未唯への手紙

未唯への手紙

未唯空間見直し 10.次の世界

2014年08月20日 | 1.私
10.1 多くの人が生きられる

 10.1.1 多くの人がいるメリット
  1.内なる世界を持つ
  2.皆の思いに範囲を拡げる
  3.自分を多様化する
  4.多くの人が生きられる

 10.1.2 個人の分化を育成
  1.情報共有の拠点
  2.メッセージを集約・発信
  3.コミュニティで分化
  4.社会の流れをつくる

 10.1.3 分化を伝播
  1.企業:高度サービス化
  2.組織:多様化に対応
  3.行政:市民と協働
  4.国:グローバル化に対応

 10.1.4 市民が社会をつくる
  1.発言から組織の分化
  2.市民コミュニティをつくる
  3.情報共有から状況把握
  4.コミュニティで意思融合

10.2 環境哲学を変える

 10.2.1 哲学は意識に関与
  1.ソクラテス、デカルト、ルソー
  2.ベンサム、アダム・スミス、ロック
  3.カント、ヘーゲル、ニーチェ
  4.フッサール、ハイデガー

 10.2.2 ヘーゲルは自由を求める
  1.意見を述べることから始まる
  2.意見が述べられる情報共有環境
  3.共有意識で新しい行政
  4.社会インフラはコンパクト化

 10.2.3 歴史哲学で意識を変える
  1.組織に依存できない
  2.地球規模課題に対応
  3.情報共有が変革のトリガー
  4.社会が変わる意識をもつ

 10.2.4 歴史が変わる
  1.大丈夫という錯覚
  2.企業はモノつくり
  3.企業の意識から変えていく
  4.多様な世界観をアピール

10.3 新しい民主主義

 10.3.1 持続可能な社会
  1.サファイア循環を動かす
  2.依存体質から脱却
  3.パートナーの役割
  4.政治に参画

 10.3.2 国民国家の限界
  1.137億年の歴史
  2.国民国家に至った
  3.国民国家の限界を地域が救う
  4.ローカル起源の循環

 10.3.3 資本主義が変わる
  1.社会保障は破綻
  2.存在の力の民主主義
  3.資本主義を凌駕
  4.中央集権から位相化

 10.3.4 新しい民主主義
  1.サファイアのゆっくり革命
  2.複雑性で周縁から変革
  3.拡大する議論方式
  4.革命を維持する教育

10.4 社会の位相化

 10.4.1 周縁から全体を変革
  1.周縁と中核の位相
  2.ローカルから宇宙を感じる
  3.内なる世界で全てを表現
  4.情報共有で世界をつなぐ

 10.4.2 状況把握で活性化
  1.状況を把握して、カーシェア展開
  2.共有資源のコラボ革命
  3.企業ソーシャルで活性化
  4.お客様主導のマーケティング

 10.4.3 情報共有で活性化
  1.地域コミュニティの情報共有
  2.グーグル発想で分配
  3.いい町・いい社会
  4.持続可能な都市をつくる

 10.4.4 統合機能を再構成
  1.産業支援で統合機能支援
  2.クラウドでインフラ再構築
  3.超国家でアジア支援
  4.国際の連携で平和をもたらす

10.5 歴史が変わる

 10.5.1 組織をつくる
  1.宗教でまとめる
  2.カリスマに権力を集中
  3.自由を求めて国民国家
  4.意思の力で組織は作られる

 10.5.2 市民をつなぐ
  1.国民国家と民主主義が変わる
  2.空間認識が社会を変える
  3.市民に武器を与える
  4.ITツールが歴史を変える

 10.5.3 存在の力を発揮
  1.環境社会に対応するミッション
  2.歴史はコード化で加速
  3.存在の力で生き残り
  4.ネットと情報共有で市民参加

 10.5.4 分化と統合
  1.宇宙の歴史に区切り
  2.人類は存在の力を試される
  3.超コンパクトな社会
  4.歴史の循環のビッグバン

10.6 個人=超国家

 10.6.1 LLとGGをつなぐ
  1.個人の分化状態を把握
  2.コミュニティで知識と意識
  3.地域インフラを構築
  4.理念に基づく環境社会

 10.6.2 放り込まれた存在
  1.存在の意味
  2.存在の力を強さにする
  3.宇宙の果てに並ぶ自分
  4.多重宇宙に存在する

 10.6.3 点と集合がつながる
  1.お客様と企画を直結
  2.集合が点になる新しい数学
  3.個人と全体がつながる社会
  4.地域主体が歴史の変節点

 10.6.4 個人と組織を一体化
  1.国民国家でローカルを分化
  2.コミュニティを行政が支援
  3.コミュニティと超国家の関係
  4.個人とコミュニティの関係

10.7 全てを知る

 10.7.1 先に進む
  1.知ることで存在を確認
  2.問われれば、全てに応える
  3.超人として、山を下りる
  4.全てを知り、次の頂に向かう

 10.7.2 存在を確認
  1.歴史の分岐点にいる
  2.知ることは存在そのもの
  3.偶然が示唆したものを知りたい
  4.存在の力から先を知る

 10.7.3 空間でまとめる
  1.数学体系でLL=GGに至る
  2.情報共有が公共意識につながる
  3.存在と無が未唯空間に帰結
  4.サファイアで社会の位相化

 10.7.4 問われれば応える
  1.未唯空間で表す
  2.情報源を拡大
  3.未唯空間が分化そのもの
  4.内なる世界で全てをつなぐ

10.8 存在の無へ

 10.8.1 自己肯定
  1.孤立と孤独から
  2.存在と無で宇宙とつながる
  3.内なる世界で真理を求める
  4.放り込まれた存在で生きる

 10.8.2 偶然を生かす
  1.数学・歴史・哲学の交差
  2.偶然は私のために準備
  3.考え抜いて、先が見えてきた
  4.絶対的存在

 10.8.3 数学者の役割
  1.宇宙の旅人からマルチバース
  2.内なる世界から社会を見る
  3.近傍系のアイデアを拡大
  4.社会の位相化で歴史の分岐点

 10.8.4 さいごまで生きる
  1.大いなる意思の力
  2.時間と偶然が与えられた
  3.自己肯定のために全てを知る
  4.さいごはどうでもいい

未唯空間見直し 9.環境社会

2014年08月20日 | 3.社会
9.1 地球規模課題

 9.1.1 課題に対応
  1.環境問題と捉える
  2.コンパクト化を望む
  3.社会格差が拡大
  4.コンパクトな生活

 9.1.2 対応不可
  1.25%削減の束縛
  2.多様なエネルギー対応
  3.地域で循環させる
  4.国の方針は不明確

 9.1.3 地域を圧迫
  1.廃棄物をどこに回す
  2.リサイクルから共有
  3.静脈系の流れをつくる
  4.高齢者問題は人生の静脈系

 9.1.4 地域から発想
  1.原発の限界を露呈
  2.エネルギーは地域分散
  3.地産地消エネルギー
  4.スマートグリッド

9.2 サファイア循環

 9.2.1 地域で対応
  1.地域の社会保障
  2.クライシスで進化
  3.地球規模課題を地域で対応
  4.国を超えた流れが拡大

 9.2.2 市民が主体
  1.生活者の発想
  2.多様な地域の知恵を活用
  3.新しい行政と地域協働
  4.コンパクトシティ

 9.2.3 新しい民主主義
  1.市場主体は破綻
  2.国の分配方式は限界
  3.国に依存しない民主主義
  4.夢が市民を強くする

 9.2.4 地域を支援
  1.ソフト化へシフト
  2.クライシス対応の社会
  3.共有概念で市民と合意
  4.産官学連携のスマートシティ

9.3 環境社会

 9.3.1 サファイア循環
  1.技術開発に頼れない
  2.自分たちで解決する
  3.市民中心のサファイアモデル
  4.共有概念で社会構造を変える

 9.3.2 地域主体の循環
  1.コミュニティは循環を考える場
  2.市民は危機意識をカタチにする
  3.国は課題解決の方向を示す
  4.行政は市民を環境社会に誘導

 9.3.3 インフラ再構成
  1.コラボから提案
  2.知識と意識
  3.地域インフラを実現
  4.産業のソフト化

 9.3.4 意思決定
  1.テーマの絞り込み
  2.チームでロジック
  3.立場と知識で発言
  4.コミュニティで合意形成

9.4 多様化で対応

 9.4.1 国民国家の限界
  1.国という単位
  2.分配と雇用が保証できない
  3.地域の様々な試みを集約
  4.直接民主制で体質を変える

 9.4.2 適正規模
  1.欧州の地方自治は参加型
  2.市民意識を表現できる規模
  3.共有環境の役割を高める
  4.ゲームからコミュニティ化

 9.4.3 資源活用
  1.ハイパーインフレ
  2.人的資源を集中
  3.LL=GGに向けた変革
  4.組織が分化した産業構造

 9.4.4 意見を反映
  1.議論し、結論を出す環境
  2.法案を行政に執行させる
  3.危機感で平和を追及
  4.事務局で実現

9.5 グローバル化に対応

 9.5.1 国民国家の限界
  1.国民国家としての日本
  2.グローバル化に対応
  3.EUは多様な価値観に対応
  4.世界は環境社会に向かう

 9.5.2 超国家で対応
  1.人口変動で国家が動く
  2.GGの超国家が出現
  3.LL・GGの環境社会
  4.北欧の新経済理論

 9.5.3 同一価値観
  1.国家連合でのつながり
  2.EU・地中海連合
  3.インド洋・シナ海連合
  4.アメリカ大陸連合

 9.5.4 日本のシナリオ
  1.国民国家から離脱する勇気
  2.一人ぼっちでモノつくり
  3.アジア諸国と連携
  4.環境社会で世界の盟主

9.6 共有意識を育成

 9.6.1 存在の力から分化
  1.シェアすること
  2.分化し、学習する
  3.地域の特性でつながる
  4.幸せの価値観

 9.6.2 危機感から共有意識
  1.存在の力で意識変革
  2.情報共有でつながる
  3.共有意識からコミュニティ
  4.新しい民主主義

 9.6.3 地域の姿
  1.分散自律
  2.コンパクトな生活
  3.創発的な活性化
  4.市民の役割分担

 9.6.4 権限委譲
  1.全体効率から部分最適
  2.税収入を地域に移管
  3.クライシスを機に進化
  4.新しいマーケティング

9.7 分化と統合

 9.7.1 LAN/WAN
  1.公共の概念でコンパクト化
  2.地域インフラの風景
  3.地域をカバーするLAN
  4.地域を超えたWAN

 9.7.2 分化と統合
  1.地域インフラで近傍系つくり
  2.道路行政などを統合
  3.地域から経済・政治を変える
  4.共有の考えで国民性を変える

 9.7.3 インフラ活用
  1.生活道路は乗入制限
  2.生き抜くために発言
  3.地域の要望で企業に申し入れ
  4.サファイア循環を政治に適用

 9.7.4 行政を変える
  1.存在の力で行政を乗っ取り
  2.地域インフラは自前主義
  3.組織は個人の分化を促す
  4.多くの人が生きる仕組み

9.8 シェア社会

 9.8.1 有効活用
  1.サファイアで持続可能性を保証
  2.市民が分化して、多方面に展開
  3.個人所有からシェア
  4.地域と国の役割分担

 9.8.2 依存から分化へ
  1.存在の力をカタチに
  2.共有意識で知の世界
  3.消費者から生活者
  4.儲かるシェア

 9.8.4 中央から地域
  1.財源を確保
  2.優先順位を決定
  3.どういう社会にしていくか
  4.社会保障制度

 9.8.3 作るから使う
  1.ローカルで行う
  2.グリーン雇用
  3.高度サービス化
  4.統合機能



未唯空間の9章と10章の振り分け

2014年08月20日 | 3.社会
未唯空間の9章と10章の振り分け

 第9章が拡大過ぎて、環境社会を作るだけなのに、範囲が分からなくなっています。サファイア循環がちょっと邪魔ですね。だけど、循環というファクターがない限り、分化と統合の所はハイアラキーではなくて、これは多層空間ではない。

 元々のトポロジーの発想をどう生かすかです。近傍系でチェーンを結ぶ時に、分化が出てきます。分化と統合はいいけど、統合として、環境社会では、ローカルは活性化するけど、資源の有効活用ができない。そこで欲張って、インフラをどう使っていくのか、ローカルでどう使っていくのかでシェアを入れ込みました。

 まだ、10章があります。「次の世界」があります。そこまでのプロセスが9章です。とりあえず、9章と10章は同時に考え直します。答えは多分、ブログからの反映の所にあるのでしょう。ちょっと、反映の方に振ります。歴史哲学から見た時に、存在の力がどう働くかです。

 多様化については分化と統合、そして、サファイア循環しかないです。なにしろ、細かい単位で落とさないといけない。できたら、人間の単位で。今は企業で落としています。というよりも、元々は国だったものが、国が支えられなくなって、企業になっています。企業の目的は国とは異なりますから、これは成り立ちません。格差を生むだけです。

 だから、個々の人間が分化して、それをコミュニティで力を合わせていくことをベースにして、それを対して、統合する空間の関数をどう作っていくのか。

地球規模の課題

 ただし、地球規模の課題というのは、「有限」の問題です。人口が幾何級数で増えて、有限にぶつかり、方程式が破綻してきたということです。人口を減らせばいいけど、それは答にはなりません。日本だけが減っても、他のところが増えます。穴を埋めようとします。だから、方程式を変えるしかない。

 人が多いほど助かる世界です。これは第10章のメインテーマです。第9章はあくまでも、環境社会で、地球規模の課題に対して、どう対応するのか。方程式を変える、第10章がある限り、第9章はもっと、表層的なカタチにしないといけない。それが表層的である限り、第10章は進化します。

全域に関わる

 どの本も、部分しか扱っていないですね。なぜ、もっと、全域とかかわらないのか。興味がないのか、興味を絞っているのか、諦めているのか。逆に言うと、皆がこれだけ焦点を絞っているのであれば、それらに共通したものを求める、物理学で言うところの統合理論が成り立つのではないか。

 やはり、これも組織の悪さなんでしょう。素人でもできるようなものをいかにも用意する。あたかもやった気にさせる。だけど、ほとんどがここと同じように、自分で穴を掘って、埋めているだけです。

エンパワーメント

 エンパワーメントを最初に訳した時は、「勇気づける」という言葉にしました。アドラー心理学は勇気づける心理学と言われています。では、勇気づけるには何が必要なのか。これはサファイア循環で答を出しています。

 支援するためのファシリテーションをローカルで受けて、それでエンパワーメントする。エンパワーメントして、どうするのか。それは提案するためです。発信するためです。そうでないと、単にこき使われるだけです。勇気づけられたら、それで行動して、変えていくことです。

 その意味では、サファイアではその関係性を3つのファクターで述べています。残されているのはリアライゼーションだけです。作ることで、これが循環のエネルギー源になります。

4時起きに戻します

2014年08月20日 | 7.生活
明日は軽装です

 今日中に片付けるモノは片付けて、明日は軽装です。バックは持たない。本質だけを求めます。

 身一つしかない。その身もない。「未唯との対話」を楽しみにしましょう。ネタは未唯空間だけに限ります。

4時起きに戻します

 取りあえず、Iさんを見習って、4時起きにします。

 Iさんに「4時ですよ。起きなさい」というメッセージを入れてもらいましょう。4時起きにするから。

 内なる世界で変わればいいのです。このマルチバースの一つの所、この瞬間はどうでもいいです。3時過ぎから起きていると、やはり眠たいです。

 何しろ、考える。考えるというのはどういうことか。

カントでの共有思想

 共有思想に一番近いのは、カントの国際平和論かもしれない。そこでは、「世界市民」という言い方をしています。これは、共有思想の一つのカタチです。「分化と統合」の統合に、「法の支配」を挙げている。

 カントの時に比べて、社会情勢は何が違っているのか? 科学技術の進化とか悲惨な戦争を経て、ヨーロッパでは、個人が覚醒する要素が増えている。

 分化はできるようになってきたけど、統合はできていない。その部分をどう作るのか。その基準は全て、循環です。

エンパワーメントは大きなキーワード

 個人が覚醒する力のエンパワーメントはサファイア循環の出てくるキーワードです。この言葉自身は、後から与えられた。ファシリテーション、インタープリテーションは2005年に出来ていたが、リアライゼーション、エンパワーメントはそれらを補完するものとして、出てきた。今はこれが大きな要素を持ってきます。

 それぞれの個人が力を持つということ。ファシリテーションもエンパワーメントしないと意味がないし、エンパワーメントがあってこそ、インタープリテーションできる。

 参加型民主主義がソーシャルネットワークサービスで人が動く。それらすべて、エンパワーメントにつながっていく。アラブの春はそれを実現したが、次のインタープリテーションにつながっていない。宗教の力に頼るところが、アラブにはあります。あの自然環境では当然かもしれない。

私的所有権は勝手な論理

 私的所有権は伝統的知識の私有化である。

 帝国主義時代に欧州の国は、アジアやアフリカの土地を分割した。それは主が居ない土地という、勝手な論理で実施してきた。元々は、共同管理をしてきた土地などに対して、私的所有を認めない習慣を一切無視して行われた行動である。

 囲い込みのレベルが変わってきた。自分たちのロジックではなく、共有の方が先にあった世界です。論理が後から作られて、それで支配されたのだから、元に戻せばいいのです。

グローバリゼーションとインフラの関係

 グローバリゼーションは国家と企業の関係に大きな変容をもたらした。多国籍企業の力の方が国家よりも格段に強くなった。なぜならば、国家が統治していた公共部門を企業の傘下に移行させたから。つまり、共有のインフラの部分を企業が勝手に使うような形になったから。

民主主義のあり方

 アース・デモクラシーは実施組織と実施に基づく民主主義を作りなおす。代議制民主主義に代わった、熟議民主主義の実践。

専門家の支配からの脱却

 自立的に生活してきた人間から賃労働に依存する以外の生き方を奪って、労働者にしてきた。市場化して、人間の自立的な生産と創意工夫の能力を奪い、人々を消費者に仕立ててきた。これが経済発展の正体であり、貧困の現代化を作り出している。

 欲求を想像して、それをコントロールする専門家こそ、人間を不能化するモノ。

第8章「販売店」の見直し

 メーカーとクルマとの関係を双方向にするとともに、車の状況を把握することで、メーカー主導のシェアが可能になる。そのための信頼関係を得るのに、何が一番、最適なのか。売りっぱなしではなく、地域でのインフラとの関係にムーカーが関与するぐらいしか、メーカーはすることがない。

 第8章「販売店」は、8.4で一応、終わっています。何しろ、第5章も同じ観点だから。あとの4つは要素分解です。ロジックを先に進めます。元々、8.5はポータルの設計時に考案したものです。

 クルマ社会と考えた時に、所有権だけでなく、インフラをどう使っていくか。インフラにおけるお金も含めると、政治・経済にまともにぶつかります。

 メーカーからの問題提起が必要な時です。その時に、販売店での成功事例を地域に拡大できるのが、幸せなケースです。これが逆転した時は、組織の存亡に関わります。その時に、取り返すための条件もまとめておきましょう。

未唯空間見直し 8.販売店

2014年08月20日 | 5.その他
8.1 販売店要望

 8.1.1 店舗コミュニティ
  1.スタッフの意識を変える
  2.お客様要望を取り込む
  3.事例を展開
  4.情報を集約

 8.1.2 簡単に使える
  1.各社ニーズの反映
  2.簡単なデータ操作
  3.フロー情報の取り込む
  4.モバイルで対応

 8.1.3 お客様状況把握
  1.お客様状況カルテ
  2.思いを発信する
  3.お客様ひとりに対応
  4.コミュニティと接続

 8.1.4 お客様とつながる
  1.意味をまとめる
  2.インターネット技術に対応
  3.コラボ環境を提供
  4.クライシス向けの機能

8.2 情報処理

 8.2.1 情報活用
  1.スタッフに情報集約
  2.意思決定して発信
  3.お客様とつながる
  4.経営者の意識を変革

 8.2.2 リアルタイム
  1.メッセージ系システム
  2.ソーシャルツール
  3.同一環境で事例展開
  4.ワイヤレス環境を提供

 8.2.3 ナレッジ
  1.スタッフ間のコミュニティ
  2.ソーシャルウェブの共有
  3.コンテンツの共有
  4.ローカルを支援

 8.2.4 効率化
  1.CRMにシフト
  2.サーバー集約
  3.共有インフラ
  4.次世代構成

8.3 メーカーの役割

 8.3.1 クルマの状況把握
  1.クルマを捉える
  2.車に対する役割
  3.クルマとお客様の関係
  4.お客様と信頼関係

 8.3.2 お客様とつながる
  1.多様な関係者が参画
  2.つながる商品戦略
  3.つながる情報サービス
  4.B-B-Cの循環

 8.3.3 販売店を活かす
  1.お客様ポータルを設定
  2.販売店の知恵を活用
  3.メーカー情報を反映
  4.メーカーと情報共有

 8.3.4 市民と一体化
  1.市民と共に考える
  2.地域におけるクルマ
  3.市民コミュニティの役割
  4.行政と一体化したインフラ

8.4 いい町・いい社会

 8.4.1 お客様の声を聴く
  1.お客様接点
  2.お客様の声をまとめる
  3.三段ループで情報共有
  4.活用状況を把握

 8.4.2 ナレッジ化
  1.スタッフの分化
  2.ネット環境を共有
  3.メッセージでつなぐ
  4.コンテンツを接続

 8.4.3 チームで活動
  1.チーム活動の拠点
  2.スタッフを武装化
  3.シェア社会の試み
  4.組織の分化促進

 8.4.4 地域での役割
  1.ファシリテーターの存在
  2.地域のインタープリター
  3.コンパクト化に参画
  4.ソーシャルネットを共有

8.5 情報共有ツール

 8.5.1 スタッフ環境
  1.ユーザー主導の開発要件
  2.活用イメージ
  3.情報構築基盤の構築
  4.ファシリテーターが必須

 8.5.2 データ活用
  1.販売店で機能開発
  2.お客様の声を吸い上げ
  3.スタッフがデータ活用
  4.メーカーと直結

 8.5.3 情報共有機能
  1.ポータル管理機能
  2.ポータル画面
  3.ナレッジ蓄積と検索
  4.データ取込みと表示

 8.5.4 コミュニティ機能
  1.コラボレーション機能
  2.メッセージ処理
  3.ライブラリ処理
  4.アピール・アンケート

8.6 コミュニティ条件

 8.6.1 分化促進
  1.ナレッジワーカー
  2.スタッフの環境つくり
  3.ソーシャルウェブを活用
  4.組織の分化で変化に対応

 8.6.2 グローバル支援
  1.基幹系は更新中心
  2.情報系は確実な維持
  3.メッセージ系で外と情報共有
  4.コミュニティ系で内と情報共有

 8.6.3 意識から行動
  1.売るから使う
  2.サービスの高度化
  3.安心して発信
  4.ナレッジ化

 8.6.4 知識でつながる
  1.ポータルの個人認証
  2.チーム連携
  3.メーカーとつながる
  4.お客様とつながる

8.7 社会へ拡大

 8.7.1 存在の力
  1.情報共有からコミュニティ
  2.存在の力で位相化
  3.店舗起点のサファイア循環
  4.メーカー存続の条件

 8.7.2 組織の分化
  1.お客様と信頼関係
  2.お客様ポータル
  3.販売店リソース活用
  4.インフラをソーシャル化

 8.7.3 マーケティング
  1.意図を発信
  2.情報共有のマーケティング
  3.クルマ含みのマーケティング
  4.コンテンツ蓄積

 8.7.4 ソーシャル社会
  1.タブレットは紙の世界
  2.コミュニティはスマホ主体
  3.モバイルでコラボ
  4.ソーシャル社会に参画

8.8 クルマ社会のあり方

 8.8.1 地域活性化
  1.知識と意識を支援
  2.市民の環境設定
  3.問題意識を共有
  4.有機的なつながり

 8.8.2 地域社会
  1.地域コミュニティでシェア
  2.市民とクルマつくり
  3.共有概念の交通体系
  4.地域エネルギー

 8.8.3 サファイア循環
  1.個人の分化
  2.グループ活動
  3.組織の分化
  4.サファイア循環の意味

 8.8.4 環境社会
  1.クライシスは起こる
  2.生活者のコンパクト化
  3.地域コミュニティを支援
  4.企業が社会を変える

ウィトゲンシュタインの講義 独我論者観

2014年08月20日 | 2.数学
『ウィトゲンシュタインの講義』より 第一部 哲学 ウィトゲンシュタインの講義 一九三二-一九三三年

一九 独我論者の望むものも自我を消去した表現法にほかならない。自問せよ、感覚記述の内に当の人物たる私はどのように入るか。

 「私の経験だけが実在のものだ」と言う独我論者は、彼自身の経験以外の経験が実在のものであることは考えられないと言っているのである。これは、事実に関する言明ととられるならば、馬鹿げている。さて、{他人が歯の痛みを感じることが論理的に不可能とされるならば、私が歯の痛みを感じることも等しく論理的に不可能ということになる。そして、「私のみが実在の歯の痛みを感じている」と言う人に対する答は次のようなものであるべきだろう。--「もし君だけが実在の歯の痛みを感じうるのであれば、「私だけが実在の歯の痛みを感じる」と[君が]言うことにも意味はないことになる。君は「私」という語を必要としないか、あるいは「実在の」という語を必要としないかいずれかなのだ。……[君の言い方では]「私」はもはや何ものにも対置されるものではない。それゆえ君は「歯の痛みがある」と言った方がはるかによいだろう」、と。「私だけが実在の歯の痛みを感じる」という言明は[他人はいま私を服そうとしてたんに痛いふりをしているだけなのだ、等の]常識的な意味をもつか、あるいは、それが文法命題であるならば、規則に関する言明であると考えられているのである。独我論者は、「「私は実在の歯の痛みを感じている」という表現法に代えて、「歯の痛みがある」という表現法をとりたい」と言おうとする。独我論者の望むことは、自我が独占体制を敷くような表現法ではなく、自我が消えてしまうような表現法なのである}。

 〔かりに独我論者が、「実在の」という形容をわれわれが彼の経験と呼ぶべきものにしか用いてはならない、という制限を彼の表現法に生かし、そして「Aは実在の歯の痛みを感じる」(Aは彼ではない)という言い方を締め出そうとしたならば、「スミス(その独我論者)は歯が痛い」のかわりに「実在の歯の痛みがある」を使うようになるだろう。〕{独我論的話法に入り込むことは、個人的経験の記述において「私」という語を使用しないということを意味している。}〔そのような変更を受け入れることは、〕感覚の記述には人物への指示も感覚器官への指示も含まれないがゆえに、〔誘惑的である〕。自問してみよ、当の人物たる私はどのようにして記述の内に入ってくるのか。例えば、視覚の記述に人物はいかに入り込むのか。われわれが視野を記述するとき、いかなる人物もそこに入り込む必要はない。われわれは、視野がしかじかの内的性質をもつと言えるが、しかしそれが私の視野であることはその記述に本質的ではない。すなわち、誰かのものであることは視覚の、あるいは痛みの本来的な性質ではないのである。私の表象とか他の誰かの表象といったものは存在しないだろう。痛みの位置の特定は痛みをもっている人とは関係がない。位置ぎめは持ち主を名指すことで与えられるものではない。

 あるいはまた、身体や視覚器官もまた、視野の記述とは無関係である。同じことは聴覚にもあてはまる。「物音が私の右耳に近づいてくる」という命題の真理性は、なんら身体上の耳の存在を要求しない。それは聴覚体験の記述であり、その体験は私の耳の存在と論理的に独立なのである。聴覚的現象は聴空間の内にあり、聴く主体はその人間の身体とは関係がない。同様に、歯が一本もない場合の歯の痛み、あるいは当の頭が存在しない場合の思考について、われわれは語ることができる。痛みもまた、聴覚経験や視覚与件と同じように、それが入り込む一つの空間をもっているのである。視野が本質的に視覚器官ないしこの器官をもつ身体に属しているという考えは、見られている内容に基づくものではない。それは、ある人のまぶたを閉じることがその人の視野におけるあるできごとを伴うといった経験の事実や、ある人の腕をその人の眼の方に向けて挙げてみたときの経験に基づいている。眼が見るのだ、とは経験的な命題なのである。われわれは人体と視野の関係について、われわれがなじんでいるものとはまったく異なった関係を打ち立てることができる。眼ではなく身体をもって見ることも想像できようし、あるいは他の人の眼で見るとか他の人の歯に痛みを感じることも想像できる。もしわれわれが眼に管をもち、そして鏡を覗き込んで[それゆえ身体の位置とは無縁な視野をもって]いたならば、知覚器官の観念もなしで済ませられただろう。あるいは、鏡の中にあらゆる人体が映されており、口が動くときにはその音は拡声器から流れてくるとしたならば、喋ったり見たりする自我といった観念はきわめて異なったものとなっただろう。

二〇 独我論者はなおも「私の経験だけが実在のものだ」と言う--ナンセンス。

 〔独我論者は「私」や「実在の」が消えてしまうような表現法を一貫することがない。〕彼は、なおも「ただ私の経験のみが実在のものだ」とか「私だけが実在の歯の痛みを感じる」とか「実在する痛みはただ私の感じるものだけだ」と言うのである。こう言われると、自分の痛みはまちがいなく実在のものだ、と反論したくなる人が出てくるだろう。しかしこの反論は、実在論者が観念論者を論駁してはいないように、独我論者を真に論駁するものではない。石を蹴ってみせる実在論者がその石を実在のものだと言うとき、「実在の」という語を「まがいの」と対置されるものとして使っているならば、彼は正しい。彼の応答は「それは実在のものか、それとも幻覚か」という問に答えている。だが観念論者はこの反論に阻まれることはなく、それゆえ彼は観念論者を論駁したことにはなっていないのである。両者はなお一致をみていないように思われる。独我論者は、「私は歯が痛い」を「彼は歯が痛い」とは異なるレベルにあるとした点において正しいのだが、他の者がもっていない何ものかをもっているという彼の言明も、そしてまたそれを否定する者の言明も、均しく馬鹿げたものでしかない。「私の経験だけが実在のものだ」も「すべての人の経験が実在のものだ」も、ともに均しくナンセンスなのである。

エネルギー問題 未来の指導者アドバイス

2014年08月20日 | 3.社会
『エネルギー問題入門』より

世界の多くの国々にとって、真のエネルギー危機は、主に二つの問題が原因となっています。それは、エネルギー安全保障と地球温暖化です。安全保障の問題は、エネルギー不足が原因ではなく(現にアメリカには大量のエネルギーがあります)、本当の原因は、石油不足--もっと正確に言えば、国内の石油生産率と、ガソリンやディーゼルやジェット燃料の需要との差が、どんどん大きくなっていることです。地球温暖化の問題の主な原因は、発展途上国で石炭の使用量が急速に増大していることです。

石油の欠乏のためにアメリカは否応なく大量の石油を輸入してきましたが、その結果、軍事的な不安定(石油の輸入が途絶したら戦争になったとき戦えるかという不安)ばかりでなく、アメリカ経済の健全さを脅かすほどの莫大な貿易赤字まで引き起こしています。この危機的状況を打開するには、緊急対策として、国内に埋蔵されている大量のシェールガスやシェールオイルをすみやかに開発し、そうした燃料を流通させるためのインフラを構築し、合成燃料の大規模な生産体制を整えなければなりません。

二酸化炭素排出による地球温暖化の脅威を減らすには、今後温室効果ガスが放出されるのは主として発展途上国からだということを認識する必要があります。費用のかかる対策を講じて手本を示しても、貧しい国には同じことはできませんから、それでは解決策にはなりません。くわしく検討した結果、経済的に実行可能な唯一の方法は、石炭から天然ガスヘの大規模な転換です。

これからは天然ガスの時代です。天然ガスは、ほかのほとんどの代替エネルギーに勝る競争力を持っています。ただし、風力、太陽、原子力もやり方次第では可能性があります。ガソリンや石油のエネルギーは、天然ガスの二・五~五倍のコストがかかります。天然ガスや石炭からつくられる合成燃料は、将来的にアメリカのエネルギーの中核になるでしょう。合成燃料の存在によって、ガソリンの長期的なコストは一ガロン当たり三・五〇ドル以下に抑えられるでしょうが、そうなるのは、数多くの合成燃料の製造工場が操業するようになってからでしょう。天然ガスと合成燃料とシェールオイルの三大技術は、アメリカの貿易赤字の軽減にもっとも大きな影響を与えるだろうと予想されています。

以下に、主要なエネルギー技術の重要性について分類してみました。

 将来のエネルギー問題に重要な位置を占める技術

  ・エネルギー生産性(効率と省エネルギー)

  ・ハイブリッド車と、燃費を向上したそのほかの自動車。

  ・シェールガス(自動車用燃料、合成燃料の原料、石炭の代替物)

  ・合成燃料(ガスや石炭からつくられる液体燃料)

  ・シェールオイル

  ・スマートグリッド

 急発展する可能性のある技術

  ・太陽光発電(PV)

  ・風力発電(およびその電力供給のための送電網の改良)

  ・原子力(新旧両世代)

  ・電池(太陽光や風力のバックアップ用)

  ・バイオ燃料(とくにミスカンザスのようなイネ科の草を原料とするもの)

  ・燃料電池(とくにメタンベースの電池)

  ・フライホイール

 問題解決の可能性がもっとも低い技術

  ・水素経済

  ・完全電気自動車とプラグイン・ハイブリッド車

  ・コーンからつくるエタノール

  ・太陽熱発電

  ・地熱

  ・波力および潮力

  ・メタンハイドレート

  ・藻類バイオ燃料

エネルギー問題 電気自動車ブーム

2014年08月20日 | 5.その他
『エネルギー問題入門』より

電気自動車をたんなるブームだなどと言うと、わたしが本書で述べているほかのどんなことよりも、強い怒りを買いそうです。電気自動車はブームなのでしょうか。その通りです。わたしがここで、本書のほかの部分よりもやや激越な論調になることを許してください。どうやら、そうすることが必要なようなのです。事実上、エネルギー科学やエネルギー政策のどの分野だろうと、電気自動車ほど堂々と誇大宣伝がまかり通っているものはほかにありません。また、ほかのどの分野にも、電気自動車に傾倒している人たちほど熱狂的で、楽観的な--そして狂信的な--人たちはいません。

テスラロードスター

 わたしたちがこれから見ていく電気自動車の最初の例は、テスラロードスターです。この車のバッテリーは重量が一一○○ポンドで、コストは四万四〇〇〇ドル(一ポンド当たり四〇ドル)です。バッテリーは、車の重量の四四パーセントを占めます。広告では航続走行距離が二五〇マイル[四〇〇キロメートル]となっていますが、それには平均二六馬力で車を走らせる必要があります。テスラロードスターのオーナーたちの報告によると、もっと標準的な走行距離は一二五マイルで、これは報告されているシボレーボルト[電気自動車]の一キロワット時当たりの走行距離により近い数字です。五〇〇回再充電して、バッテリーの交換が必要になるまでに六万二五〇〇マイル[一〇万キロ]走ることができます。テスラがバッテリーについて保証しているのは、わずか三万六〇〇〇マイルか、もしくは三年までで、どちらか一方に達した時点で保証は切れます。車を一マイル当たり走らせるためにかかる主要なコストは、電気料金ではなく、バッテリーの交換費用を比例配分したものです。つまり、バッテリーの費用四万四〇〇〇ドル÷六万二五〇〇マイル=七〇セント/マイルです。

 これを、内燃エンジンを使う従来の自動車と比べてみましょう。燃費が一ガロン当たり三五マイルで、ガソリンのコストが一ガロン三・五〇ドルとすると、一マイル当たりのコストは三・五〇ドル/三五=一〇セントになります。テスラロードスターは、一マイル当たり七倍のコストがかかります(もちろん、一一万ドルでテスラロードスターを買う多くの人たちは、燃料費を節約するために買うわけではないでしょうが)。

 それなら、バッテリーの交換などしないで車を売ってしまう、と言う人もいるかもしれません。でも、ロードスターは、六万二五〇〇マイル走ったあとでは、あまり大した価値はありません。買う側の人は、四万四〇〇〇ドルをかけて新しいバッテリーを取り付けなければならないからです。テスラ社は、三万六〇〇〇ドルでバッテリーを交換すると言っています。もしその通りなら、テスラ社はバッテリーの価格が下落することを期待しているのでしょうか。それとも、バッテリーの交換でまったく利益を上げない(あるいは損失を出す)ことを前提にしているのでしょうか。

 テスラ社は、二〇一一年の末にロードスターの製造を中止しました。テスラ社はその理由について、市場が十分な大きさではなかったからだ、と説明しました。もう一つ別の理由として、バッテリーのコストが一ポンド当たり四〇ドルを大きく上回ったことが(わたしのパソコンのバッテリーが一ポンド当たり一二〇ドルですから)考えられます。そのうえあのすてきなボディーですから、テスラは一台当たりかなりの赤字を出していたのではないでしょうか。

 テスラはどうしてこんなことをしようとしたのでしょうか。ひょっとすると、バッテリーの価格が下がると楽観的予想をして、実際にはそうならなかったために挫折したのかもしれません。あるいは、将来もっと小型で価格の安い車を売り出すつもりで、テスラの名前を世間に印象づけておきたかったのかもしれません。

シボレーボルト

 シボレーボルトは、重量が三七五ポンドでコストが二万五〇〇〇ドルのバッテリーを搭載しています。しかし、GMによると、一回の充電で走ることができるのは、たった四〇マイル[一六四キロメートル」です。注意してほしいのは、この短い航続距離が、ボルトを運転しているオーナーの報告と完全に一致していることです。五〇〇回充電すれば、二万マイル走ることができる計算になります。わたしが思うに、GMがこうした数字を率直に公表したのは、ボルトにはガソリンのバックアップがあり、電池切れになっても立ち往生する心配がないからではないでしょうか。バッテリーのコストは一万五〇〇〇ドルですから、二万マイル走れるとすれば、一マイル当たり七五セントになります。GMの経営陣の一人が公式に述べていますが、同社はシボレーボルトを一台四万ドルで売ってもまったく利益はないようです。高額なバッテリーのコストを考えれば、もっともな話だと思います。

日産リーフ

 最後に、日産リーフについて考えてみましょう。四〇〇ポンドのバッテリーのコストは約一万六〇〇〇ドルです。広告によれば、一回の充電で一〇〇マイル走れるそうですが、米環境保護庁によると、実際の航続距離は七三マイルです(どちらの数字もボルトの広告で示された五〇マイルと比べると高い数字です。バッテリーの重量はほぼ同じです)。五〇〇回の充電で、合計三万六五〇〇マイル走ると、一万六〇〇〇ドル払って新しいバッテリーを買わなければなりません。一マイル当たりのコストは四四セントです。

 二〇一一年の終わりごろ、日産リーフの価格は三万四七〇〇ドルでした。家庭用低速充電器は別売で二〇〇〇ドルかかります(急速充電器なら四〇〇〇ドル--ほとんどの人にとっては高すぎる価格--です)。性能がほぼ同じ普通のガソリン車の日産バーサコンパクトの価格は、約一万四〇〇〇ドルです。二万七〇〇ドルの違いです。バーサの燃費は、一ガロン約三五マイルです。一ガロン三・五〇ドルとすると、一マイル走るためにかかるコストは一〇セントになりますが、これに対してリーフは四四セントです。お金を節約したいのなら、完全電気自動車は買わないほうがいいでしょう。

 アメリカ政府が七五〇〇ドルの助成金を出せば、購入価額の差は縮まり、リーフとバーサの違いはたった二万三二〇〇ドルになります。しかし、助成金があっても、一マイル当たりのコストは変わりません。一〇万九五〇〇マイル(バッテリ上交換が三回必要な距離)を走ると、一マイル当たり三四セントの付加費用がかかり、リーフのオーナーは運用コストと燃料費を合わせて三万七二三〇ドルを余計に負担することになります。これに購買価格の差額一万三二〇〇ドルを加えると、リーフのオーナーは--同じ程度の性能の--バーサのオーナーよりも五万四三〇ドル余計に支払うことになるのです。

 わたしの予想では、バッテリーの交換が必要になり、オーナーがその費用がいくらになるか知ったとき、完全電気自動車への関心はたちまち立ち消えになるでしょう。