魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

大関小関(2)

2011年12月05日 | 探訪・紀行

うっそうとした森の中を、登りながら『こりゃ、自転車は無理かもな』と弱気になる。思ったより急峻だ。

頂上付近に来ると、陽が差してきた。小さな祠(ホコラ)が見えて、道の反対に、わき水がある。
「飲用」とも「飲めません」とも書いてないが、歌らしきものが書いてあるから飲めるのだろう。

その先の下り坂で道が二手に分かれ、道標が立っている。
「小関越えの道分岐点」として、左手が「琵琶湖疎水1.6km」右手が「西大津バイバス藤尾I.C.0.8km」と記され、右手のバイパス方面は広いが、左手の疎水方面は1mほどの遊歩道だ。

バイクだからとりあえず、バイパス方面に向かうが、寂しげな道にもかかわらず、意外と追い越して行くバイクや車がある。
急勾配を下っていくと、突然開けて、眼下に高速道路を行き交う車が見えた。湖西道路に続く161号線「西大津バイパス」だ。

坂を下りきって、161号の下をくぐり抜け、反対方向に思える「京都方面」に従うと、また、曲がって小川沿いに下っていく。
高架の下をくぐると、寺があり、そこにも道標「藤尾奥町・普門寺前」があった。

普門寺に向って、右手に細道があり、地蔵の祠がある。
『あ、こっちが本来の小関越えの道だ
人が歩く道だから、バイクも行けるだろう。行ける所まで行ってみようと登って行くと、案外、あっけなく、さっきの、わき水と祠の分岐点に出た。

歩いてみる
日を改めて、歩いてみることにした。(自転車の自信はなかった)
勝手が分かった今回は、山科駅前の旧東海道を東に進み、小関に折れて普門寺に向かう。

すっかり脇道のようになった旧東海道だが、古めかしいお店や、街道の厄除け「山科地蔵」などがあり、往時がしのべる。
京阪四宮駅前を過ぎると、「三井寺観音道・小関越」の大きな石柱が立っている。ここから小関越が始まる。

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京阪の藤尾道踏切を渡り、線路の先「追分」方面を見ると、ガソリンスタンドが見える。あそこが、ややこしい「京都東I.C.周辺」だ。

倉庫や工場で雑然としているが、小川沿いに進む道は、昔の街道を彷彿とさせる。藤尾小学校を過ぎると、大鉄道パノラマが開けた。
『ああ、ここが電車で見る、山科の家並か』と、驚いていると、
トンネルから電車が出てきた。

東海道線と湖西線が、それぞれ別れてトンネルに入る。道はその入り口の上に続き、ローソンが建っている。何時も通り過ぎるトンネルの上にも、ちゃんとローソンがあったのだ。その周辺に多くの人が住んでいたことに、今頃気づいた自分が、妙に滑稽で、顔がほころぶ。

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つづく