あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

やまさん、国際ウオーキングトレイル実踏全地図まとめる

2012-12-04 17:45:31 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 11月21日(木)、伊豆半島の南端・石廊崎にゴールした国際ウオーキングトレイル
実踏の記録を、「日本横断国際トレイル実踏全地図」として「やまさん」こと山浦正昭さ
んがまとめ、国際青少年野外旅行研究会の自作の冊子として発行しました。



 この冊子はB5判88頁に及び、巻頭にハイライトコースのカラー写真が4ページ掲載
されています。



 次は、この活動を起こすことになったいきさつを発表した資料や実踏ルート略図などが。


 全行程53日間の地図は、歩いた距離により1日1頁、あるいは2日で1頁といったよ
うにまとめて5万分の1地形図上に記録され、全体で47枚になっています。





 そのあとに、国際トレイルのプランニングの仕方、この実踏に利用した宿泊施設、使用
した5万分の1地形図名、やまさんがこれまでに実施した日本列島の縦横断歩行の実施記
録表、ほかの国際トレイルコース案の提案、ラストメッセージなどが記されました。

 コース概要を記した裏表紙です。



 ちなみに、国際ウオーキングトレイルの行程の一覧表は以下の通りです。




 なお、当ブログでは、カテゴリー欄の「国際ウオーキングトレイル実踏」をクリックして
いただきますと、私が参加した松本から石廊崎までの行程が、勝沼~市川大門間の2日間を
除きご覧いただけます。



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国際ウオーキングトレイル実踏 10年かけた石廊崎にゴール(第2日)

2012-12-02 16:28:59 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 2012年11月21日(水)  == 南伊豆町吉田から石廊崎へゴール ==

 
 最終日は風も弱まり快晴となる。宿泊した吉田亭の前で、吉田さんご夫妻にも入って
もらい記念撮影し、7時44分にスタートした。


 吉田集落の南側山すそにある白鳥神社に回ると、石段下に県天然記念物になっている
大ビャクシンがあり、境内にも数本、ビャクシンの古木が立っていた。

 ビャクシンの古木は、この先の社寺など何か所かで目に付いた。

 境内にはツワブキが花開き、その先の行程でもいたるところに咲いていた。

 今日もまず海沿いを走る南伊豆歩道を進む。白鳥神社から、次の集落、入間(いるま)
までは約4.7㎞である。


 昨日、宿に到着後に来た吉田の浜に出て、南東に向かって木の段を上がる。


 断崖の続く海岸線上の高みへ出てトラバースして行くと、眼下の小島に釣り人が見下
ろせ、さらに進んで振り返ると、吉田港の堤防が望まれた。




 少しずつアップダウンが続き、富戸の浜(ふとのはま)に向かって丸太の柵沿いに急
降下する。


 流木などがたくさん打ち上げられている富戸の浜に下り、小休止した。


 次の三ツ石岬方面へは、標高150m付近までの上りとなる。

 右手眼下にそぎ落ちる断崖や、いくつもの切り立つ小島などを振り返ったりして、草
地まで上がった。



 さらに常緑広葉樹林の中をじりじりと上がり、右にV字状に折り返す地点に出た。木
のベンチがあったので小休止する。


 再び樹林帯となり、切れ目から吉田の集落を振り返る。林間を進んで千畳敷と呼ぶ岬
への分岐を過ぎ、やがて歩道は簡易舗装となる。

 左から右へと標高50m前後の等高線上を進むと、前方の稜線に並ぶ発電用風車群が
見えてきた。

 
 そのあたりから簡易舗装路を左に分け、入間の漁港に向かっての下り坂に入った。



 急しゅんに落ちる断崖を右に見ながら、一気に下って入間港際に出た。漁船が何隻か
引き上げられて浜辺に並び、そばの山すそに魚供養塔と畜生供養塔が並んでいる。


 港のそばの釣り案内所付近で休憩する。


 入間集落の東端まで進み、車道に分かれて右にぐるっと回り込む。家の途切れたとこ
ろから、谷間を上がる南伊豆歩道中木~入間コースの土の道に入った。


 入間からじりじりと上り詰めたところに、倒れた石仏があった。ひと息入れているう
ちに、やまさんご夫妻は先行して見えなくなった。残りのメンバーは、カーブ点やアッ
プダウンのピーク点などで小休止しながら進む。

 途切れた樹間からは、長く突き出千畳敷の岬などが望まれる。


 緩やかなアップダウンが続き、常緑広葉樹林の中を下って行くと、石室のようなもの
があった。間口2.2m、奥行き2.6mの岩をくり抜いてつくった石室で、入口に1体、
中に2体の石仏が安置されているという。

 昔、航海の安全を祈って、土地の老人達が念仏を唱えたところから、念仏堂と呼ばれ
ているようだ。

 その先から、眼下に見える中木(なかぎ)の家並みに向かって急斜面を下る。集落の
背後の稜線沿いに、発電用風車群が再び姿を見せた。


 墓地の横を下り、眼下に港を見下ろす無住の寺に12時半近くに着き、本堂の濡れ縁
を借りて昼食とする。


 15分ほど前に着いたというやまさんは、早めに昼食を終え、下の家並みに下って皆
を待つ。ゴールの石廊崎からのバス時刻に間に合うように早めに行きたいとのことで、
急ぎ昼食を済ませ20分ほどで寺を後にした。

 中木漁港際を回り、家並みの東側から次の長津呂遊歩道へ。遊歩道を入ったところに、
大岩を掘削した岩穴があった。石の採掘をした跡なのだろうか…。

 高度を上げて行くと海の展望が広がり、伊豆半島の最南端、石廊崎に通じる県道16
号に出た。


 すぐ先から左に上がり、右に回り込む県道より距離を短縮できそうな遊歩道の上り口
があるが、バスの時間を考慮し、等高線上に進みアップダウンの少ない県道をそのまま
行くことにする。

 県道の塚城トンネルを抜けて左カーブする地点は「あいあい岬」と呼ぶ好展望地。広
い駐車場と土産店があり、観光バスが来ていた。


 県道は緩やかに高度を下げて行く。大きく左カーブするあたりで、前方からの2人の
ウオーカーと行き交う。長津呂歩道を合し、さらに右に回り込み、石廊崎灯台バス停の
ところで県道に分かれた。そばに電波基準点が立っている。

 その横から、かなり前に廃止されたらしいジャングルパークと呼ぶ施設に沿って進む
と、無人の石廊崎特別地域気象観測所の建物があった。

 さらに岬に向かって進み、石室神社の石鳥居をくぐる。


 少し下って石廊崎灯台の見えるところまで進み、国際ウオーキングトレイルのゴール
とし、灯台を背にして記念撮影をする。


 毎年春と秋の2~4日、10年をかけて通算53日目、距離約950㎞を歩いた、国
際ウオーキングトレイルが終わった。


 灯台の先まで下り、断崖に望んだ景勝地にある石室神社から、岬の突端の狭い岩上に
ある小さいほこらのところまで行き、百八十度に広がる海や、灯台の見える近くの神子
元島(みこもとじま)↓などを眺める。


 快晴で多少風もあり視界が利き、遠くには、東の大島から南の神津島まで、三宅島と
神津島はかすかに認識できる程度だが、伊豆七島全島が遠望できる。

 石室神社の近くで、やまさんが来年歩くスペインの方と通訳の女性と会い、やまさん
はしばらくお二人と話を交わす。


 下田行きのバス停に向かって岬の東岸を下り、石廊崎港バス停を経て、県道16号沿
いにある石廊崎港口バス停に14時48分に着いた。

 15時15分発のバスで伊豆急下田駅まで行き、急ぎ16時発のバスに乗り換える。
今日の宿は、林田バス停前のワンゲルハウス。16時12分に着いた。

 東京から来たという宿のご主人は、オートバイで全国を走り回るほか、露天風呂風の
風呂もつくり、燻製づくりなども手がける。

 夕食は、ご主人手作りのイノシシや川魚の燻製、大きな丼いっぱいのタラコ丼、猪肉
入りの味噌汁など、ほかでは味わえないものばかり。食前には、やはり手作りという地
ビールをいただいた。

【コースタイム】吉田亭7:44ー白鳥神社7:51~55ー富戸の浜8:54~9:00ー
 Vカーブ点(ベンチ)9:29~40ー入間へ下降開始点(分岐)10:17ー入間港10・37
 ~47ー石仏(入間1㎞・中木2㎞点)11:23~25ー中木へ下降開始点(左折地)12・11
 ー中木の寺(昼食)12:27~48ーあいあい岬13:16ー石廊崎灯台BS13:40ー石廊崎灯台
 (ゴール)14:00ー石廊崎突端14:08~ー石廊崎港BS14:43ー石廊崎港口BS14・48

(天気 快晴、距離 13㎞、地図(1/2.5万) 石廊崎、歩行地 南伊豆町、
 歩数 24,100、上り・下り 各約870m)



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国際ウオーキングトレイル実踏・10年かけて石廊崎にゴール(第1日)

2012-12-02 12:54:18 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 ブログ不具合中のレポートを、10月上旬から順次アップする予定でしたが、最近
歩いた国際ウオーキングトレイル実踏を、割り込んで先に報告します。 

======================================

 「やまさん」こと山浦正昭さんが、10年前の2003年6月に、日本海側の新潟
県上越市にある鳥ヶ首岬をスタートして、毎年春秋に2~4日ずつ歩き継いできた、
日本海から太平洋へと本州中心部を横断する「国際ウオーキングトレイル実踏」も、
最終行程を迎えた。

 4年目の春、信州・松本駅から2日間を除いて歩き継いできたた私も、伊豆半島の
先端、石廊崎(いろうざき)のゴールを目指して今回も参加した。

 2012年11月20日(火)  == 南伊豆町子浦から吉田へ ==

 
 伊豆急下田駅から11時55分発の東海バスに乗り、妻良(めら)港の北端にある
終点の子浦(こうら)まで行く。記念撮影をして12時50分にスタートした。今回
のメンバーは、初参加の3人を含む9人である。


 浜沿いの子浦の家並みを抜けて国道136号に上がり、南に向かう。南伊豆では珍し
い砂浜を見下ろしながら高度を上げ、以後の海岸は断崖絶壁の続く道のりとなる。好天
だが西風が冷たく、帽子が吹き飛ばされそう。


 白崎トンネルを抜けると、次の漁港、妻良港の防波堤が見えてきた。さらに海岸線を
眺めながら国道を進んで、田面(たづら)トンネルと東條トンネルを抜ける。



 子浦より家並みの多い妻良漁港沿いに下り、家並みの間を進む。



 三島神社↑の先から少しずつ高度を上げ、家並みの尽きるあたりで国道に分かれて、
標高50m前後の高見を走る南伊豆歩道に入った。


 妻良から、次の集落で今日のゴールの吉田までは約4㎞である。


 少し進むと妻良港の向こうに、前回近くを通過した波勝崎(はがちざき)方面の展望
が開けてきた。手前の小さい岬は、斜めに走る地層がはっきりと認識できる。紺碧の海
は白く波立ち、風の強いことが知れる。

 左カーブ点から夫婦岬(めおとみさき)に向かっての歩道が延びているので回ってみ
た。

 行き止まりのピークに、何の碑か分からぬ石碑があったが、周辺は常緑広葉樹が伸び、
その石碑の台石に上がらないと海の展望は得られない。


 妻良から1㎞余りで簡易舗装が終わり、林間を抜ける土の道となる。








 木の段やロープの張られたところもあり、かなりの急斜面を下って急峻な断崖上に出
た。北側に急傾斜の大岩が立っている。



 風化して崩れそうな、大岩の横に付けられた木の段を再び上る。




 時折樹間から見える波立つ海を眺め、急斜面を下ったり上がったりが続き気が抜けな
い。







 斜面をトラバースしたり倒木をまたいだりして、標高238mピーク近くの左カーブ
点にあった木のベンチのところで休憩する。吉田までは1.1㎞の標柱がある。


 北に向きを変えて林間を下って行くと、吉田集落が見えてきた。車道に出て、南伊豆
歩道の看板でこの先のコースを確認して、わずかな家並みを進む。


 谷が開けた浜に近い平地には、一面にアロエ畑が広がっていた。こんなにたくさんの
アロエは見たことがない。


 その向こうの二階建ての大きな家が今日の宿、吉田亭。15時55分に着いた。


 距離は7㎞ほどだが、予想外に急斜面のアップダウンが続き、南伊豆歩道といっても、
ちょっとした山登りの感じだった。

 ザックを玄関において、夕暮れ前に「吉田の浜」と呼ぶ海辺まで行ってみる。石のゴ
ロゴロした浜で、相変わらず海は白波を立てており風が冷たい。


 浜辺には黄色いイソギクがたくさん咲いていた。


 夕食にはエビやサザエ、マグロの刺身、タイの煮付けなど、新鮮な海の幸がいっぱい。

 夕食後、やまさんから全行程の経過や見どころ、宿のことなどの話があり、ほかの参
加者からも、各々の参加行程の感想などが述べられた。

【コースタイム】子浦バス停終点12:50ー白崎トンネル南13:05ー妻良13:17ー南伊豆
 歩道入口13:24ー夫婦岬13:43ー簡易舗装終了13:52ー南谷川分岐(ベンチ)14:21
 ー238m点近くのカーブ点14:58~15:15ー吉田亭15:55

(天気 晴、距離 7㎞、地図(1/2.5万) 伊豆松崎、石廊崎、歩行地 静岡県
 南伊豆町、歩数 11,900、上り 約570m、下り 約560m) 



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国際ウオーキングトレイル実踏 第2日 松崎~雲見~子浦(静岡)

2012-03-04 17:45:46 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 2012年2月23日(木)
 
 予報通り雨となった。雨具を付け、ペアレントの土屋さんと記念撮影をして、8時
20分に三餘荘YHを出た。


 YHのある那賀(なか)から松崎の中心街までは2㎞ほど。田んぼの真ん中を貫く
農道を西へ。県道にコンビニ・サークルKが見えたので回り、昼食を調達する。


 県道115号と平行する那賀川堤防、昨日に続く桜並木下のナノハナがよい彩り。


 松崎の街中に入り、市役所前を通過する。流れの対岸には白壁の塀や、なまこ壁の
大きな建物が見える。


 なまこ壁が目を引く明治の商家・中瀬邸のそばで、ときわ大橋を渡って那賀川左岸
の通りへ。

 松崎町観光協会↓に入り、パンフレットを幾つか入手し、「伊豆松崎スケッチコン
クール」の入賞作品などを眺める。


 隣の建物は、わが国薬学界の最高権威で文化勲章を受章した近藤平三郎の生家だと
いう。

 その横の「なまこ壁通り」を通って、南側の国道136号に入る。伊奈下神社↓や、
漆喰(しつくい)芸術が展示されているという伊豆の長八美術館前を通過し、岩科川
の松崎橋を渡って町並みを抜けた。


 今回は通過しただけだったが、なまこ壁の家の多い町並みは、歴史の史跡も多く、
明治の町並みが残されているようだ。機会を作って再訪してみたい。

 雲見(くもみ)方面に向かう国道は、眼下に松崎港を見下ろしながら高度を上げる。


 雨がかなり強いので遠望は利かないが、港を離れて左にカーブして行くと、入り組
んだ岩礁が見えてきた。


 岬の突端に展望台があり、富士山や南アルプス、日本平や静岡市街などの展望図が
あるが、今日は全く見ることは出来ない。

 上ってきた国道沿いに何か所か見られた白い彫刻が、展望台にもある。「富士見彫
刻ライン」と呼び、松崎~岩地(いわち)間の国道沿いに、地元彫刻家が造った21
体が並んでいるという。


 車の交通量は多くは無いが、歩道が無いので車からの水しぶきを避け、最初のトン
ネルは右に残る旧道のトンネルを抜けた。

 しばらくは家が途切れ、ひたすら雨の国道を進む。二つ目のトンネルを抜けたあた
りから、雨脚が強まり、雨滴とガスで視界が遮られる。




 岩地の港を高みから見下ろしながら通過し、次の石部(いしぶ)も休むこと無く進
む。


 独特の形を見せる岩や切り立つ断崖などを見下ろし、二つの岬を回る。


 雲見の港が見えてきた町並みの入口に、「雲見くじら館」と観光案内所を併設した
建物がある。そばの雲見浜バス停を借りて昼食。雨は小降りになってきた。



 バス停の下の浜辺に2本、格好のよい松が並び、湾の向こうにはカッパのような岩
が見える。


 バス停の南側の谷間一帯が雲見の家並みで、民宿の看板が多い。やまさんが観光協
会で聞くと、民宿は以前80軒もあり、現在も60ほどはあるという。ちなみに雲見
は、通過してきた岩地、石部以上の温泉地である。


 東側を迂回する国道に分かれ、雲見の町並みを貫く狭い旧道を北に抜ける。再び国
道と合して斜に横断した雲見入谷バス停のそばに、「南伊豆歩道(波勝崎(はがちざ
き)遊歩道)」の日英中韓の四か国語の案内板が立つ。


 国道の西斜面は、河津桜の若木が見ごろになっている。


 案内に従い旧道を緩やかに上がり、城壁のように石垣を積んだ車のキャンプ場の横
をさらに上がる。雨はほぼ上がった頃、高通(たかとり)山遊歩道入口に着いた。


 常緑広葉樹の多い林間を上がる遊歩道は、緩やかに高度を上げる。


 ゆっくりと進むると傾斜が緩み、さらに少しで標高518.9m高通山山頂に着い
た。標柱のそばに三等三角点があり、一帯はツツジの名所だという。

 晴れていれば波勝崎を見下ろす絶好の展望地らしいが、ガスで全く展望は得られな
い。小休止して記念撮影後、下山にかかる。


 野猿の生息地で知られる波勝崎に向かっての下りは、急傾斜の長い木の段が何か所
も続き、どんどん高度は下がるが足にはきつい。45分近く下って波勝崎に通じる車
道に出た。


 16時台のバスに間に合わせるため波勝崎までの往復は止め、車道を先に向かう。
国道に向かって上がる途中、谷間に現れた海が、独特の景観を見せる。


 波勝崎を見下ろしてさらに上がると、林武画伯が命名したという「喚声台」があり、
眼下に伊浜の浜が見下ろせる。


 波勝崎バス停のところで国道136号へ。少し進むと、「石廊崎22㎞」の標識が
出た。長かったこの行程のゴール、11月には石廊崎(いろうざき)に到達の予定で
ある。


 バスの時刻が迫るのでピッチを上げ、晴れていれば素晴らしい展望が得られそうな
「展望広場」↓や、灯台のような白亜の塔のところも寄らずに通過する。


 伊浜からの車道との交差点に、ガソリンスタンドと一町田バス停があった。今夜仕
事というDさんは、ここからバスで先行してもらうことにして分かれる。

 残るやまさんと私は次のバスでもよいので、その先はペースを落とす。下り道とな
り、予想外に天候が回復し、雲が切れて青空が広がる。大きく左カーブするところで、
前方の岬の展望が開けてきた。



 国道は左右に大きくカーブして、太夢フィッシングクラブ↑の前などを通過して急
降下する。峠の茶屋のある落居口バス停で国道を離れ、子浦の集落に向かって下る。

 妻良(めら)港の北側に広がる子浦(こうら)の家並みに入り、川を渡ったすぐ先
の子浦バス停に17時8分に着いた。


 バスは、10分前に出たところ。近くの神社、伊勢宮や港、家並みなどを回ってバ
スを待ち、18時18分の終バスで、伊豆急下田駅に向かった。

【コースタイム】三餘荘YH8・20ーサークルK8・40~47ー松崎町観光協会9・15
 ~30ー展望台10・11ー岩地一里塚BS10・33ー石部三差路11・02ー雲見浜BS(昼食)
 11・35~12・00ー雲見入谷BS12・16ー高通山登山口12・48~55ー高通山13・50~
 14・02ー波勝崎への車道14・45~50ー波勝崎口BS15・29ー展望広場15・40ー一町田
 BS16・07ー展望台16・33ー子浦BS17・08

(天気 雨後晴、距離 23㎞、地図(1/2.5万) 仁科、松崎、歩行地 松崎町、
 南伊豆町、歩数 41,500、累積標高差 約2,420m)



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国際ウオーキングトレイル実踏 第1日 湯ヶ野~大鍋越~松崎(静岡)

2012-03-02 22:52:02 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 2012年2月22日(水)

 日本海の新潟県鳥首岬をスタートし、太平洋は静岡県の石廊崎を目指して歩き継ぎ、
毎年、春秋に実施している国際ウオーキングトレイル実踏は、最終の10年目となる。

 昨年秋の前回のゴール、天城温泉禅ノ湯ユースホステルのある慈眼院の山門で記念撮
影をして、通算50日目となる初日は、8時38分にスタートした。


 今日の行程は、県道115号をひたすら西へ進み、大鍋越(おおなべごえ)と呼ぶ峠
を越えて、伊豆半島西岸の松崎町那賀(なか)までである。

 河津七滝(ななだる)や天城(あまぎ)トンネルに通じる国道414号から県道115
号に下り、河津川の橋を渡って支流の大鍋川沿いへ。暖かい伊豆でも今年の寒さはほかと
同様、大鍋集落の梅も、まだ開花していない。

 点在する大鍋の静かな民家や、行く手の山並みなどを眺めながら進む。県道だが自動車
の通行はほとんど無く、安心して歩ける。

 集落の中ほど、山すそにあった子守(ねのかみ)神社に寄り小休止する。朱塗りの橋を
渡り、上がる石段の横に石積みの棚田があり、ワサビを栽培している。


 子守神社の創立年代は不詳だが、天正12年(1584)10月の棟札が残り、毎年10
月15日には神秘的なお神楽が奉納されるという。


 神社から500mほど進んだあたりで、軽ザックを背負ったウオーキングスタイルの女性
が下って来た。声をかけると、磐田市に住み、この先に別荘を借りてご夫妻で来ていると
いうWさん。伊豆半島の各地で別荘を探して回った末、一昨年ここを出るという方を知り、
借りたとのこと。


 日々、あるいは季節ごとに変わるこの地の自然が好きで、気に入っているという。家にい
る夫を紹介するからと、一緒に戻ってくれることになった。

 間もなく県道は、右からの支流へのカーブ点となり、「この先約6㎞は落石や路肩崩壊の
ため通行規制」の看板が立っている。

 Wさんの別荘は、支流の方に入ってすぐ近く。夫のSさんは、その支流に入って居られた
が、すぐに自宅に戻ってこられた。


 別荘の裏手には、夫が自作されたという露天風呂があり、お湯は、河津温泉の湯をポリ
タンクに汲んで運ぶとのこと。200リットルと500リットル入る大きなポリタンクと、
キャンピングカーが横に置いてある。

 アイスコーヒーを頂き失礼したが、思いがけぬ出会いだった。

 支流沿いに点在する住宅が尽きたところで橋を渡る。折り返して対斜面を緩やかに上がり、
大鍋川左岸高見の林間を進む。


 右カーブ点で東側の展望が開け、眼下に通過してきた大鍋の集落が見下ろせる。その先で
舗装が終わり、標高337m点付近には、通行規制の柵が設けられていた。


 高度が上がり、行く手に大鍋越えあたりかと思われる稜線が見えてきた。最北部まで回り
込んで橋を渡る。何回か続くヘヤピンカーブのあちこちに、石積みの段に造られたワサビ畑
が現れる。


 伊豆森林管理所の専用林道の分岐点には、くさりが貼られ通行止めの表示が立っていた。

 各々の地形を生かした段々状のワサビ田が次々に現れ、静岡県が日本一のワサビの生産地
であることが実感できる。

 何度も続くヘヤピンカーブが終わり、傾斜も緩んでこれまで無かったカーブミラーのある
右カーブ点に着く。

 今日の最高点、標高627mの大鍋越である。南西への稜線に伸びる「高峰歩道」の標柱
が倒れていた。12時半近いので、ここで昼食とする。

 20分ほどで食事を済ませ出発した。右カーブしたすぐ先の、南側では林道工事中。重機
など3、4台の機械が入り、斜面が削られ林は消えている。今どき、こんな工事は珍しい。


 すぐ先に、県の大鍋雨量観測所の小さい建物があり、屋根上に無線のアンテナ塔が立つ。


 松崎町に下るこちらの斜面は、展望が開けて上ってきた河津町側より斜度も幾分きつい。
カーブミラーも多く舗装も異なり、町による道路管理の相違が分かる。


 しばらくは右左にカーブが続き、高度はどんどん下がる。


 パイプで通行止めとなっているカンス林道への分岐を過ぎ、再びワサビ畑が増え、収穫し
たワサビを運ぶモノレールの設けられたところも多い。


 白い花の咲き出したワサビ田もあり、春の近いことを感じる。杉木立の間を右に大きく回
り込み、ヘヤピン状に戻って池代川が近づき、橋を渡った。

 県道は池代川の左岸沿いとなり、ワサビ田を眺めたりせせらぎの音を聞いたりしながら下
って行く。


 杉林の中に古びた二つの小屋のあるところで右岸へ。最奥の集落池代の民家が現れ、近く
の高台にあった智泉寺に上がって休憩する。

 本堂前に広がる庭園には、六地蔵や古い石仏などが並び、ツツジなど植え込みも多く趣あ
る寺だ。

 境内からは池代の家並みが望まれ、石段下には日に5本出る松崎行きの池代バス停がある。


 近くに、松崎の特徴的な景観のひとつ、なまこ壁の土蔵のある民家が現れ、今日初めての
店、成沢商店の前を通過する。

 日吉神社のそばから北側の持草川沿いに入る車道入口に、シャクナゲで知られる長九郎山
登山道の案内図が立っていた。

 近くの人の話では、通常は5月22日頃がシャクナゲの見頃だが、今年は寒いので遅れる
だろうという。この先、大沢からの登山路は閉鎖されていることも教えてくれた。

 素泊まり民宿「ししの宿」や民宿池代荘の近くを通過、五軒屋バス停の先で家並みが途切
れる。県道は池白川の右岸に回り、大沢集落が近づく。


 白梅が見頃になっているライダーハウス「BBBRoad」の少し先、北側の急斜面に白梅が咲
きミカンの実る、ちょっとした花畑のように見える一角があった。


 真下から斜面中腹まで上がって眺めると、その下の畑で草取りをしている奥さんが居られ
た。大沢集落の「民宿こんや」のおかみさん。今日の宿が三餘荘だと言うと、よい宿だとか
奥様はどこから来られたとか話し、畑の隅にあるミカンをもいでくれた。

 大沢集落の入口となるカーブ点の川向こうに、「野天風呂」のちょうちん下がる建物があ
り、自噴の露天風呂に500円で入れるという。橋のたもとのバス停の名も「野天風呂」に
なっていた。


 近くの流れの傍らに、「依田佐二平翁石像」と記された石造りの立像がある。この地出身
で第1回衆議院議員となった人で、今日の宿ゆかりの土屋三餘(さんよ)の門人らしい。

 その先500mほど、那賀川となった流れの右岸に桜並木が続く。中ほどに大沢温泉ホテ
ルのりっぱな建物があり、いつのものか大きな水車も残っていた。


 民宿旅館こんやの看板の見えたあたりで県道は橋を渡るが、そのまま桜並木の遊歩道を少
し進み、朱塗りの橋を渡って道の駅「花の三聖苑」に入った。

 地元産品の直売所や食堂のあるふつうの道の駅とは違う雰囲気。それもそのはず、郷土の
三聖人の業績を中心に、松崎の歴史、文化を紹介する複合施設とのこと。


 公園風なエリアには、明治初期の公立小学校「旧大沢学舎」↑、松崎の歴史などを紹介す
る「三聖会堂」↓、土産店や食事処のある和風の建物、日帰り温泉「かじかの湯」などが並
び、県道側入口には大きな花時計も設けられている。


 時間も経過しているので、個々の施設には入らずに通過する。県道に出て、中川小の近く
で通学用の吊り橋「しろかに橋」を渡る。



 那賀川左岸に続く、枝張りのよいソメイヨシノの桜並木に沿って、遊歩道を2㎞近く進む。
樹下のナノハナがかなり咲いている。


 南郷集落が途切れるあたりで対岸の那賀(なか)集落が近づく。橋を渡り那賀集落に入り、
17時ちょうど、歴史を感じられる長屋門をくぐり、三餘荘ユースホステルに着いた。



 広い邸内の中心に池を巡らし、ツツジや老松を配したりっぱな日本庭園があり、ペアレン
トの土屋九彦さんは、この家の15代目当主で6月で90歳になられるとか。50年近く、
このユースを経営されていて、松崎の偉人、土屋三餘のお孫さんにあたるという。

 奥様手作りの夕食をごちそうになり、土屋さんからご祖父三餘の業績などを説明していた
だいた後、奥の土蔵を活用した三餘塾資料館をご案内いただく。

 耐火のため三重になっている扉を開けて土蔵に入ると、中もなまこ壁になっている。

 中には、土屋三餘ゆかりの古文書や書、写真、趣味の楽器、食器や酒器など、たくさんの
ものが展示されていて、三餘の偉大な業績の一端を垣間見ることが出来た。


【コースタイム】天城温泉禅の湯YH8・38ー子守神社9・24~30ー標高191m付近(W
 さん宅) 9・59~10・10ー大鍋川支流の橋10・20ー次の支流の橋11・00ー林道分岐点
 11・18~28ー大鍋越 (昼食)12・26~45ーカンス林道分岐13・10ー343m点(橋)
 13・52ー智泉寺14・30~47ーBBRoad15・37ー野天風呂BS15・55ー道の駅花の三聖苑
 16・14~20ー三餘荘YH17・00

(天気 晴後曇、距離 24㎞、地図(1/2.5万) 湯ヶ野、仁科、歩行地 河津町、
 下田市、松崎町、歩数 41,000、累積標高差 約2,270m)

 ちなみに、土屋三餘の詳細については、松崎町のウェブサイトのこちらをご覧下さい。
 



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国際ウオーキングトレイル実踏に向け湯ヶ野へ(静岡)

2012-03-01 21:10:49 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 2012年2月21日(火)

 明日からの国際ウオーキングトレイル実踏に参加するため、伊豆急行線の河津駅に
正午過ぎに降りた。今回の出発地、湯ヶ野の天城禅ノ湯ユースホステルまでは、バス
に乗れば10分前後で着くが、河津桜の見物を兼ねて歩くことにする。

 13時11分に駅を出た。改札口と車道を隔てた南東側の線路際から河津川まで桜
並木が続き、手前の3本の河津桜だけが見ごろ。

 来る前にネットで調べたら、成長促進剤の注射をした木らしい。


 ほかの木々はまだつぼみなのでここだけ人が多く、皆さんカメラや携帯電話を花に
向けていた。

 伊豆急のガードをくぐって西北への広い通りを進む。近くの民家の紅梅が見頃に。

 通りが右カーブするところにある河津町観光協会の建物・河津桜観光交流館に入り、
観光案内コーナーや地元農産物コーナーなどをのぞく。



 そばの広い駐車場には、河津桜見物の観光バスがたくさん並ぶが、つぼみのままの
桜で、皆さんがっかりしていることだろう。


 でも、駐車場の前にあった若木の河津桜が1本、見ごろになっていたのがせめても
の慰めか…。


 広い通りの延長上、住宅地を抜ける細道を進むと、来宮(きのみや)神社とも呼ぶ
杉桙別命(すぎほこわけのみこと)神社に入る。


 石鳥居のそばにクスの古木があり、社殿の右手前にもクスの大木が立つ。

 さらに、神社の左手背後にあるのが、平安時代の「延喜式」にも記され、国指定天然
記念物になっている大クス。目通り14m、高さ24mあり、樹齢は千年以上といわれ
ているという。


 境内右手から背後を回った先、曲がり角にあった河津正月桜は、かなり色濃い花を見
せていた。


 河津川左岸沿いの道に出て、そばに桜まつりのための無料休憩所のある豊泉橋を渡る。


 橋の上下流、両岸にびっしりと河津桜の並木が続くが、まだほとんどがつぼみ。流れ
側斜面のナノハナだけが、花を開いていた。


 右岸の桜並木の下を少し進んだところに、「豊泉の足湯処」と呼ぶ建物があり、ご婦
人方を中心に10数人が足湯につかっていた。


 すぐ先で桜並木を離れ、川に平行する県道14号に入る。


 アジを干す店の横を通過し、東洋一の大墳湯が見られるという峰温泉の大墳湯公園に寄る。

 9時半から1時間ごとに、木のやぐらのところから上がる墳湯が見られるようだが、
先を急いで噴気だけを眺めて出た。


 近くに「新町の大ソテツ」の標識もあったので、こちらものぞいてみる。小公園に
なったところに、主幹の周囲約2.5m、高さ10m、樹齢千年以上と推定される大
ソテツがあり、国指定天然記念物になっている。

 確かに枝張りは広いが葉が少なく、いつかどこかで見たものの方が、見栄えがして
いたように思われた。

 そばに、「お万の井戸」と呼ぶ石で囲まれた古井戸があるが、由緒を確かめるのは
忘れた。

 峰温泉の手前まで戻り、峰温泉バス停横の細い路地を西に抜けて、旧道らしい車道
に出る。斜面を上がって行くと峰温泉が見下ろせ、墳湯を待つ人が先ほどより増えて
いるのが分かる。


 さらに上がるとミカン畑が現れ、カーブが続く。東側が開けたカーブ点まで上がっ
たら、眼下の家並みの向こうに海と伊豆諸島の一つらしい尖った島が見えた。


 高度が上がり、最後の家並みが途切れるあたりで車道も無くなる。間違えたかと思
ったが、やまさんからもらった地図を確かめたら、細道を上がれるようだ。探したら
見つかり、上にある車道に出た。

 携帯電話のアンテナ塔の立つ小集落を抜けてさらに上がる。右下に河津川上流の家
並みや山並みが見下ろせる。


 昨年秋、反対に天城禅ノ湯から河津駅に向かったときに通過した山間の小集落や、
温泉のやぐらなどの横を通過する。

 やがて下り道となり、林間の斜面に立つ子神社の鳥居下を通過、これから進む川津
筏場集落周辺らしいあたりの展望が開ける。


 夏みかんやレモンなど、柑橘(かんきつ)の実る上峰集落の畑の間を下り、河津川
右岸に沿う県道14号に出た。対岸の車道と合する近くまで進み、峰大橋の手前の橋
を渡る。橋の横に、青いカッパが立っていた。


 対岸の道路を少し戻り、北側の筏場集落を貫く旧道に入って西に向かう。すぐに素朴
な火の見やぐらがあり、道を隔てて寛政11年(1799)造立の西国供養塔や、お地
蔵さんなどが並んでいた。



 夏みかんの実る畑やスイセンの咲く集落を進み、少し高台にある三養院に背後の墓地
から下って小休止する。


 西に連なる山並みなどを眺めながら、河津川の支流に向かって大きく回り込み、その
支流の橋を渡る。下佐ヶ野集落に向かって下って行くと、行く手の谷間に湯ヶ野の家並
みが見えてきた。


 郵便局と交番のある下佐ヶ野交差点で、県道14号と対岸から来た国道414号に合
する。

 国道を、家並みの続く湯ヶ野バス停まで進み、温泉旅館の並ぶ左の旧道に入った。

 そばに、「天白(てんぱく)神」と呼ぶ石がある。天白神は、伊勢神宮の民間信仰の神
と考えられ、道祖神的な神とか。

 河津町には、ほかにも数カ所、天白神を祭った場所があるという。

 幾つかの温泉宿や、やや古びた国民宿舎かわづの前を通過し、小鍋集落の入口で河津川
の支流沿いに回る。

 昨年秋、河津駅へ向かう帰路に通った、下田街道小鍋峠越えの看板の前を通過し、小鍋
集落を北に抜ける。

 行く手に、今日の宿、天城禅ノ湯の白い建物と、経営する慈眼院(じげんいん)が見え
てきた。


 河津川を渡って国道に上がり、宿には16時40分に入る。

 慈眼院は、慶安3年(1650)僧・雲国により開山されたと伝わる寺。アメリカ初代
駐日総領事タウンゼント・ハリスが、日米修好通商条約のため下田を出発し、第一夜に泊
まった宿でもある。


 ユースホステルにもなっている天城禅ノ湯の熱々の温泉につかり、ベジタブルできれい
に盛りつけられた夕食を美味しく頂き、明日からの国際ウオーキングトレイル実踏に備え
て早寝する。

(天気 晴、距離 9㎞、地図(1/2.5万) 湯ヶ島、歩行地 河津町、歩数
 1,7900、累積標高差 約640m)

 なお、河津桜の開花情報は、このウェブサイトをご覧下さい。



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国際ウオーキングトレイル実踏 番外(湯ヶ野~河津駅)(静岡)

2011-11-17 22:12:53 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 ==2011年11月11日(金)==

 朝から冷たい雨。今回の国際トレイル実踏は昨日までの行程で終わり、今日は、帰宅に
向けて各々が、フリー歩行で伊豆急行の河津駅に向かうことにした。

 私は、やまさんが3年前に歩いたという旧下田街道の小鍋(こなべ)峠を越えて、河津
駅へのルートとする。

 8時10分に、タウンゼント・ハリスも泊まった慈眼院の天城禅の湯YHを後にした。


 雨に煙る南の山並みを眺め、国道414号から下の旧道に下る。昨日の道を少し戻って
河津川を渡り、小鍋集落に入った。

 山すそを少し進んで、Y字路を右に上がると、東側谷間に続く湯ヶ野の家並みが望まれ
る。


 小鍋神社への標識があったので、西側高台の神社に上がった。

 伊豆に流された文覚上人と源頼朝の伝説が残されており、文覚が頼朝の父義朝のドクロ
を頼朝に見せて源氏再興を促し、後にドクロを埋葬したのが、神社南側のカシの巨木の下
といわれているという。

 南に進み、河津川の支流を渡った三差路に「下田街道・小鍋峠」のりっぱな案内板が立
っている。

 案内板には、地図のほかに、寛政5年(1793)に老中松平定信一行が、安政4年
(1858)には米国初代総領事タウンゼント・ハリスが、小鍋峠を越えて江戸城へ赴い
たことなどが、記されていた。

 案内板の左手を上がり、わずかな家並みが終わると舗装が途切れて、峠への山道になる。

 最初はせせらぎに沿って谷間を少しずつ上がり、谷の迫ったところから右に回り込み、
雨に濡れる樹林の下を進む。

 ところどころに、下田街道と小鍋峠への標識が立ち、小さい分岐には、左へ普門院への
古い道しるべの標石がある。付近では、サワガニが何か所かで見られた。



 右下がり緩斜面の杉林を進んで、1時間余りで標高約290mの小鍋峠に上がった。


 峠は狭く、古い石碑や2体のお地蔵さん、小鍋峠の看板などがある。樹林に覆われてい
て、全く展望は利かない。


 広葉樹主体の林間を下る道にも、下田街道と八木山から小鍋峠への標識が何か所かあり、
迷うことは無い。10分ほどで、八木山集落からの林道のカーブ点に出た。



 きれいに剪定(せんてい)された杉林を下り、林が途切れたところには、小鍋集落と同
様の案内板が立っていた。


 雨に濡れる谷間を下って行くと点々と八木山の民家が現れた。


 林道が右に大きくカーブする地点で、ショートカットの細道で抜けると地蔵堂があり、
子安地蔵が祭られていた。





 稻梓川右岸に近い三差路には、読みにくくなった古い標石があり、折り返すように下の
道に下って川沿いを上流に向かう。

 南側の対岸は車の多い国道414号が通じているが、こちらは静か。自家米にするのだ
ろうか、はさ掛けの残る田んぼもある。


 集会所のような建物があったが、標識の字がかすれて読めない。休んでいても寒いので、
少しだけで先に進むことにする。

 何か所か国道に出る道があるが、このまま川沿いを行くことにした。護岸工事がされて
いて川の見栄えはよくないが、北側に点在する集落を眺めながら進み、峰山トンネルの近
くで国道に合した。


 国道の峰山トンネルは長さ189mあり、入口には、踊子が描かれている。

 トンネルから200m余りでY字路となり、河津バガデル公園と河津温泉郷の標識が、
咲き残ったバラの中に立っていた。

 湯ヶ野に向かって左に回り込む国道に分かれ、右手の広い車道に入る。500mほどで、
「4t車以上通行不可」の表示が立つ左の林間に下る狭い車道があった。

 ミカンの無人販売スタンドもあり、その脇を下って行く。


 集落に入って幾つか分岐があるが、右へ右へと少しずつ下ると、温泉のボーリングやぐ
らが現れた。

 小さい流れ沿いに出て、「わらべ庵」と呼ぶ焼き物の並んだ駐車場のところで、トンネ
ルからの広い車道に合した。

 小山田橋を渡って東へ、天城そばの店の横で信号のある交差点を通過し、朱塗りの欄干
(らんかん)の豊泉橋際に出た。


 橋を渡らず河津川右岸の桜並木の歩道を下流の次の橋まで進む。両岸に続く桜が、早春
にピンクの色鮮やかに咲くことで知られる河津桜で、2月上旬から3月上旬まで、河津桜
まつりが開催される。


 降り続いた雨がほぼ上がった。橋を渡って河津中の北から東に回り、次の通りを少し戻
って、杉桙別命(すぎほこわけのみこと)神社に回る。

 この神社は、平安時代の「延喜式」にも記されているという格式ある古社である。


 鳥居のそばに、枝を広げたクスノキの大木があるが、そばに「大クスは社殿左手奥」の
表示が立っていた。


 社殿に参拝後、左側背後に回ると、太い幹のケヤキのご神木に圧倒される。

 国天然記念物に指定されている大クスは、目通り14m、高さ24mあり、樹齢は千年
以上といわれているという。

 駅に向かう通りを少し進んだところに、双塔の円筒屋根の建物が見えた。立ち寄る予定
だった河津桜観光交流館である。

 1階の観光案内所で、宿でもらった「河津の温返(おんがえ)しキャンペーン」のスタ
ンプを押して応募箱に入れ、2階の食堂に上がり、桜色をした河津桜うどんを注文する。

 食堂の下にある地元産品の特売場ものぞいたら、粒は小さいが200円で3㎏くらいは
ありそうな渋柿の袋が目についた。ザックに入りそうなので買い求め、帰宅後干し柿を作
ることにした。

 商店などの増えた通りを700mほど進み、13時8分に伊豆急行線の河津駅に着いた。

(天気 雨、距離 11㎞、地図(1/2.5万) 湯ヶ野、歩行地 河津町、下田市、
 歩数 20,600、累積標高差 約1,050m)



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国際ウオーキングトレイル実踏 第2日(湯ヶ島~湯ヶ野)(静岡)続き

2011-11-16 11:00:03 | 国際ウオーキングトレイル実踏
  未舗装の旧国道は、水生地と呼ぶ八丁池への登山路入口付近で大きくヘヤピンカーブし
て回り込み、国重要文化財になっている旧天城トンネル西口に着いた。


 トンネルは、総工費10万3千余円の巨費を投じて明治38年(1905)に開通、延
長446m、幅員は3.5mである。

 トンネルの標高は708m、冷たい雨で冷えてきた。傍らにあった小さい東屋(あずま
や)で昼食をする。

 「切り石巻工法」と呼ぶ、石を積み上げて施工されたトンネルを抜けると河津町に入り、
下り道となる。こちら側では、寒天橋までの砂利道舗装工事が進んでいた。

 右に大きくカーブする寒天橋にはバス停があり、八丁池へ上がる道路のゲートが設けら
れている。

 近くに二階滝が落下していて、少し先の二階滝園地に下りると滝が見られる。



 旧下田街道となっている旧国道を少しずつ下る。途切れた樹間から西側の山並みが望ま
れ、道路際の湿った岩に、ユキノシタに似た花がたくさん咲いていた。

 葉と花の形から、どうやらダイモンジソウのようだ。

 河津七滝(かわづななだる)へ3.3㎞のところで国道を横断、平滑(ひらなめ)の滝
に向かって下り、鉄の橋を渡る。滝の上流のところにワサビ田があり、金網に「わさび検
定 序の口編」のクイズが掲げられ、畳石式わさび田の仕組み図もあった。


 さらに回り込んだ古い木のベンチのあるところが滝見台になっているが、木が伸びて平
滑の滝はほとんど見えない。


 流れは下になり、高みを進んで林道に入る。旧天城峠だった二本杉峠からの道と合し、
宗太郎園地へ。太いモミの木の下に、古い石仏が祭られていた。


 その先は、宗太郎林道と呼ぶかなりの年代を感じる杉並木となり、500mほど先には
新しい休憩舎とトイレが設けられていた。


 猿田渕入口のところから、河津川に向かって下ると、河津七滝の遊歩道になるのだが、
10月23日に落石があり、七滝上部の釜滝から蛇滝の間が通行禁止との標識があり、入
れない。


 日没まであと1時間ほどなので、河津七滝巡りは止めて、国道414号をループ橋のと
ころまで進むことにした。

 国道下をくぐり、水垂(みずたれ)バス停で国道に上がる。自動車に注意しながら狭い
側道を1.5㎞ほど進み、河津七滝ループ橋にかかった。



 橋の半径は40m、完全円形のループが2段、右回りで下る。外側の側道からは、回る
につれていま下ってきた河津川上流↑と、これから進む下流↓の谷間が見下ろせる。



 2周してループ橋の下まで下り、河津七滝ループ橋バス停で国道を離れ、河津川左岸沿
いの梨本集落沿いに下る旧道、下田街道に入る。

 納経供養塔、無量仏塔、大日如来などの石塔が並ぶ一角や、室町時代末期の宝篋印塔
(ほうきよういんとう)と伝えられる関戸芳信の墓↓を過ぎる。


 ある民家の道路際に、十二支の干支など、たくさんの瓦が並んでいた。


 やまさんが以前泊まったという民宿「てっぽう」の前を過ぎると、下田街道は右に大き
くカーブする。河津川にかかる吊り橋を渡り、支流の大鍋川と合流したところで再度橋を
渡った。


 左からの国道が近接したところで国道に上がり、そばの寺、慈眼院(じげんいん)経営
の天城温泉禅の湯YHに、16時35分に着いた。


 寺は、初代駐日総領事タウンゼント・ハリスが、修好通商条約締結のため下田から江戸
へ向かう初日に泊まったという。昨日に続き今日も温泉につかり、歩き旅の疲れをとる。

【コースタイム】木太刀荘8・14ー水恋鳥広場8・40ー伊豆の踊子碑9・08~10ー浄蓮の
 滝資料館9・20~35ー藤村文学碑9・51ー昭和の森会館10・30~45ー井上靖文学碑
 11・08ーゆうゆうの森11・35~50ー水生地下バス停12・18ー旧天城トンネル西側(昼食)
 12・47~13・05ー寒天橋13・38~40ー平滑の滝降り口14・03ー滝見台14・20~25ー宗太
 郎園地14・43ー休憩舎14・57~15・03ー猿田渕入口15・10~20ー河津七滝ループ橋バス
 停15・50ー天城禅の湯YH16・35

(天気 曇時々雨、距離 21㎞、地図(1/2.5万) 湯ヶ島、湯ヶ野、歩行地
 伊豆市、河津町、歩数 ?、累積標高差 約2,400m) 



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国際ウオーキングトレイル実踏 第2日(湯ヶ島~湯ヶ野)(静岡)

2011-11-15 22:14:58 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 ==2011年11月10日(木)==

 雨を思わせるせせらぎの音が途切れぬ、猫越川右岸に面した木太刀荘で迎えた2日目の
朝。午前中は雨の予報確率も高いので、ザックカバーとスパッツを付けて、8時14分に
出発した。川沿いのモミジがかなりよい彩り。


 合流点の上流、瑞祥(ずいしよう)橋のところで本谷川左岸沿いを南下する天城遊歩道
へ。遊歩道は、浄蓮の滝までの2.8㎞である。

 見え隠れする流れ沿いに上流に進むと、砂防ダムからかなりの流れが落下していた。


 歩行者だけの細い冠水橋を渡って右岸に回り、国道414号と本谷川に挟まれた水恋鳥
(みずこいどり)広場へ。広場には、与謝野晶子の歌碑や、キャンプ場などがあった。



 本谷川の流れや鈴なりの柿などを見ながら進み、岩尾ダムの左手を上がって、上流の小
さい橋で左岸に回る。

 天城山荘の横で国道を横断したところに、伊豆の踊子碑がある。そばに映画「伊豆の踊
子」の第1回監督、五所平之助の句碑もあり、裏面には、映画の主演女優、田中絹代から
山口百恵まで、6人の名が記されていた。


 ここで、今回の歩き旅の記念撮影をする。


 S字状の国道を再度横断、岩尾バス停から国道を少しで、浄蓮(じようれん)の滝バス
停に着く。

 ここには踊子茶屋や浄蓮の滝観光センターがあり、川への長い石段を下ると浄蓮の滝が
あるのだが、先を急いで滝への往復は省いた。

 国道の東を平行して茅野集落を抜ける踊子歩道へ。道の駅「天城越え」までは2.8㎞
という。


 茅野の家並みにも、たくさん実を付けた柿の木が多い。桜並木が続き、浄水場の先には
島崎藤村の「伊豆の旅」の一節を刻んだ文学碑があった。



 家並みが途切れて杉林に入り、車道を離れて林の中を抜けて行く。左手上に、「横光利
一文学碑」の表示があったが、碑は見えない。

 杉本橋で国道を横断し、昭和の森会館や道の駅「天城越え」、わさびの店などの並ぶ広
場に着く。広場の一角には、天城越えのことをびっしり記した説明板もあった。



 一部色鮮やかに紅葉したモミジの林に、移築された井上靖旧邸が見え、その横から再び
林間の遊歩道へ。


 遊歩道は左に国道、右下に本谷川の流れに挟まれ、旧天城トンネルまで5.4㎞である。


 少し先に小さい社があり、傍らに「山神社と七木」の説明板が立っていた。広葉樹を主
体とする林間を、見え隠れする滑沢渓谷などの流れに沿って進む。

 二本杉峠への林道に入って少しで、「ゆうゆうの森」と呼ぶ、流れが大きく左カーブす
る地点へ。ここは大川端キャンプ場跡で、木曽から移設したという森林鉄道の機関車や客
車など屋根下に保存され、付近には、バンガロー跡らしいのが幾つか認識できた。



 紅葉の始まった流れに近づき、谷に沿って、伊豆の名産のわさび田が次々に現れた。


 鉄の橋を渡って国道のコンクリート橋をくぐり、水生地下バス停のところから旧国道に
入る。

 この道は、「日本の道百選」や「日本の遊歩道百選」に選定されていて、天城峠は「日
本百名峠」に選定されているという。

 旧国道に入って間もなく、井上靖文学碑があり、小説「伊豆の踊子」の出だし部分と、
井上靖像が、自然石にはめ込まれていた。


 (続く)


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国際ウオーキングトレイル実踏 第1日(修善寺~湯ヶ島)(静岡)

2011-11-14 19:14:29 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 日本海から太平洋へ、歩いてつなげる歩く旅のコースをつくろうと、「やまさん」こと
山浦正昭さんが始めた「国際ウオーキングトレイル実踏計画」は、2003年に新潟県の
鳥首岬をスタートして9年目になる。

 今回は、伊豆半島の中央部、修善寺(しゅぜんじ)から湯ヶ野までの2日間の行程を、
やまさんほか3人で歩いた。

 ==2011年11月9日(水)==

 伊豆箱根鉄道駿豆線の終点、修善寺駅を12時02分にスタートした。狩野川(かのが
わ)の支流、大見川の橋を渡り、狩野川沿いに山すそを南下する県道349号に入った。


 西にそびえる城山(248m)の紅葉は、もう少し先になりそう。


 橋から1㎞足らずに、「日本山妙法寺」の標石が立つていたが、建物は無く、日蓮宗系
に似た文字の碑と、狛犬代わりにライオンのような像が並んでいた。


 日向集落の南にある春日神社は、やまさんが少年達と伊豆半島の徒歩旅をした「千里道
場」の際に、大雨にあって休んだところとか。境内には大杉が並んでいる。



 新しい田方南消防署前を通過し、狩野川を挟んで西側の山並みを眺めながら進む。足下
のマンホールのふたは、川端康成の「伊豆の踊子」にちなむデザイン。


 振り返る谷間はるかに見える山波は、葛城(かつらぎ)山(452m)だろうか…。


 北村集落の妙法寺で休憩する。寺には伊豆市文化財の、日蓮聖人が弘安5年(1282)
に授与された真筆があるとか。境内に日蓮聖人像が立っていた。


 寺野集落を抜け、少し離れていた狩野川の流れが迫ると、対岸に独特な姿の狩野ドーム
が近づく。




 県道は緩やかな上り下りをして、舞台集落から皆沢集落へ。地図に無い神社が見下ろせ、
そばの茶畑で、茶葉のせん定作業をしていた。


 田沢橋を渡って間もなく、回ってはいなかったが、まだ使われていそうな水車小屋が残
っていた。


 すぐ先の神社に隣接した嶺松院は、伊豆国八十八ヶ所第1番札所。


 延暦年間(782~805)、弘法大師が諸国遊行の途中、草堂を建立して薬師三仏、
十二神将仏を奉安し、里人達の苦しみを救ったと伝えられているという。そう広くは無い
が、趣ある庭である。


 再び狩野川が近づき、上流を眺めると天城の山並みが望まれる。


 「トナカイ」の標柱の立つ貸別荘風ログハウスがあるが、あまり利用されているように
は見えない。


 その先に、雰囲気の良さそうな「民宿わらじ」があったので立ち寄り、Uさんご夫妻に
お話を伺う。


 開設して18年になり、奥様手作りの料理でもてなし、リピーター客が多いという。


 庭には、料理に出すらしいシイタケが干してあり、入口付近のヒカンザクラが花開く。
帰宅後、この宿のウェブページをのぞいて見たら、魅力的な情報が多かった。

 市山の家並みにあった明徳寺に上がる。境内には禅寺風の本堂や、社殿風の「うずさま
明王堂」、鐘楼、青銅の天城慈母観音像などがある。



 明王堂の奥に回ると、男女の持ち物に似た木根や石などが幾つも、きらびやかに祭られ、
子宝やしもの病に悩む人々の信仰の場のよう。境内のスピーカーからそれらについての放
送が流れていた。常緑広葉樹の古木に覆われた山門前の石段を下って、寺を去る。

 狩野川左岸から回ってきた国道414号に入ると、湯ヶ島温泉は近い。狩野川で採れた
アユを一夜干ししている、「ひなと丸」と呼ぶ店があった。


 簀子(すのこ)橋の先にあったセブンイレブンで、明日の昼食などを仕入れる。

 少し先で、国道の左に入る旧道へ。入口に「しろばんばの里」の案内板が立ち、この地
出身の作家、井上靖の作品「しろばんば」ゆかりの地が示されていた。

 旧道沿いの井上靖旧宅跡は小公園になっていて、自筆を刻んだ「しろばんばの文学碑」
がある。


 売地になっている旧天城営林署敷地横を通過し、弘道寺に寄る。

 米国総領事タウンゼント・ハリス一行が、日米通商条約締結を目指して江戸へ上がる途
中、安政4年(1857)10月4日にこの寺に宿泊したという。

 寺の前には、ハリス著「日本滞在記」(岩波文庫)の一部を記した石碑があり、この近
くで富士山を初めて見て感激したことが記されていた。

 すぐ先、天城神社の鳥居の近くには、ご神木になっていうるシイの木の巨樹があり、こ
んもりとした枝を広げている。


 湯ヶ島温泉口バス停のところで国道を横切る。狩野川右岸沿いに入り、昔、共同湯に通
う道だったという「湯道」と呼ぶ川沿いの遊歩道へ。16時を過ぎて曇り空ということも
あり、常緑樹に覆われた道は薄暗くなってきた。


 紅葉し始めた猫越(ねっこ)川の渓谷や、河岸に並ぶ温泉旅館を眺めながら進む。瀬古
橋を渡って右岸上流の、もと国民宿舎だった木太刀荘(きだちそう)に、16時30分に
着いた。

【コースタイム】修善寺駅12・02ー春日神社12・37~40ー妙本寺13・10~21ー舞台三差路
 13・58ー嶺松院14・16~32ー民宿わらじ14・42~52ー明徳寺15・03~20ー簀子橋際セブ
 ンイレブン15・37~45ー弘道寺15・59~16・03ー木太刀荘16・30

(天気 晴後曇、距離 13㎞、地図(1/2.5万) 修善寺、湯ヶ島、歩行地 伊豆
 市、歩数 22,100、累積標高差 約600m)



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コメント (4)
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