが、横並びを意識しすぎて、他との差別化をどのようにするのかが課題である。

 もし、地球環境や健康を改善するために自転車を推進するとすれば、それは、50年100年以上のオーダーの施策展開である。そうだとすると、息の長い自転車まちづくりは、時代の変遷を乗り越えて、また、環境の変化を取り入れて地域の環境に根ざした個性のあるものが必然的に要求されることになる。他と同じようなコンセプトや方針、内容という魅力に乏しいものであってはならない。

 自転車施策はわくわくするような内容があってこそ自転車は活用されるのである。
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