魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

無風無評

2011年04月05日 | 新鎖国論

放射性物質による農産物の出荷制限。
風評被害とにらみ合わせて、地域や作物を細かく別けて、出荷停止や許可をすることにしたそうだ。

これでは、ますます分かりにくくなくなって、風評被害という点ではかえって、全体的な拒否が広がるのではなかろうか。

一連の原発事故の対応は、コネコネと、いかにも日本的だ。
細かい事にこだわり、そのつじつま合わせで、事が処理できていると思っている。

正確なつじつま合わせに関しては、今の日本の中堅世代が、偏差値受験世代であることと関係あると思う。あらゆる事の正確さにこだわり、大局が見えない。(当人達は無自覚だが)

森、麻生、菅、仙石など、前世代の、大局を求める「雑さ」が、理解できず、細かなことに噛みついて、全部潰してしまった。
(もっとも、この面々は、自動車人間のエンジンだから、極端に脇が甘かったが)

それでもまだ、日本ではつじつま合わせも通用するかも知れないが、日本語の機微を解さず、遠くで又聞きをしている海外の人々には全く理解できない。
「何か分からないが、日本ではとんでもないことが起こっている」
としか思えないだろう。

海外どころではない。日本でも、よく分からないから、とにかく県名を見ただけで買わなくなる。

地産地消
今回の大災害は、東京一極集中の「不都合」も、洗い出した。
電気や交通のみならず、「食と職」の地域別機能分化の不都合も大きい。

他府県に出荷するために栽培するから、地元の実態を知らない人に風評が広がる。また、特産地域が全滅すると、消費都会も産地も困る。
だから、スパッと全域停止ができず、現在のようなヤヤコシイ出荷制限になる。

地産地消の自給自足なら、風評など関係なく地元で選り分けて消費すれば良いことだし、もし、その地域消費用の作物が全滅なら、その地域全体の作物を廃棄し、他の地域から少しずつ必要なだけ融通してもらえばいい。

日本社会は、完全分化して、日本列島が一つの工場システムになっている。一カ所で配線が切れると全滅する。
そして、今や、それが世界にも広がっている。

新鎖国論は、地域分権、地産地消サイクルを進めることで、複合社会のしなやかさを再生し、日本という文化的独立を保つことを可能にする。
さらに、世界中が細分複合化することで、国家枠を解消し、逆の形で、真のグローバル化を可能にする。