あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

国際ウオーキングトレイル実踏 =野辺山~清里=

2007-06-16 21:45:41 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 第2日 2007年6月13日(水)
 =野辺山~平沢山~飯盛山~清里~清泉寮①=


 
 朝から雲ひとつない快晴。朝食を済ませ、その前に散歩して
きた「やまさん」の案内で、そばの野辺山宇宙電波研究所の東
側敷地内を少し探検に行く。

 巨大なアンテナが八ヶ岳を背に上を向き、直径1mもない小さ
なパラボラアンテナが数十個も太陽に向いている。


 宿のそばの畑では、座ったままで作業できる機械で、広い畑に
レタスを植えていた。


 8時に「旅人の宿こっっあんち」を出る。行く手左手に、野辺山
スキー場のゲレンデが見える。

 目指す飯盛山は、左のピークの向こうになるらしい。

 宇宙電波研究所の敷地南側沿いに西に向かう。正面に赤岳や
横岳などの大展望が広がり、気持ちよい展望だ。

 南側、矢出川沿いの林でヨシキリやカッコウが鳴く。

 宇宙電波研究所の入口に出た。受付の方に聞いたら、見学で
きるというので、ザックを預けて構内に入る。

 鉄道線路のような2本のレールで移動できる、直径10mのパラ
ボラアンテナが6個上を向いている。

 ミリ波干渉計と呼び、最大600m離して観測すると直径600m
相当の巨大アンテナに匹敵する解像度になるという。

 突き当たりには、直径45m、重量700ンという大きなアンテナ
がある。(八ヶ岳連峰を背にした最初の写真)

 ミリ波と呼ぶ電波を観測できる世界最大の電波望遠鏡で、天体
からのかすかな電波信号を捉える能力に優れているようだ。

 散歩の時見た、たくさんのアンテナ群は、電波へリオグラフと
いい、太陽専門の望遠鏡。直径80cmのアンテナを84台使い、
直径500mの望遠鏡相当の解像度とか。(2番目の写真)

 それぞれの装置のそばには何枚かの説明パネルが、45m
電波望遠鏡の観測塔には、展示室があり、入館は無料である。

 「こっっあんち」の親父さんが、「野辺山は日本国内でも最も雨
の少ないところ」といわれたが、その気象条件が観測地として
選ばれたのであろう。

 思いがけず、世界でもトップクラスの「電波の窓」を垣間見る
ことが出来た。

 入口横に「野辺山派遣隊之碑」が立ち、ここが太平洋戦争中、
三重海軍航空隊野辺山派遣隊敷地で、特攻用グライダー演習
地だったことなどが記されていた。

 南側は、矢出川の流れを取り入れた矢出川公園。流れに沿っ
てレンゲツツジが花を競っていた。

 そばに、円形の新しい建物がある。「ベジタポール・ウィズ」と
呼ぶ南牧村(みなみまきむら)文化情報交流館。

 館内には、野辺山高原で見られる今夜の星空を紹介する「グ
ローブシアター」、フライトシミュレーター、図書館、レストラン、
売店などがゆったりと配置されている。

 屋上の展望台に上がると、宇宙電波研究所はもとより、八ヶ岳
連峰や、清里高原、野辺山高原など360度の展望が得られる。


 北側の車道に向かう途中に、たくさんの自然石が芝生に並び、
三重海軍航空隊野辺山派遣隊の人たちが平和を希求して造っ
たことを記したパネルがあった。


 車道に出て南に向かうとすぐ、「三軒屋碑」が立つ。慶長年間
(1596~)に徳川幕府が、行旅人のために近くの集落から3軒
の茶屋を移住させ、救護にあたらせたことが記されていた。

 500m足らずの十字路に、「飯盛山ハイキングMAP」があり、
それに従いコースに入る。広葉樹林やカラマツの下の緩い上り
道。昨日同様、ハルゼミがうるさいほどに鳴いている。

 右からの車道に合して、標高1450mの平沢峠に出た。駐車
場の隅に「お休み処飯盛亭」やトイレがあり、八ヶ岳連峰が、南
は権現岳から赤岳を経て北は硫黄岳までの大展望が得られる。


 そばに、黒っぽい溶岩の塊のような「獅子岩」があり、その上
からの展望はいっそう素晴らしい。


 駐車場の隅に「日本の分水嶺」の看板が立つ。北側には、
「平沢古道」の新しい案内板があり、「かつて佐久甲州街道は、
山梨県韮崎市から長野県佐久市岩村田の中山道を結ぶ交通
の要衝だった」ことなどが記されていた。

 道標に従い、南東に伸びる稜線を上がる。レンゲツツジや
ヤマツツジが増え、鮮やかな彩り。右に宮司の滝への道を分
け、さらにひとしきり上る。

 空気はさわやかだが、上り道はさすがに大汗が出る。

 稜線上に出て傾斜が緩まる。野辺山スキー場のリフト上部
辺りで北側の展望が開け、野辺山のビニールに覆われた畑や
平地林が一望できる。


 稜線の右側に牧場の柵が現れ、左に回り込んで少しで、標高
1653mの三角点がある平沢山に着いた。飯盛山より10m高
く、今回のルートの最高点である。

 行く手には、たこ上げをしている中学生らしい団体が群がる飯森
山(めしもりやま)、西の八ヶ岳連峰はもとより、南の雲間に南アル
プスや富士山も見え、東に奥秩父がなど、大展望が広がり、しばし
休憩した。

                    (続く)
コメント
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