みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

喜びと嘆きと

2024年03月16日 | マタイの福音書

マタイの福音書 24章29−51節

 気がついてみると太陽が早くに昇り、西の空に沈むのが遅くなりました。また、気がついてみると春を知らせるレンギョウの黄色い花が咲き誇っています。

 これから先に何が起こるかについてのイエスの弟子たちへの話が続きます。それは「人の子」、つまりキリストの到来に向けての話でした。

 ここでイエスは、キリストの来臨の際に起こることを話します。すでに前の段落では、イエスを信じる人々が苦難に遭うと話されました。また、天変地異が起こること、「人の子のしるし」が天に現われることを明らかにされます。けれども、「人の子のしるし」が何かについて、主イエスは触れていません。

 30節に目が留まります。人の子のしるしは、限られた所で限られた人だけに現われるのではなく、また人の子が来るのもすべての人々に認められます。「地のすべての部族は胸をたたいて悲しみ」とあります。キリストが再びこの世界に来るのは、ある人々にとっては大きな喜びであり希望なのですが、ある人々にとっては胸をたたいて悲しむ出来事なのです。

 つまり、キリストの来臨が人々を分けます。それを待ち望む人にとっては大きな喜びなのですが、考えもしなかった人にとっては大きな嘆きと悲しみをもたらします。

 ここから、私たちが何を喜ぶのか、喜んでいるのかということを考えるのはたいせつだと思います。人は生まれてからこの世を終えるまでたくさんの喜びや悲しみを経験します。キリストが再びおいでになるのは、この世で私たちが経験するすべての喜びにはるかに勝って喜ぶべきこと、そう考えることができるのは幸いなのですね。


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