みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

自分の神を知る人たち

2022年04月27日 | ダニエル書

ダニエル書 11章20−45節

 運転免許証を手にすることができました。コロナ禍にあって帰国できずに更新の機会を逃してしまった人が少なくないのは、特別にそのための用紙が用意されていることからも分かりました。

 11章後半には、主に旧約聖書と新約聖書の間に実際に起こった出来事についての預言が記されています。

 南の国エジプトのプトレマイオス王朝と、北の国シリアのセレウコス王朝の派遣を巡っての緊張、争い、戦いが続きます。21―45節にあるのはシリアのアンティオコス4世エピファネスのことです。21節で「卑劣な者」と呼ばれる彼は、エジプトを自分の支配下に置こうとして、冷酷な作戦を指示したことで知られています。略奪と虐殺です。しかし、25―30節を読むと、エジプト攻略は失敗に終わったことが分かります。

 30節後半から35節は、アンティオコス4世がイスラエルを攻撃したことについての描写です。彼はエルサレムの神の宮を汚し、ゼウス像や天の万象へのいけにえをささげよと強要します。神殿の多くの祭司たちはアンティオコスの命令に従いますが、祭司マタティアは5人の息子たちとともに王の命令に背き、やがて戦争となります。これが「マカバイ戦争」と呼ばれる反乱です。

 36節以降に記されているのは、やがて私たちのこの世界に起こることです。「不法の者」がわが物のようにこの世界を蹂躙しようとします。今起こっている出来事とここでの預言を結びつけることには慎重である必要がありますが、待ち構えているのは、このようなことなのです。しかし、どんなに彼が力を振るっても「ついに彼は終わりを迎える」のです。

 32節の「自分の神を知る人たち」ということばに目が留まります。神がどのような方かが知るならば、人を恐れる罠から守られます。このような時だからこそ、「自分の神を知る人たち」の一人でありたいと願う者です。


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