使徒の働き 27章1−12節
日曜日の礼拝開始前に雷雨が…。その後も断続的に激しい雨が降ったために、いつもの通り道の脇を流れる川が氾濫。一方通行で帰りの道が塞がれてしまいました。いつもですと、「春の小川は…」と口ずさむほどののどかな清流なのですが。
長く閉ざされていた門が開き、パウロのローマへの旅が始まりました。使徒の働きの終りの2章は、旅の様子が描かれます。2節に「私たちは」とありますので、ローマ行きにルカが同行していたことが分かります。そして、テサロニケに住むマケドニア人アリスタルコも。
パウロのローマ行きはもちろん物見遊山(ものみゆさん)ではありません。彼は上訴のためにローマに行くのであり、ローマ兵の護送される身なのです。そしてパウロを送り届ける責任者は百人隊長のユリウスです。彼は旅の間中パウロに親切であり、パウロの声に耳を傾けることもありました。
最初パウロたちは、アドラミティオの船でルキアのミラまで航海を続けます。アドラミティオというのは地名で、現在のトルコの「エドレミト」で、今でも貿易港として栄えています。この船は外洋船ではなく沿岸を立ち寄りながら航海するのです。そしてミラで、彼らは大きな船に乗り換えたのでしょう。
しかし、この後が大変。船は向かい風に悩まされます。ここでパウロはこれから先の航海について警告をするのです。しかし、百人隊長はここでは聞く耳を持たずに、船長や船主を信用します。どちらの声を聞くかと言えば、この後の結末を読むならパウロの助言に従うべきだったということは分かるのですが、百人隊長の判断を責めることはできないでしょう。
飛躍があるかもしれませんが、漁師だった弟子たちにとっては経験豊かな湖で、イエスが彼らの常識を覆すようなことをなさった出来事を思い起こしています。