魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

大関小関(1)

2011年12月04日 | 探訪・紀行

滋賀と京都は極めて近く、京都市庁と大津市庁の直線距離は10kmもない。県庁が最も近い府県だ。

にもかかわらず、相互に往来するのは容易ではない。
足で歩くしかない昔なら、むしろ「近い」と思える距離だが、
自動車にしては時間がかかり過ぎる。道の広さや交通量の関係で、どの道も激しく渋滞し、時間距離が大幅に伸びるからだ。

鉄道なら、京都-大津間は、僅か10分。驚愕の近さだが、京都府庁から、大津県庁までの実時間は、乗換、徒歩、待ち時間などを含めれば、やはり、1時間は見ておかなければならない。

それとくらべれば、琵琶湖から鴨川に、毎日通うユリカモメにとっては、実にチョロい距離だ。通勤に片道1時間もかからない。
何と言っても、直線距離は10kmだ。

真っ直ぐなら近いのだから、渋滞や待ち時間がない自転車やバイクの方が、むしろ近いんじゃないか。そう思って地図を見た。
見れば見るほど、滋賀と京都には、まともな道が無い。

「まともな道」とは、2車線以上で歩道を加えた、都市と都市をつなぐ幹線道路のことだが、古道や旧街道をそのまま使っているため、道幅が狭く、国道1号線でさえ一車線が多い。
もちろん、遠回りをすれば、名神や京滋道の高速道があるが、そこに行くまでの時間がかかるから、結局、旧道が自動車の幹線道路となり、自転車の入る余地はない。

京滋をつなぐ一般道は、北は大原から途中を通り堅田に抜ける「途中周り」か、下鴨から比叡山を越える「山中越え」。
南は、三条から蹴上げ山科か、五条の国道一号線を山科に抜ける。

中でも、南ルートは、高速道路I.C.の繋ぎ線と化して、常に渋滞するから、自転車は走れないし、バイクすら肩身が狭い。
一方、「途中周り」も「山中越え」も、険しい坂道で、しかも狭いから、自転車道とは言えない。(自転車のトレーニングコースだが)

「大関小関」
何とか自動車におびえずに走れる道はないものかと探していると、
「おや~っ」と、発見したのが、三井寺から、山科に抜ける道だ。
その入口の地名が「小関」。『こりゃ、きっと裏街道だ

そこで調べてみると、東海道の逢坂の関を「大関越」と呼ぶのに対し、この裏道を「小関越」と呼んで、昔は頻繁に利用されていたのだという。峠ほど険しくない坂を「越え」と呼ぶ。(ハ天城越~え~)

で、さっそくバイクで現地調査に出かけた。(寒い日だった)
分かりやすい大津側の「小関町」から行くと、昔の街道らしい狭い道が上へ上へと続いている。自動車も通れる舗装道だが、相当古い。

Photo_3

小関越登口
つづく