shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Five Nights In A Judo Arena / The Beatles

2009-10-07 | The Beatles
 ビートルズがコンサート・ツアーをしていた頃のライブ音源は先日取り上げた公式ライブ盤「アット・ハリウッド・ボウル」を始め、ブートCD・LP、そしてDVD をも含めると膨大な数に上る。内容的にはやはりオフィシャル・レコーディングという音質面のメリットや、かっちりまとまった演奏などの点から「アット・ハリウッド・ボウル」がダントツに素晴しいと思うし、映像的に言えばヘリの空撮から始まりハイ・テンションなジョンのエルボー・グリグリ・オルガン・プレイ(笑)で終わるシェア・スタジアム・ライブがインパクト絶大だ。しかし私がこれまで耳にタコができるぐらい聴きまくり、メンバーの一挙一頭足まで覚えてしまうぐらい何度も何度も繰り返し見まくったのは、他でもない日本公演の、それも 6/30 のヴァージョン(ダーク・スーツの方)なのだ。確かにコンサート・ツアー中止直前ということもあってか演奏にイマイチ覇気が感じられないし、マイク・スタンドのセッティングもグダグダで歌の途中に振動のせいでマイクが横を向いていったりとか劣悪な条件下のライブだったが、それらをすべて差し引いても私にとっては忘れ難いステージだ。それもこれも1978年に「ザ・ビートルズ日本公演、今世紀最初で最後、たった一度の再放送!」と銘打って日本テレビで放送された時に、テレビの前に正座し、30分間ブラウン管を食い入る様に見続けて脳裏に焼きつけた映像の衝撃が強烈だったからだ。“コレが伝説の日本公演か...” 今の耳で比較すれば確かに 7/1 ヴァージョンの方が演奏はしっかりしているが(6/30はギターのチューニングを半音下げていたのでフヤケて聞こえるらしい...)、当時の私にそんなことが分かるワケがなく、とにかくめっちゃ感激した。そしてそんな6/30日本公演の模様を収めたブートレッグLPがこの「ファイヴ・ナイツ・イン・ア・ジュードー・アリーナ」であり、ジャケットの作りがめっちゃ稚拙(白いジャケットに紙貼ってるだけ、なんてサイテーなものも多かった...)な当時のブートレッグLPの中で、昨日取り上げた「スウィート・アップル・トラックス」やこのアルバムは堂々たるカラー・ジャケットの逸品で、音質も抜群だった。
 ①「ロックンロール・ミュージック」はまずこのチューニング音から始まらなければ雰囲気が出ない。そして “ジャジャジャジャ♪” と、いきなりジョンがギターをかきならしてスタートするところがカッコイイ!音を聴いているだけで、ガニ股でちょっと首を傾けながら歌うジョンの姿が目に浮かぶ。②「シーズ・ア・ウーマン」で早くもポールのマイクが反乱を起こす(笑) メンバーの中でも足でリズムを取りながら歌うポールは特に動きが激しいので余計にマイクが動いてしまうのだ。それにしてもこの曲、何度聴いてもカッコエエわ(^.^) ③「イフ・アイ・ニーディッド・サムワン」ではジョージのヴォーカルがやや不安定だがそれに負けず劣らずマイク・スタンドも不安定...(>_<) 一度気になりだすと目はマイク・スタンドにばかり向いてしまう(笑) 次の④「デイ・トリッパー」の曲紹介でマイクと格闘しながらもおどけてみせるジョン。彼の軽快なリズム・ギターといい、ポールとジョージの息の合ったバック・コーラスといい、めっちゃエエ感じだ。間を開けずに始まる⑤「ベイビーズ・イン・ブラック」は1本のマイクに向かうジョンとポールのギターが左右対称のV字になっていて、この二人のツー・ショットが見事にキマッてて美しい。間奏部分でポールがベースとワルツを踊るかのような動きをするところが好きだ。ジョージの初々しい MC で始まる⑥「アイ・フィール・ファイン」でも一番の聴き所はジョンの声にポールとジョージのコーラスが絡んでいくところ... これはもうたまらない(≧▽≦)
 コンサートは早くも後半戦に突入、これまたジョージの舌っ足らずな MC で始まる⑦「イエスタデイ」はこの MC がないと違和感を感じてしまうほど聴き狂ったものだ。もちろん弦楽四重奏をバックにしたスタジオ録音の「イエスタデイ」も素晴らしいが、ここで聴ける “ジョンのリズム・ギターをバックに歌われるロッカ・バラッド” ヴァージョンが大好きだ(^o^)丿 ⑧「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」の曲紹介でポールが “リンゴ!” と叫ぶと嬌声が上がり曲がスタート、一心不乱にドラムを叩き続けるリンゴをバックにしたジョンとポールのツー・ショットに胸キュンだ。ジョンの “コレ、シングルやったっけ?よぉワカランねんけど...” というお気楽 MC で始まる⑨「ノーウェア・マン」、3声のコーラス・ハーモニーをビシッとキメるビートルズがカッコイイ!ラスト2曲でスパートをかけるポールが “ここ日本でのニュー・シングル” と紹介して始まる⑩「ペイパーバック・ライター」、マイク・スタンドもグラグラしまくりで明らかにムカッとした動作でマイクをつかんで直す(数えてみたら1曲中に7回も!)ポールにハラハラしてしまう。考えてみれば音楽に関係のないしょーもない事なのだが、もう気になって気になって仕方がない。最後はポールがいつものように時計を指さしながらお別れの MC をして⑪「アイム・ダウン」へとなだれ込む。歌も演奏もヒート・アップ、ポールは何と10回もマイクをつかんで直しながら(←平均して13秒に1回!)この激しいロックンロールを歌い切った。いやはや何と言うか、とにかくメデタシメデタシだ。
 本当にアッという間の30分だが、私にとっては見どころ聴きどころ満載で思い入れの強いライブなのだ。欲を言えば 7/1 のステージの映像のキレイなやつ(アンソロジーでちょっとだけ見れてめっちゃ嬉しかった...)をぜひ オフィシャルDVDで出してほしいなぁ。ひょっとすると来日50周年とかいうて7年後に出るんかな?

The Beatles - Paperback Writer (Live In Japan)
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