魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

三者三様

2011年04月24日 | 日記・エッセイ・コラム

東日本大震災で被災した東北三県の知事は、それぞれに個性があって、復興計画への提言でも、全く意見が分かれた。

最もテキパキして、「切れ者」風なのは宮城県知事で、岩手県知事はどこか田中康夫に似ている。福島県知事は、古いタイプの政治屋風だ。

経歴を見ると、それぞれに、なるほどと、うなずかされる。
福島県知事は、縁故しがらみから、ズルズルと現在までたたき上げてきた、いわゆる調整型で、原発推進にも結局、荷担している。
そういう点で、結局、原発の営業もした菅首相と、通じるところがある。一つ違いの同世代だ。
復興に対しては、「まだ原発が解決していない」と、立場を明らかにしない。

宮城県知事が、復興税でお願いしますと言ったのに対し、岩手県知事は、復興税で西日本まで景気が悪くなったら、日本全体が立ち上がれなくなる、と反対した。

岩手県知事が、外務省で海外勤務の後、国会議員を経て岩手県知事になったのに対し、
宮城県知事は、自衛隊士官から、松下政経塾、地方議員の後に知事になった。

外務省出身の岩手県知事が、おだやかにムニャムニャ喋りながらも、大局観から考えるのに対し、宮城県知事は、いかにも軍人らしく、歯切れの良い言葉で、一切、よどみなく喋るが、「金がなければ復興税」と、地方の立場だけで「やっつける」ことしか考えない。いかにも「士官」あがりだ。

戦後間もない中学や、高校には、江田島帰りや、陸士帰りの教師が多く、みな、極めて歯切れの良いしゃべりをする、気持ちの良い人達だった。中には小野田さんと同じ中野学校帰りもいた。

中学の担任の数学教師は、江田島帰りで、成績の良い生徒に惚れ込むところがあった。
学年で一番だったクラスメイトが授業中に、ニヤけていると、前に呼び出し「歯を食いしばれ」と言うや、教室の後ろまで殴り飛ばしながら「かわいがって」いた。
今なら大変なことだろう。

今の自衛隊は昔の日本軍とは違うが、軍人の簡潔明瞭な思考は同じようだ。分かりやすく優秀だが、えてして、視野が狭い。

自動車人間で見ると
岩手県知事と福島県知事はハンドル。宮城県知事はガソリンだ。どちらも頭脳派だが、ハンドルは受け身で反応が遅いのに対し、ガソリンは極めて反応がいい。大阪府知事もガソリンだ。

ハンドルは最悪の事態から考え、なるべくそれを避けようとする。
ガソリンは、前へ前へと進むことを考えるから、アイデアと集中力は素晴らしいが、結論を急いで視野が狭くなる。