詩篇 80篇
「万軍の神 主よ 私たちを元に戻し 御顔を照り輝かせてください。 そうすれば 私たちは救われます。」詩篇80篇19節
日本におられる同労の方から「だいじょうぶですか」とのメールをいただき、近況をお知らせしました。こちらは祖国を心配しています。
詩篇80篇も、国家的な危機に際しての神への祈りがテーマです。ヨセフ、エフライム、ベニヤミン、マナセの名がありますので、南北に分かれていた時代の北王国イスラエルが敵から侵入されていたという背景が考えられます。大国アッシリアによって滅亡した後に神のあわれみを求めて祈ったことばでしょうか。
南王国ユダがダビデの家系を受け継いだいわゆる正統であり、北イスラエルは脇に置かれていたという印象を抱きがちですが、神は北王国をもご自分の民とご覧になり心をかけておられました。預言者のエリヤ、エリシャ、それにホセアやヨナも、神が北王国にご自分のことばを届けにお遣わしになりました。
北王国は王も民も誰もが神を離れ去ったと考えがちですがそうではなく、そこにも「神を恐れる民」がいたのです。廃虚に立って作者は、御力を呼び覚まし、御顔を照り輝かしてくださるよう、神に祈っています。もう駄目だ、おしまいだという局面にあっても、残りの民は希望をもって祈るのだということを、この詩篇から知ることができます。
あきらめずに、神の御名を呼び求める…