あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

「四国へんろフォーラム@東京」

2007-06-03 23:31:11 | 四国遍路あれこれ
 今日午後、東京・吉祥寺の前進座劇場で開催された、『四国
へんろフォーラム@東京』に行って来ました。

 主催は、「四国へんろ道文化」世界遺産化の会で、パネラーは
以下の5人でした。

 元朝日新聞論説委員で、3度の四国遍路をされた、辰濃和男
さん。最近、「歩き遍路-土を踏み風に祈る」を出版されました。

 NHKドラマ・チーフプロデューサーで、昨年の秋に放映された
四国遍路がテーマの土曜ドラマ「ウオーカーズ」を担当された
鈴木圭さん。

 映画プロデューサーで、最近「団塊、再起動」を出版された
増田久夫さん。

 フォーラムの直前に上演されたミュージカル「夢へんろ~どん
な時も希望をすてず~」の作・演出をされ、松山市の劇団ミカン
座座長の戒田節子さん。

 三味線奏者で、大学卒業の年と翌年、三味線の奉納演奏を
しながら四国遍路をされた月岡祐紀子さん。 

 フォーラムは、58番仙遊寺住職・小山田憲正さんがコーディ
ネーターになり、2時間にわたるパネルディスカッションが行わ
れました。

 発言の要旨は以下のようなものでした(敬称略)。

(辰濃)44歳の現役の時の遍路は、お四国大学へ入って「自分
と向き合う」ことを感じ、60代の2度目では、「人との出合い」を、
3回目の70代では「自然との出合い=自然に祈る、感謝」を
感じた。


(鈴木)昨年のドラマ「ウオーカーズ」は、44歳で制作したが、
辰濃さんの初めてのお遍路の歳なので、ご縁を感じた。

制作中、プロデューサー日記をホームページに掲載したところ、
放映前から遍路への思いを記した長文のメールをたくさんいた
だき、反響の大きさに驚いた。

(増田)遍路の経験はないが、60歳の団塊世代で、昨年暮れ、
仙遊寺でのヨガの修行がご縁で、出席させていただいた。

最近、「団塊、再起動」という本を出した。団塊世代は60歳で
リセットするのではなく、リブート(再起動)なのだという内容
だが、まさに遍路はリブートではなかろうか。

(戒田)自分は、松山市内の50番繁多寺近くで育ち、母親など
がお遍路さんに米を接待していたのを、小さい頃から見ていた。

現在は松山のミカン一座の座長で、四国をテーマにミュージカ
ルを制作・上演している。今日のミュージカルは、引きこもり
の子どもたちが四国遍路に出て、変わることを盛りこんだ。
遍路をした子どもたちに取材してみて、自然に身を置くことの
大切さを感じた。

(月岡)父が尺八奏者だったので、幼少の頃から三味線を習
っていた。高校時代に三味線を弾きながら全国を回る「ごぜ」
さんのことを知った。

 同じような経験をしてみたいと思い、知人に勧められ、大学
卒業前に1人で、三味線の奉納演奏をしながら四国遍路をし
た。苦しいこともあったが、後半にはすっかり遍路にはまった。
翌年、カメラマンの女性との2回目の遍路は楽しい気持ちで
回ることができた。

(辰濃)遍路は遊びの心が大事。ふだんの群からはぐれて、
1人で遊べるのが遍路ではないだろうか。
お接待とは、物でいただくだけでなく、心や力もいただくのだ
と思う。

(増田)20歳で世界放浪の旅を経験した。南米からヨーロッパ
に回り、ドイツではユースホステルを中心に宿泊したが、遍路
に通じるものがあったように思う。

近年、CWニコルさんと映画造りをしたが、ニコルさんの活動
から、地球の大切さを学んだ。

(鈴木)ドラマは芝居だが、実際に遍路をするということは、
芝居ではできない何かがあるのではなかろうか。

(月岡)遍路に行く前には、何か結果を出さなければという思
いがあったが、歩いているうちに、不完全でもよいのではない
かと考えるようになり、歩くことが楽しくなった。

(辰濃)歩くと脳を刺激する。苦と楽は一体、死と生とは一体
だと思う。

(小山田)遍路をすることで、はだかの自分に出会えると思う。
四国遍路道文化を世界遺産にという考えは、「共生の心を伝
えたい」という思いから出発したことである。


 パネラーやコーディネーターの発言の主旨とは違ったかも
しれませんが、このような話題がありました。これ以外の
発言もありましたが、メモしてないので省略します。

 なお、このシンポジウムを主催した『「四国へんろ道文化」
世界遺産化の会』のWebは以下をご覧下さい。
  
   http://88henro.org/article/3874350.html

 このシンポジウムの直前に上演された、四国遍路をテーマ
にした、みかん一座のミュージカル『夢へんろ ~どんな時も
希望をすてず~』は、立ち見も出るほどの大盛況でした。

 同ミュージカルは、6月23日(土)と24日(日)に松山市内
でも上演されます。詳しくは上記Webをご覧下さい。
コメント (3)
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