転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



このブログでもときどき取り上げているカツァリスの話題だが、
今朝は、心配なニュースが出ていた。
ドイツの文筆家・評論家であるノーマン・レブレヒトのサイトに、
Just in: Eminent pianist rushed to hospital in Berlin
という記事が、10月2日付でUPされていたのだ。

『月曜(=10月1日)夜、ベルリン・コンツェルトハウスでのリサイタル中、ギリシア人ピアニストのシプリアン・カツァリスが故障を起こし、急遽、病院に運ばれたとの知らせが今入りました。それ以上詳しいことはまだわかっていません。彼のすみやかな回復を願っています。彼の回復状況について詳細が判明しましたら、どうぞお知らせ下さい。
こちらが、当『スリップト・ディスク』読者 からの報告です。
「私は昨夜、ベルリン・コンツェルトハウスで、シプリアン・カツァリスの演奏会を聴いていました。公演が終わりに差し掛かり、カツァリスがリストのピアノ協奏曲第2番の自作ソロ編曲版を演奏していたとき、彼は弾くのを中断し、左腕の感覚がなくなったと言い、客席に医師の方はいらっしゃいませんかと訊ねました。短い沈黙が流れ、カツァリスは『このような症状は初めてですので』と言い、再び、お医者さんは来ていらっしゃいませんかと訊きました。このとき数人が舞台に上がり、カツァリスを袖に入らせ、その後、病院に運びました。印象としては、演奏中に脳卒中の発作が起こったのではないかという感じで、私達は彼の病状が心配になりました。」』

カツァリスは半年ほど前、右腕の腱鞘炎の治療を受けていたが、
今回は左腕で、しかも痛みを訴えているのとは違うので、
『読者』氏の報告にあるように、脳血管障害の可能性も含めて、
病院で調べる必要が、おそらくあるのだろう。

しかし、ともあれ良かったのは、左腕の違和感を覚えるとすぐに、
その場で自分から医師の助力を求めたこと、
そしてその流れで、間を置かずに医療機関にかかったことだ。
状況がどうであれ、この御蔭でカツァリスは、
最善・最速の検査と治療を受けることが可能になったと思われる。
これ以上の対処は、考えられなかっただろう。
さすが、かっつぁん!素晴らしい判断力だ。

あとは彼の状況が良いことを、そしてこのあと順調に回復することを
日本のファンとして心から祈りたいと思う。
4月にキャンセルになった来日公演の、振替公演が、
年明けから組まれているので、私は楽しみにはしているのだが、
しかしそんなことより、まずは必要な治療を受け、十分に休養して頂きたい。
いつも朗らかで精力的なカツァリスだが、やはり年齢的に、
今は、心身を労るべき時期に来ているということではないかと思う。

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