転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



某匿名掲示板を読んでいたら、
『友人の身内の葬儀に行こうとしたら、
友人本人から「香典は持って来ないでね」と言われたが、
本当に持っていかなくて良いと思いますか』
というカキコミがあった。レスとしてはごく常識的に、
『とりあえず普通に用意して出せる状態にしておき、
会場に行ってから受付で様子をみたらどうでしょうか。
出さないようになっているのなら、そのまま持って帰れば良い』
という意味合いのものがいくつか並んでいた。

質問者は納得し、礼を述べて終わったのだが、
雑談系のスレだったのでそこからしばらく葬儀や香典の話題になった。
『故人が生前「香典不要」と強く主張していたので我が家も辞退した』
『香典どころか一般的な葬儀も読経も不要との遺言があり遺族が従った』
『「○○市の条例に基づき、香典は辞退」としてる地域もある』等々と、
様々な体験談が投稿されていた。

私は人様に関しては、亡くなられたご本人やご遺族の意向に添う、
ということが最も大切だと考えているので、
盛大に見送って欲しいということであれば、そうしたいし、
香典や葬儀は必要ない、というのが、遠慮でなく本音であるのなら、
それを最大限に尊重したいと思っている。
最後のお別れが、貴重な時間であることはよく理解できるが、
一方で、遺族としてこれほどつらい時間もないだろうから、
大勢の他人がそこに介在することが、良いのか悪いのかは、
ひとりひとり、その場の気持ちや考えも違うことだろうと思う。

私自身は、もし自分の葬儀が行われる日が来たら、
その中身はどのようであってもいいと思っている。
そのときの遺族の顔ぶれにもよるだろうが、
皆にとって最も都合の良い、世間的にも一番問題のない、
多分、ごくごく「普通の」葬儀を、滞りなく行ってくれれば、
と想像しているのみだ。
香典というものが最も一般的な習慣ならそれでいいし、
香典辞退が常識になっているなら、貰わないのが良いだろう。
判断に迷うなら、葬儀屋さんの言うスタンダードの通りで、いい。

人様に関しては、もし、葬儀に関して故人の厳密な遺言があり、
それを忠実に実行することで遺族が報われた気持ちになるなら、
それはそれで良いことだと心から思っているが、
私にとっての自分の葬儀とは、私のためというより、
そのとき生き残っている遺族と、その周囲の人のためのものだ。
皆が、葬儀なり何なりが済んだという納得や満足が得られるなら、
やり方など私自身はどのようでも良い。
ハデでもジミでも、複雑でも粗略でも(爆)、私は問題にしないので、
遺族の気が済む、あるいは、その場で最も違和感のない段取りで
悶着が起きないように、終わってくれればいいと思うだけだ。

ポゴレリチのバッハで送ってくれ、などとは思っていない(苦笑)。
棺に「ポゴ氏関連第一級資料」を入れてくれ、とも考えていない。
これは何かのレトリックではなくて、文字通りだ。
私がいなくなったらディスク類も資料もすべてただのゴミだろうから、
遺族の良いように処分してくれたらいいと思っている。
その始末をするのが手間なんだよ(--#)、と苦情を言われそうな分量だが。

私より先にポゴ氏があの世の住人になっていれば、
彼岸でいよいよ演奏会を聴き放題、
ということで私は喜々として行くだろう。
彼が長生きだったなら、私が先に「涅槃で待つ」ということで。
…待っているのに、彼には公演予定をなんべんもドタキャンされたりして。

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