shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Beatles Live at the BBC (Disc 2-Pt. 3)

2009-10-31 | The Beatles
 「BBCライブ」もいよいよ最終回、Disc-2 の後半はビートルズ珠玉のヒット曲アメアラレ攻撃だ。⑱「アイ・フィール・ファイン」、⑲「アイム・ア・ルーザー」、⑳「エヴリバディーズ・トライング・トゥ・ビー・マイ・ベイビー」、(21)「ロックンロール・ミュージック」、(22)「ティケット・トゥ・ライド」、(23)「ディジー・ミス・リジー」、(24)「カンザス・シティ~ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ」と、怒涛の7連発なのだ。エ~イ、頭が高い(笑)。この「BBCライブ」は公式録音曲以外のカヴァー曲を良い音で聴けるというのが私にとって一番の魅力で、チャック・ベリーやリトル・リチャードといった偉大なる先人達の、いわゆる “ロックンロール・クラシックス” を彼らなりにどう料理して聴かせてくれるかに一喜一憂しているのだが、逆にこれだけヒット曲を並べて “どうだ!” と言われると “参りました” と平伏すしかない(笑)。ただ、⑱⑲⑳は先述の⑨「シーズ・ア・ウーマン」と同様、オーヴァーダブを駆使してほとんど公式テイクに近いヴァージョンに仕上げてあり、確かに完成度は上がったかもしれないがライブ特有の熱いノリは後退、もちろん感じ方は人それぞれだろうが “「スター・クラブ・ライブ」のような熱気溢れる演奏を出来るだけ良い音で聴きたい” 私のような人間にとっては(21)~(24)の方が遥かに嬉しい。特に(21)はビートルズ史上最強のカヴァーと言ってもいいぐらいの素晴らしい公式テイク(←ジョージ・マーティンのピアノが絶品!!!)には敵わないものの、かなり気合いの入った演奏が聴けて大満足。イントロの “ジャジャジャジャ♪” に続いてジョンが歌い始めるとアッという間に彼の歌声に惹き込まれていってしまう(≧▽≦) ドライヴ感溢れる演奏も圧巻で、日本公演(特に6/30)とは別のバンドみたいやね(笑)。ただ、何か広~い部屋で歌っているようなエコーがヴォーカルにかかっているように感じられるのが謎だ。又、(24)は62年の「スター・クラブ・ライブ」でのハイスピード疾走ヴァージョンよりもテンポが落とされ、この1年後に「フォー・セール」に収録される公式テイクにかなり近づいた、いわゆる “過渡期ヴァージョン” として聴けば非常に興味深いものがある。「アンソロジー」でも明らかになったように、現状に満足せず貪欲に最高のモノを追求していく姿勢にはホンマ頭が下がる思いだ。
 リンゴのヴォーカルというとどうしてもC&W色の強い「アクト・ナチュラリー」が真っ先に頭に浮かんでしまうのだが、この(26)「マッチボックス」では実にエエ感じでロックしている。私は「パスト・マスターズVol.1」に入った公式テイクよりもこっちの方がノリが良くて好きだ。間奏のギター・ソロに入る時に “All right, John!” と叫ぶリンゴの溌剌とした感じもいい(^.^) (27)「アイ・フォーゴット・トゥ・リメンバー・トゥ・フォーゲット」は実に珍しいジョージのエルヴィス・カヴァー。こういうレアな音源が聴けるのもこのアルバムの魅力の一つだろう。チャック・ベリーのカヴァー(29)「アイ・ゴット・トゥ・ファインド・マイ・ベイビー」は当然ジョンがヴォーカルで、オリジナルに忠実な節回しを聴かせてくれる。尚、曲が始まる前にジョンが間奏のハーモニカっぽい音は “ハープ” なんだと拘りを見せていたが、ネットで調べるとハーモニカのことをハープ(ブルースハープ?)とも言うらしく、何のこっちゃよく分からない。彼一流のジョークでDJをからかってたのかな?
 (30)「オー・マイ・ソウル」はリトル・リチャードの曲で(←曲想が彼自身の「ジェニ・ジェニ」にそっくりな気がするんやけど...)ポールがさっきのジョン同様、オリジナルに忠実なスタイルのヴォーカルを聴かせてくれる。その歌声からは “ボク、リトル・リチャード大好きなんだヨ!” という感情がダイレクトに伝わってくる。ゴフィン=キングの(32)「ドント・エヴァー・チェンジ」はジョンとポールの息の合ったハーモニーによって完全に “ビートルズの曲” と化している。(33)「スロー・ダウン」はジョンの“ブルルルルゥ~♪” がない以外は公式テイクに遜色ない疾走系ヴァージョンに仕上がっている。そして、後半の目玉は何と言ってもジョンが歌う(34)「ハニー・ドント」だ。公式テイクではリンゴが歌っていたが、まさかジョンの歌声で聴けるとは思わなんだ(^o^)丿 リンゴには悪いがジョンのヴォーカルが持っている抜群の表現力、強烈な吸引力は圧倒的だ (≧▽≦) そして「BBCライブ」のシメはデビュー曲(35)「ラヴ・ミー・ドゥ」だ。アルバム・ヴァージョンでは叩かせてもらえなかったリンゴがしっかりしたビートを刻み、ポールが実に丁寧に、そしてノビノビと歌っている。コレは公式テイクよりエエかも...(^.^)
 ということで6回に分けて聴いてきた「BBCライブ」、バリバリのライブ盤と思って聴くと肩透かしを食うが、彼らのルーツを知ることのできる選曲といい、全56曲というヴォリューム満点の内容といい、センスの良いセピア色のジャケットといい、初期ビートルズ好きにとってのマスト・アイテムといっていい好盤だと思う。

The Beatles - "Honey Don't"
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