みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

強くなり、…弱くなった

2014年07月16日 | サムエル記第二
サムエル記第二 3章1-21節


 誰にでも方向転換の経験があることでしょう。
 子ども時代「巨人、大鵬、卵焼き」と言われるほど野球少年たちから絶大な人気を得ていたプロ野球の巨人。私もファンの一人でした。しかし、いわゆる「江川問題」ですっかり嫌気がさしてアンチ巨人に…。こんな人、意外に多いようです。

 ダビデがヘブロンでユダの王になってからも、残りのイスラエルの王はサウルの子イシュ・ボシェテでした。この箇所は、ダビデが全イスラエルの王になるための転換点です。
 ダビデは、サウルの家を力でつぶそうとはしません。それは、サウルに追われ続けてもなおサウルを「主に油注がれた者」として自分からは手をかけなかったことを貫いているのです。

 「ダビデはますます強く、サウルの家はますます弱く…」という流れを決定的にしたのは、サウル家側の将軍アブネルの方向転換でした。
 亡きサウルの妻と通じたことをイシュ・ボシェテ王が責めたのをアブネルは怒り、ダビデを王にするために自分は力を尽くすようになるのです。「イシュ・ボシェテはアブネルに、もはや一言も返すことができなかった」との11節の記述は、弱くなるサウル家を象徴するものですね。

 神のみこころは必ずなるのですが、実現のためには人間のいろいろな事情や思いが絡み合います。時には、激しい怒りさえも…。
     


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