転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
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HN「転勤族の妻よしこ」、筆名「山田亜葵」。家族は、転夫まーくん(またの名を「ツアコンころもん」)、転娘みーちゃん(1995年生まれ。首都圏在住。会社員)。
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荒ぶる女たちの格闘技
格闘技ファンもどき
/
2012年08月02日 15時17分13秒
オリンピックの柔道を毎晩テレビで観ている主人が、
「やはり柔道の(国内の)競技人口は減っているのだろうなあ」
と嘆息していた。
時代の変遷もあり、今の日本では、
身体能力の優れた若い子たちが必ずしも柔道を志すとは言えず、
もっと稼げる、或いは、つぶしの利く、他のスポーツへ行ってしまう
ということは、大いに言えそうな感じが、確かにした。
それに、漫画『柔道部物語』でも、あったではないか、
どんなに強くても、男は柔道部だと女の子にモテないって(^_^;。
昭和の頃でもそんな話になっていたくらいだから、
今時の草食系だとか、チャラい子たちにとっては、
尚更、柔道は敷居の高い世界だろう、と容易に想像できる。
「女子選手だって、柔道ずっと本気でやって来て、ほいで将来どうする、
というのは結構、シビアな問題じゃろ」
とも主人は言った。
選手時代でさえ、不況で、スポンサーになってくれる企業は多くないし、
競技生活から引退したあと、何をやって行けば良いのか、
柔道家として将来も生活して行けるのか、
タレントとしてジャーナリズムに乗っかって行けるほど知名度はあるのか、
等々と、厳しい問題は多そうだ。
「そりゃ、やっぱ、LLPW-Xだろう」
と私は言ってみた。神取忍が社長を務めている女子プロレス団体だ。
神取自身、かつては全日本三連覇・世界柔道選手権銅メダルの柔道家だった
(彼女の時代には、まだオリンピックでは女子柔道は正式種目ではなかった)。
彼女のファイトスタイルは、確実に女子プロレスを変えた。
格闘技の世界でやれることが、柔道出身の女子にはまだまだあるのではないか、
……と私は、これでも結構、真面目に思っているのだが。
「LLPWか~。仮に選手本人にやり甲斐があったとしても、稼げんやろ」
言われてみればその通りなのだった。結局、話はそこへ戻ってしまう。
プロレス産業自体が斜陽なのだ。
女のやる格闘技などというジャンルは、言うまでもなく、ますます過酷だ。
***************
その話題から、ふと気が向いて、改めて神取忍のことを調べていたら、
私は、今回の件には関係ないのだが、
全然思いもしなかった、興味深いことを初めて知った。
それは、今なら多くの人が言う、「心が折れる」という表現を、
最初に使ったのが、もしかしたら神取忍かもしれない、という指摘だった。
正確には、彼女は「(相手の)心を折ろうと思った」と言ったのだそうだが、
インタビュアだった井田真木子氏が、神取のこの発言を書きとめ、
初めて聞いた表現だったと、述べているのだ(1991年『プロレス少女伝説』)。
なんと、もしや、「心が折れる」の生みの親は神取忍だったのか……!?
確かに、神取にやられて、ジャッキー佐藤の心は折れただろう。
まだ23歳だったときに、神取は、自分より遥かに格上の超一流選手を、
無残なほどボコボコにして、リングから追い出したのだ。
団体内での確執の末とはいえ、世代交代を顕示したいだけなら、
かつての女王を、何もガチンコで叩き出す必要は無かったし、
引導を渡すにしても、いくらでもほかのやり方があった筈だった。
なのに神取は、大先輩の心を徹底的に折った。それが彼女の闘い方だった。
なるほど、あのときのことなのか…、と思うと、
「心が折れる」という表現は、どうにも胸が痛くて、
往年の女子プロファンとしては、こりゃ今後は使いづらいな……、
と思った(←やや独り言)。
1987/7/18 大和市
Jackie Sato vs Shinobu Kandori
(YouTube)
(神取側のファンの隠し撮りみたいな、中途半端な動画だ。
でも酷い場面が残っていないのは、かえって幸いだったかもしれない。)
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