みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

この女から離れなさい

2012年12月13日 | ヨハネの黙示録
ヨハネの黙示録18章1-10節


 この箇所には二つの声が聞こえます。

 一つは「倒れた。大バビロンが倒れた」との力強い叫び声。「力強い叫び声」とありますので、誰もいない部屋で叫んでみました。
 「みことばの光」には「この時点では、大バビロンはまだ倒れていない。しかし御使いは『倒れた』と、すでに起きたことであるかのように語る」と解いています。
 ヨハネは、大バビロンと称されるローマ隆盛の中で、この叫びを聞いているのです。富と退廃に満ち、多くの人々を潤し、その繁栄の下に引き寄せひざまずかせる都が絶頂にある時に、「倒れた」との叫びを聞くのです。

 もう一つは「わが民よ。この女から離れなさい」との声。
 バビロン、ローマ…富を自分のものにし、人々を引き寄せる都市には、いつの時代にも人の心を引き寄せる多くの快楽であふれています。「お金さえあれば何でもできる」との錯覚も簡単に沸いてきます。
 誘惑は信仰者にも容赦なく襲います。いつの間にか引き寄せられ、福音が相対化していきます。「イエスを知らなくても」人々は何も困っていないではないかと迷います。神のことばを届けることを脇に置いて、この世が喜ぶことや受け入れられることに走ろうか、との思いも湧いてきます。

 「離れなさい」は、やがてのさばきの時のみに届く天からの声ではなくて、今もイエスを主と信じる私の心に響く声なのです。

  


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