転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



久々に『Pogorelic』で検索していたら、12月半ばのポーランド公演の記事があった。
スクロールして行くと12月16日付けで出て来る、写真つきの文章だ。
A jednak Ivo Pogorelić w Poznaniu, choć koncert w stroju... nieformalnym

ポーランド語からの機械翻訳で読んだ範囲では、
このときポゴレリチは前日夜にミュンヘンから空路で来たが、
悪天候のためポズナンへのフライトはキャンセルになり、
やむをえずワルシャワ経由となったようだ。
そして更に困ったことに、途中で荷物が行方不明になった。らしい。

それでも演奏会はあった。
著名アーティストやポーランドの若い演奏家なども詰めかけ、
客席は満席だったが、ポゴレリチは一切を失っていた(笑)ので
仕方なく、普段着のストライプのシャツ姿でリサイタルを行った。
「皆さんは正装していらっしゃいますね。私は囚人服で弾きます」
とポゴレリチは言った。

この日の曲目はショパン、ブラームス、ラヴェル。
聴衆は総立ちの拍手喝采となったが、アンコールは無かったそうだ。


世界中で弾いていれば、実に様々な目に合うものだろうとは思うが、
旅行中の私物や演奏会用衣装の一切合切がどこかへ行ってしまうとは。
これまで見た範囲では、彼は演奏会用の靴にもコダワリがある様子だったから、
きっと、いろいろ困ったのではないだろうか。
「乗ると必ず荷物がなくなる○○航空」というのを、昔、友人から聞いたことがあったが、
それにしても、いくら旅慣れたポゴ氏と言えど、バゲージクレームで待っていて、
最後まで自分の荷物が出て来なかったときには、さぞかしビックリしたことだろう。
楽譜などはさすがに機内持ち込みで離さなかったということか。

しかし今回、私が何より感心したのは、ポゴレリチが、
自分の服装のテイストをかなり客観的に把握している、という点だ。
シマシマの服だから『囚人服』、だなんて。

じゃあラマ僧も「王様と私」も半ズボンもブタ首飾りも、
皆がどう思うかはわかった上での確信犯なワケだね。


Ivo Pogorelić's first Poznań recital ever!(Henryk Wieniawski Musical Society of Poznan)

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