shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Rock 'n' Roll Music / The Beatles

2009-10-10 | The Beatles
 今日は仕事の関係で神戸へ行ってきた。 LP でも CD でも簡単にネットで手に入るようになってからというもの、以前のようにレコ屋を廻るということをしなくなってしまったが、せっかくこんな遠くまで来たんだからと、仕事を済ませたついでに三宮・元町周辺のお店をいくつか廻ることにした。
 神戸のレコ屋といえば何をおいてもまず元町の「ハックルベリー」である。ここはロック、ポップス、ジャズ、オールディーズ、フレンチ、ソウル、ブルース、サントラ、歌謡曲と実に幅広いジャンルを扱っており、それほど広いとは言えない店内に CD、LP、10インチ、シングル、DVD、音楽関係書籍etc が所狭しと並べられている。最近はネット・オークションの普及で中古CD・レコード屋は仕入れそのものが難しくなっており、どこのお店に行っても似たようなブツしか置いてなくて余計に足が遠のくという悪循環なのだが、このお店だけは一体どういうルートで仕入れしているのか、他の店に置いてないようなレア盤が結構多い。私の知る限り、大阪京都神戸のレコ屋の中で掘り出し物に出会う確率が最も高い店なのだ。
 今日のメイン・ターゲットはもちろんビートルズで、さすがにCDとDVDはほとんどが持ってる盤だったが(←いちいち値付けをチェックして自分が買った時の値段と比べてしまう己のセコさが情けない...)、日本盤がひしめくLP棚の中に「ロックンロール・ミュージック」のUKパーロフォン盤を見つけた時はシビレた。それも3,000円という良心的な値段だ。ネットで買ったら送料だけでもバカにならない。このアルバムがリリースされた1976年というのは私が1枚ずつオリジナル・アルバムを買い揃えた頃で、曲がかぶるということもあって、ポップな感じのジャケット・デザインに惹かれながらも(←見開きの内側はマリリン・モンローやコカ・コーラ、チーズバーガー、シボレー、ジューク・ボックスなどの50'sモノが描かれた勘違いジャケやけど...)ついついメンバーのソロ作etcを優先し、このアルバムの購入を後回しにしていた。80年代に入ってメディアがLPからCDへと移行するに及んで、私はこのアルバムを完全に買いそびれてしまった。数年前に eBay でUKパーロフォン盤にハマッて買いまくった時も、この盤だけはUS盤を筆頭にイスラエル盤、アルゼンチン盤、ペルー盤etc が市場に溢れているのに何故かUK盤だけは出てこずに(←MFPレーベルからバラ売りで再発された廉価盤はよく見たけど...)諦めていた盤だった。日本盤やUS盤のジャケットは特殊な紙を使ったミラー・ジャケット(?)で、見た目はキレイなのだが擦れると悲惨なくらいのリング・ウェアーで変わり果てた姿になってしまうのに対し、UK盤は通常仕様の美しいコーティング・ジャケット。それがこんな所で見つかるとは... こんな出張やったらいつでも喜んで行くでぇ~(^o^)丿
 このアルバムはタイトル通り、ビートルズの全213曲の中から彼らの原点ともいうべき熱いロックンロール・ナンバーが28曲選ばれている。A・B面はロックのスタンダード・ナンバーのカヴァー・ヴァージョンが中心で、オリジナル・アーティストを凌駕する荒削りでパワフルな歌と演奏が楽しめる。C・D面は中期から後期にかけてのハードでラウドなオリジナル曲がメインで、4面通して一気通聴することによってビートルズ・ロックの変遷が楽しめるような編集になっている。
 ビートルズという大きな存在は色々な楽しみ方を可能にしてくれる。美しいバラッドに酔いしれるもよし、サイケなサウンドでトリップ気分を味わうもよし、器楽アレンジの妙に感心するもよし... しかし、世界を変えたビートルズの音楽の根底に流れているのは炎のようなロックンロール・スピリットなのだということをこのアルバムが如実に示している。

The Beatles - Long Tall Sally