保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

敬老会や敬老の日なんて…

2015年09月22日 | 町内会活動、参加の記録

70歳以上のお年寄りを招待する
地区(町内)公民館主催の「敬老会」が今年も催されました。

我が町の全133世帯、住人306名のうちで対象となる人数は128名
つまりほぼ42%に昇る年寄りに“曖昧に敬老の意思を示す”ために
無料招待して当日出席する69名を粗酒粗肴でもてなしつつ
表彰状やプレゼントを贈ったりして長寿を祝うのです。

それも区の活動資金の不足が叫ばれるなかで
総額20万円、一人当たり2900円を超える予算を注ぎ込んで。

元々これらの活動を主導するのは年寄りが多いのですから
“年寄りが年寄りを敬う”というなんとも不思議なイベントに私には見えて仕方ないのですが
ただ他方、普段の日常生活でほとんど姿を見ることのないかなりの高齢者に
年に1度は会えるという意義も、災害などで重要視される地域の結び付きを考えたら
忘れてはいけない側面なのかもしれません。

ただし、目線を国レベルに移すと「敬老」とは程遠い実態が見えてきます。

およそ8割の高齢者が年金のみで生計を立てているため
配偶者が亡くなると当然、一人分の受給額になることにより、今や
一人暮らしの高齢者が年収122万円以下の貧困状態にあるとされ
それを表わす相対的貧困率は30~40%に昇るそうです。
ただしこの数字には所有する資産(預貯金や不動産等)は考慮されていません。
そして一方、老後も働こうとしても働く場所は一向に整備されません。 

核家族化が進み、高齢者を支える家族が縮小しているのは
そもそも現役世代の子供たちは賃金が上がらず、時に雇用も崩壊して
自分たちの生活に精一杯でとても親の面倒を見られる状況になく
それを責められる環境にないことも一因です。
もっとも、同居して親の年金や蓄えを当てにする若者家族が
増加している話も一部で囁かれています。

1人暮らしの高齢者が急増しており、孤独死が全国で多発しています。
誰にも看取られず「人間らしい死」と程遠い実態が身近にあることは
もはや珍しくなくなったし、亡くなった後の片づけビジネスも盛況だそうです。
孤独死が起こっても警察が物のように遺体を片付けて
何事もなかったように忘れ去られます。

オレオレ詐欺の被害がこれほどまでに続ていても根絶にはほど遠く
被害に遭っても「騙される高齢者が悪い」という論調すら存在します。
貯めなければ不安だから貯めているのにその貴重な老後資金が
主に若者たちの犯行グループに搾取されています。

要介護状態になっても老人ホームには入れない状態がまだまだ続いています。
「老老介護」「認認介護」も止まらず、ましてや今年からは
特別養護老人ホームに要介護3以上の重い介護状態にある高齢者しか入所できません。
低所得といってもよい高齢者世帯にもさらなる介護費負担を求められ
介護保険利用負担が一定の所得から2割に増えてもいます。
それにも拘らず、かろうじて入所したホームでは介護スタッフが足りず
過酷な労働環境から高齢者が死傷事件、虐待事件に巻き込まれたりしています。

病気になっても窓口の医療費負担ができないため、通院を抑制し
病状が悪化してから救急搬送されるので
治療したくても手遅れになる事態は相変わらず多いと言われます。
また入院しても差額ベット代など療養するための費用を恐れるため
必要にも拘わらず「早く退院させてほしい」と懇願する人も多いといいます。

このエアコン普及率が極めて高い日本において
未だに熱中症に倒れる高齢者がいるのは経済的に電気代を気にして
利用できなかったりそもそもエアコンを設置できないためとされています。

等など、挙げていけばキリがないほど
かつて日本経済を支えた高齢者に冷たい社会がそこにあるのです。

2030年問題のように、見方によっては人口の多さによって
自分の首を自分が徐々に絞めあげて行くように見えないこともなく
それにつけてもこの国は今後、年寄りをどうしようとしているのでしょうか。

そしてそれはそのまま
今はまだ若い娘達世代が将来、自分たちが受ける施策になって行くはずです。

 

 

コメント
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