転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



新型コロナ抗体、6割超が保有…高齢者は依然低く専門家「今後もワクチンが必要」
(読売新聞 2024/05/29 11:48)
『献血した1万8048人(16~69歳)を対象にした調査では、保有率は64.5%で、1月の前回調査(58.8%)から5.7ポイント上昇した。年齢別では、最も高いのは16~19歳の80.5%で、最も低いのは60~69歳の51.6%だった。』『全年代を対象にした、診療所で採血された検体を分析する別の調査では60.7%となった。5~9歳の90.6%が最も高く、10~49歳は7割超で、70歳以上は3割台だった。』

ここで測定している『抗体』とは、
コロナに罹ったことのある人が持つN抗体のほうであって、
ワクチン接種で得られるS抗体のことではない。
N抗体を持っている人は、少なくともある程度最近、
実際にコロナに感染したことがある、と見なされる。
『ある程度最近』の具体的な期間については限定しづらいが、
SNSに出ている、個人的に抗体価を調べた経験のある人たちの結果から見て、
N抗体は半年前後で減衰することが、大まかにはわかっている。

問題は、N抗体保有率が上がったから良い、という話ではないことだ。
このN抗体を一旦獲得しても、「免疫ができた」と言えるのは
平均的に数ヶ月~半年程度の間だけだ。
麻疹なら、一度罹れば終生免疫が期待できるが、COVID19は違う。
前述のように、感染で得た抗体がかなりのスピードで減衰することと、
新型コロナウイルスは変異が早く、過去の感染経験が役に立たず、
新たな変異体に出会うとまた感染してしまうという特徴があるのだ。
ゆえに、既感染者が増えても、安定的な集団免疫にはつながらない。
現に、登場から4年余という新興感染症であるにも関わらず、
既に、二度、三度、場合によってはそれ以上の回数の感染経験のある人を、
私達は身近に容易に見つけ出すことができる。
反復して感染するほど、LongCovidを発症しやすいことも、
既にカナダ等の論文で指摘されており、この感染症は一筋縄では行かない。

上記の記事からは、ワクチン接種の少ない世代ほど、
感染経験者の割合が高い、ということが読み取れる。
記事後半で言及されている数値は、診療所で採血された検体等に基づいており、
体調不良があって受診した患者さんが母数になっているから、
世間一般の割合とは厳密には一致していない筈だが、
それでも傾向として、幼い・若い(=ワクチン接種率の低い)世代に行くほど
N抗体保有率が高い、というのは言える。
5~11歳の小児のワクチン接種率は2回目までで20%台、3回目までは10%台であり、
記事中にある5~9歳の世代のN抗体保有率は90.6%だ。
一方、3回接種率が90%超に達し、フルワクチンの割合も高い高齢者世代を見ると、
70歳以上でのN抗体保有率は、30%台となっている。
ワクチン済みの高齢世代ほど、コロナに罹らずに過ごしている。

人生において何が各自にとって優先されるかという話なので、
私は他人さまの生活様式については、とやかく言わない。
感染を気にしない、うつしてもうつされても平気、という人もあるだろう。
しかし、いつも書いている話だが、私自身は、自分が罹るのはイヤだし、
私から感染させることも最大限、避けたいと思っており、
私の現在の生活において、このことの優先順位は相当高いので、
感染防止に有効であると判断していることは、今後も続ける意向だ。
ワクチンは自費でも、機会を見つつ追加接種を継続したいと思っているし、
マスク着用・手洗い励行も引き続き心がけて行くし、
「密」の度合いが自分の許容範囲を超えていると感じた場合は、
会合、イベント、旅行、等への参加を控えるだろう。

ということで、XBB.1.5の1価ワクチンの任意接種をすぐ受けるべきか否か、
というのが今の私の最大の関心事だ。
どのワクチンにせよ、例によって0か100かの話ではないのだが、
XBB.1.5の意義が「現時点の自分に関してどの程度か」という点で、
目下、少々、悩ましく思っている。
今の日本ではJN.1が主流であり、
米国では更に、それの子系統であるKP.2、KP.3が増加しており、
XBB.1.5はその意味では、あきらかに一世代前の株となっているのだ。
XBB.1.5ワクチンを受けた場合、JN.1やその子系統である変異株が、
どの程度の高さの中和抗体抵抗性を示すのか。
何であれこれしか無いのだから早めに受けて、秋冬までの繋ぎにするか、
このあと最大限の感染防止策をとりつつ、10月を待って頑張るか。

日本は秋冬接種をJN.1の1価ワクチンで行くと既に決めており、
これが同系統のKP.2、KP.3に交差すると期待されている訳だが、
一方で米FDAはダイレクトにKP.2または3で秋冬ワクチンを作ることを
6月の会議で検討するという話も出ており、まだ流動的であるらしい。
米国が方針変更したら、日本に入って来るワクチンも変わる、のだろうか。
そうなったら、予定している秋冬定期接種に間に合うのだろうか?
もしそこで混乱を来すならば、10月以降いつ打てるかも危うくなるから、
やはり今あるXBB.1.5を、とりあえず打つべき、……なのか。
現在流通している自費接種用ワクチンの期限は7月22日の筈だが、
これまでの公費接種とは違い、医療機関ごとの都合が優先されるので、
7月に入ってから予約&接種できるものかどうか、これまた不透明だ。

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