転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



殷の「酒池肉林」は実在?というニュースが出ていた。
中国初期の都城遺跡で99年に見つかった人工池の跡が、
王の観賞用池だった可能性がある、と発表されたのだという。

中国古代王朝・殷(いん)の「酒池肉林」と言ったら、
「十八史略」に出ている通り、暴君の紂王(ちゅうおう)が、
愛妾の妲己(だっき)にたぶらかされて、退廃的な生活の限りを尽くし、
しまいに周の武王に滅ぼされた、という伝説で有名だ。
だが、この説話は後世の儒家などによって作り出された悪女伝説に過ぎない、
という説もあるのだそうで、このあたりの事実関係は未だに定かとは言えないらしい。

確か高校の漢文の時間に、この話を習った記憶がかすかにあるのだが、
そんなものより、私がもっと鮮明に覚えているのは、
わたなべまさこ作の漫画『白狐あやかしの伝説』だ。
「花とゆめ」連載で三話完結(一話ごとに前後編だったかも?)、
76年頃ではなかったかと思う。
……ご存じの方がいらっしゃいましたら、とても嬉しいのですが(^_^;)。

怪奇ロマンを得意としたわたなべまさこ氏らしく、
物語は、この悪女が実は一匹の狐だった、という設定になっていた。
それもただの狐ではない、「金毛・白面・九尾の狐」。オバケなのだ。
話は「天竺編」「中国編」「日本編」の三編から成り、
狐はインドから中国(殷)に渡り、遣唐使船に乗って日本にやってくる。
いずれも目の覚めるような美女に化けて、
時の支配者を惑わせ、国を滅ぼす、という展開になる。

ナリは美少女でも、なにしろ化け物だから、捕らえられてクビをはねられると、
俄に正体を現し、ケーンケーンと鳴きながら空に舞い上がって去って行くのだ。
そして、また次の美女に化けて、時を越え海を渡って、忽然と姿をあらわす。
その繰り返しなんだけど、……くわばらくわばら。

で、今夜、「酒池肉林」のニュースを読んだものだから、
私は急にいろいろなことを思い出してしまって、
白狐を久々に読み返したくなり、「わたなべまさこ」で検索してみた。
そうしたら、古本屋で、一軒、扱っているところを見つけた。

http://homepage2.nifty.com/takenoko/shoj_a_3.html

これによると77年初版らしい。

……申し込みましたとも(^_^;)。こういう出会いは、逃しません。

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